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平均リノベ受注単価1,000万円! 中古流通新時代に対応した「中古リノベ」事業の未来と可能性【セミナーレポート】

平均リノベ受注単価1,000万円! 中古流通新時代に対応した「中古リノベ」事業の未来と可能性【セミナーレポート】

LIFULL HOME'S Businessは、不動産会社の方向けにセミナーを開催しております。
7月4日に、「平均リノベ受注単価1,000万円! 中古流通新時代に対応した『中古リノベ』事業の未来と可能性」と題したセミナーを開催しました。

セミナーでは、不動産領域の集客・中古物件探しから、建築領域のデザイン・工事、引き渡しまでを、一気通貫で実施する「ワンストップ事業」の優位性と戦略を紹介しました。セミナーから一部をご紹介します。

【登壇者】
株式会社WAKUWAKU 取締役Co-Founder 渡邊勇太

目次[非表示]

  1. 1.「中古+リノベ」はユーザーに選ばれる住宅購入手法
  2. 2.「不動産×建築」で実現するワンストップ事業の3つの優位性
    1. 2.1.顧客満足度が高い
    2. 2.2.事業収益性が高い
    3. 2.3.将来成長性が高い
  3. 3.ワンストップ事業で成功するための4つの戦略
    1. 3.1.不動産と建築を滞りなく進めるためのスピーディな業務フロー
    2. 3.2.中古リノベの顧客ターゲットと集客導線
    3. 3.3.初回接客での顧客への“WAKUWAKU”醸成(価値づけと不安払拭)
    4. 3.4.住宅購入資金計画、物件探しの前提となるリノベ商品・価格
  4. 4.まとめ:ワンストップ事業を戦略的に!

「中古+リノベ」はユーザーに選ばれる住宅購入手法

株式会社WAKUWAKU取締役Co-Founderの渡邊勇太氏は、中古物件を購入してリノベーションをする(「中古+リノベ」)住宅購入手法について、「中古築古住宅をリノベーションして、見た目と耐久性を上げつつ、新築注文住宅より低価格で買う住宅購入手法」と説明します。

「例えば、神奈川県で2,500万円の中古マンションを購入し、1,000万円でリノベーションすると、近隣エリアで新築マンションを購入する場合と比べて1,000万円ほど低い価格で好みの間取りを実現できます。また、熊本県で800万円の一戸建てを購入し、断熱や耐震も含めたリノベーションを1,800万円で行った事例もあります」(渡邊氏)

また、渡邊氏は、「中古+リノベ」という住宅購入手法は、「趣味を存分に楽しみたい」「コロナ禍でも心地よく過ごしたい」「こだわりを詰め込みたい」といった「自分らしい暮らし」を、予算を抑えながら手に入れられる住宅購入手法である言います。

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「中古マンションを買ってリノベーション」の事例

「不動産×建築」で実現するワンストップ事業の3つの優位性

「中古+リノベーション」をワンストップで提供する事業モデルは、不動産領域の集客・中古物件探しから建築領域のデザイン・工事、引き渡しまでを一気通貫で実施する、不動産と建築が融合したビジネスモデルです。渡邊氏は、このようなワンストップ事業には次の3つの優位性があると言います。

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「中古+リノベーション」ワンストップサービスの事業モデル

顧客満足度が高い

新築注文住宅を購入する場合、顧客は高い期待値を抱きます。一方、中古住宅を購入する顧客は、新築注文住宅の購入者ほど高い期待値は抱いておらず「期待値を超えやすい」と、渡邊氏。

資材高騰などの影響で新築注文住宅の価格が上がる中、予算内で好みの空間づくりやデザインを実現できるワンストップ事業の顧客満足度は高い傾向にあるそうです。

事業収益性が高い

渡邊氏が提案する事業のターゲットは、「これから中古住宅を購入し、住みやすい形に変えよう」という層です。そこには潜在的な市場があり、大手参入により低単価が進む従来のリノベーション市場と比べて顧客は増加傾向で、単価は高い傾向にあります。

現在、中古流通の築古物件の比率は年々増加しています。物件の築年数が古ければ物件の価格が下がり、予算のうちリノベーションにかけられる費用は上がります。

渡邊氏によると、同社が展開する「リノベ不動産」グループの直近1年間のリノベーション平均単価は886万3千円。競合・相見積りがほとんどないため高単価のリノベーションを受注できているそうです。

例えば、予算3,000万円で築30年のマンションを購入しリノベーションしたケースでは、物件購入に2,000万円、リノベーション請負に1,000万円を割り振り、仲介手数料3%の66万円とリノベーション請負の粗利率35%の350万円、合わせて416万円の収益が出ています。通常の不動産仲介の4倍の利益です。

