規模の小さな工務店においては、集客にかけられる予算や人的リソースが限られてしまうのが大きな課題といえます。そうしたなかで安定した受注を獲得するには、効率的な戦略が必要不可欠となります。

今回は、小規模な工務店が抱えやすい課題を整理したうえで、集客の効率化を図る秘訣を5つに分けて見ていきましょう。また、相性のよい施策として、ポータルサイトの特徴と仕組みも併せてご紹介します。

小さな工務店が抱えやすい課題

小さな工務店では、その事業規模ゆえのさまざまな悩みを抱えやすいといえます。ここではまず、小さな工務店が抱えやすい課題を整理してみましょう。

差別化戦略が必要不可欠

取扱い件数が年間20棟以下の工務店は、全国に3万社以上あると言われています。規模の小さな工務店は全国に数多く存在していることから、営業エリアにおける競合他社との差別化は必須の取組みとなります。

特に人口が減少しているエリアでは、工務店同士でニーズを消費し合ってしまうことも多いため、どのように差別化を図るかが生き残りのための課題といえるでしょう。

人的リソースに限りがある

差別化が必要な一方で、小さな工務店は人的リソースが限られるため、あまりあれこれと施策を打ち出すことはできません。限られた人員や予算で勝ち残るためには、ITなどの活用も視野に入れた効率的な集客方法を考えていく必要があります。

自社の分析やターゲットの絞り込みが不十分になりがち

人的リソースの不足によって、自社の強みの整理やターゲット層の絞り込みなどが十分に行えていない場合も少なくありません。その結果、どのように集客施策を打ち出せばよいかが判断できず、なかなか効率的な戦略を立てられないというケースが多いです。

効率的に集客するための5つの秘訣

課題点として整理したように、小さな工務店はリソースが限られるため、できるだけ効率的に集客を行っていく必要があります。ここでは、集客を成功させるためのポイントを5つに分けてご紹介します。

➀認知度不足を解消するために見込み客となるターゲットを絞り込む

工務店の集客戦略の基本は、どこまでいっても「地域密着型」にあります。そのためには、営業エリアに対象を絞り込んで、認知度の向上に注力することが大切です。

まずは、自社の商圏の特徴をリサーチし、メインとなるターゲット層の絞り込みを行いましょう。それには、過去や現状のデータだけでなく、再開発の予定などの「未来」も含めた丁寧な分析が重要です。

➁ペルソナを設定して自社の強みが訴求ポイントになるかを検討する

ターゲット層を分析したら、そこから具体的な「ペルソナ」を設定することが大切です。ペルソナとは、メインとなるターゲットを年齢・性別、住まい、年収、価値観、家族構成、ライフスタイル、趣味、情報収集の手段といったさまざまな項目にわたって具体化した人物像のことです。

ペルソナを設定することにより、どのようなメッセージが求められているのか、どのように届けるべきなのかといったマーケティングの要素が明らかになります。自社の策定したペルソナに合わせて、どのような強みが訴求ポイントになるのかを検討しましょう。

➂オフラインの集客施策を見直す

工務店の集客方法には、オフラインによるものとオンラインによるものの2通りがあります。インターネットの普及によって、オンラインの集客手法が急速な発展を見せていますが、地域密着型の工務店ではオフライン施策も重要な立ち位置を占めます。

まずはチラシやイベントといったオフラインの集客施策を見直し、必要に応じて施策の入れ替えや改善を行いましょう。

➃オンラインの集客施策を見直す

オンラインによる集客施策は、少ないコストでも運用しやすいのが特徴であり、資金力で不利になりやすい小規模の工務店にも適しています。オンラインの集客においても、地域に根差した戦略、いわゆる「エリアマーケティング」が基本です。

具体的には「MEO（Map Engine Optimization）」対策や地域に特化したWeb広告の打ち出し、地域に合ったキーワードを踏まえた「SEO（Search Engine Optimization）対策」などが挙げられます。たとえば、MEO対策に力を入れれば、Googleマップや検索エンジンで地名入りキーワード検索をされたときなどに、自社サイトを上位に表示できるようになります。

スマホでマップ検索されたときにも対応できるため、自社の商圏における認知度の向上に役立つのがメリットです。

➄効果測定と改善を繰り返す

オフライン・オンラインのいずれにおいても、施策を打ち出したら定期的に効果測定を行うことが大切です。コストや労力に対して、期待するような効果が見られない場合は、すぐに原因を突き止めて改善する必要があります。

また、場合によっては施策そのものをストップし、そのほかの方法に目を向けることも重要です。ただし、SEO対策などの施策は効果が出るまでに時間がかかるので、効果測定のタイミングや指標には注意が必要です。

集客から成約につなげるためのポイント

集客について考えるうえでは、単に認知度の向上や問合せの増加を目指すのではなく、最終的な成約にまで目を向けることが大切です。ここでは、集客から成約につなげるためのポイントについて見ていきましょう。