渡邊氏は、「不動産仲介よりも粗利が大きく、相見積もりがないため高単価リノベーション案件を獲得できます。その上、お客様の満足度も高い事業モデルです」と強調します。

将来成長性が高い

新築市場は縮小する一方で、中古住宅の流通量と購入比率は拡大しています。消費者の意識も変化しており、国土交通省の調べによると、持ち家への住み替え後の居住形態は「新築住宅がいい」と回答した人は平成15年時点で69.3%でしたが、平成30年時点では「中古住宅」「こだわらない」と回答した人が合わせて56%にのぼりました。

また、「新たな住生活基本計画」の閣議決定を受け、国が中古住宅の流通をバックアップしています。自治体レベルで補助金も整備されており、「ワンストップ事業に追い風が吹いています」と、渡邊氏。

ワンストップ事業で成功するための4つの戦略

「ワンストップ事業で成功するための戦略」として、渡邊氏は「業務フロー」「集客」「営業」「商品」に関する4つの戦略を提案します。

不動産と建築を滞りなく進めるためのスピーディな業務フロー

不動産領域ではスピード感が求められる一方、建築領域では技術や緻密さが求められます。「不動産のスピード感で進行するには、反響から引渡しまでのスピーディな業務フローを組んでおくことが前提条件になります」と、渡邊氏。

反響、初回接客、案件案内・リノベ提案、物件・請負契約、設計・工事の各段階のポイントを押さえた上で、営業、設計施工、マーケティングの部門ごとに整理し、ツールに落とし込むと良いでしょう。

中古リノベの顧客ターゲットと集客導線

「反響」段階では、顧客ターゲットを踏まえて集客導線を敷くことが重要です。「中古住宅を買ってリノベーションしたい」と考える層は、既に中古物件を求めて動いている「顕在層」と、情報収集段階の「潜在槽」に大別されます。

顕在層の反響は不動産ポータルサイトやチラシから集めることとなりますが、潜在層の反響は通常、WEB広告などを介して集まってきます。

「どの施策にいくらかけ、どれだけの反響を集めたいか定めた上で集客しましょう」と、渡邊氏。「自社の得意・不得意や商圏によって、反響の集め方も変わってきます。ポータルサイトだけで集める会社もあれば、自社WEBサイト、WEB広告、イベントなどを織り交ぜて展開している会社もあります」と紹介しました。

初回接客での顧客への“WAKUWAKU”醸成(価値づけと不安払拭)

初回接客では、ヒアリングによって予算、エリア、広さなどさまざまな要望を聴取し、顧客が「どんな物件を購入し、いくらかけてどんなリノベーションができるか」を事前に把握できるよう、資金シミュレーションも含め案内します。

加えて、「中古リノベーションの魅力を感覚的に伝える、顧客がワクワクできるようなアプローチが大事」と、渡邊氏。ビジュアルで施工事例と予算を把握できる「右脳に働きかける」営業ツールを活用しながら、価値を伝えます。

住宅購入資金計画、物件探しの前提となるリノベ商品・価格

物件案内とリノベーション提案の段階では、物件に合わせたリノベーション商品と価格の提案がポイントになります。

物件の選定では、リノベーションに適した物件であることが必須条件です。チェックリストに沿って物件を選定しましょう。続いて、物件とセットで、顧客の要望と予算を踏まえた実現可能なリノベーション商品と価格を提案します。このとき、販売図面をベースに間取りのゾーニングなどを用意しておくと効果的です。

また、リノベーションの概算と大まかな明細も提示できれば、この時点で物件購入とリノベーションをまとめてクロージングできます。リノベ不動産では、仕様グレードに応じてリノベーションの概算と大まかな明細まで算出できるリノベーション見積りシステムを活用しています。

まとめ:ワンストップ事業を戦略的に!

最後に、本セミナーのタイトルに掲げた「中古流通新時代に対応した『中古リノベ』事業の未来と可能性」のポイントを押さえておきましょう。まず、中古住宅をリノベーションしてワンストップで提供する事業は、顧客満足度、事業収益性、将来成長性の観点から優位性のある事業と言えます。ワンストップ事業を成功させるには、業務フロー、集客、営業、商品に関する4つの戦略が欠かせません。

約200加盟店の拠点でブランドパートナーとともに事業展開する「リノベ不動産」では、人員体制や業績、商圏もさまざまなブランドパートナーの事例に基づく事業収益シミュレーションが可能です。事業に必要なサービス・ツールや研修、領域特化チームによる全方位的なサポートも提供していますので、ぜひご活用ください。​​​​​​​

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「リノベ不動産」ブランドパートナー制度

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編集部
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工務店・ビルダー、新築一戸建て販売会社様を支援すべく、住宅営業のノウハウや人材採用、住宅トレンドなど、様々なジャンルの情報を発信してまいります。

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