継続的にコミュニケーションを図る

見込み客から問合せや資料請求があった段階では、自社だけでなくほかの候補にも同様のアクションを起こしていると考えるのが自然です。そこから成約につなげるには、継続的なコミュニケーションを図り、自社に任せてもらえるだけの信頼関係を築かなければなりません。

住宅イベントへの誘導やFPなどの専門家による住宅ローン相談会の開催などを行って、対面でのコミュニケーションを重ねながら、不安や悩みの解消につなげていくことが大切です。また、商談においてもお客さまの希望を丁寧にヒアリングし、誠実に受け止めたうえでプランの提案を行う必要があります。

エリア内での競争優位性を強める

小さな工務店の場合、地域密着型の経営となるため、エリア内での強みを生かしていくことが重要となります。そのためには、自社の強みだけでなく、商圏内の市場や競合についても分析しておかなければなりません。

営業エリアにおけるニーズと自社のポジショニングを踏まえたうえで、訴求すべき強みを検討していくことが大切です。

大手にない魅力をアピールする

小規模の工務店にとって、大手の住宅会社は強力な競合となるため、特に差別化を図らなければならない存在といえます。商圏内に大手住宅会社の支店や営業所がある場合は、しっかりと調査・分析を行ったうえで、どのような点が自社独自の強みとなるのかを探ることが肝心です。

小規模な工務店ならではの魅力をアピールし、大手とターゲティングが重ならないように工夫することも、地域戦略の重要なテーマとなります。

ポータルサイトを活用するのもひとつの方法

工務店のオンライン集客では、住宅ポータルサイトを活用するのも有力です。小さな工務店でも、運用次第では大きな効果を期待できるのがポータルサイトの特徴であるため、有効な選択肢として集客戦略に組み込んでみるとよいでしょう。

ここでは、ポータルサイトの特徴やメリット、費用の仕組みをご紹介します。

ポータルサイトを活用するメリット

ポータルサイトとは、さまざまなサービス・ページが統合された大規模なWebサイトのことです。住宅ポータルサイトには多数の住宅会社が情報を登録しており、ユーザーは自由に検索をしながら相性の合う依頼先を見つけられる仕組みとなっています。

工務店にとって、ポータルサイトの利用には次のようなメリットがあります。

​​​​​​​ポータルサイトそのもののアクセス数が多いため、一から独自でオンライン集客をするよりも効率的に認知度を高められるのがメリットです。また、Webの専門知識がなくても本格的な会社紹介が行えるため、人的リソースが限られた環境でも利用しやすいといえます。

さらに、問合せやイベントなどの誘導機能も活用できるので、成約へのステップを進めやすいのも特徴です。

ポータルサイトの料金体系

ポータルサイトの料金体系には大きく分けて2つのタイプがあります。1つめは掲載数やアクセス数などに紐づいて料金が課金される「掲載課金型」です。知名度の高いサイトなどで採用されているケースも多いのが特徴ですが、掲載そのものに費用が発生するため、反響（問合せなどのアクション）1件あたりにどのくらいの「反響単価」がかかっているのかを意識する必要があります。

もう1つは、反響に応じて料金が課金される「反響課金型」です。反響課金型のコストは具体的な成果に紐づいているため、費用対効果を計算しやすいのがメリットです。ポータルサイトを利用する際には、費用の仕組みや費用対効果を検証し、自社に合ったものを選びましょう。

ポータルサイト「LIFULL HOME'S注文住宅」の特徴

LIFULL HOME'Sでも「LIFULL HOME'S注文住宅」という注文住宅に特化したポータルサイトを運営しています。サイトそのものの認知度が高く、TVCMなどのプロモーションによって、4年間で問合せ数が3.8倍にも増加している集客力が強みです。

そして、ほかにも工務店の集客に役立つ次のような特徴が備わっています。

LIFULL HOME'S注文住宅の4つの魅力

​​​​​​​上記の特徴により、小規模の工務店とも相性のよいサービスとなっています。詳しい資料は以下のページから無料でダウンロードできるので、ぜひチェックしてみてください。

 ≫ LIFULL HOME'S (ライフルホームズ) 注文住宅で集客を強化しませんか？

●記事のおさらい
最後に、今回の内容をQ&Aで確認しておきましょう。

Q：規模の小さな工務店が抱えがちな悩みとは？
A：規模の小さな工務店では、人的リソースが不足しがちなため、集客に手が回らないというケースも多いです。小規模だからこそ、ターゲティングや強みの分析といったマーケティングの準備をしっかりと行い、効率的な集客戦略を立てる必要があります。

Q：効率的な集客を行うためのポイントは？
A：まずは地域の特徴をリサーチし、見込み客となるターゲット層を絞り込むことが大切です。そこからペルソナを設定し、自社の強みとなる訴求ポイントを探ったうえで、オフライン・オンラインを織り交ぜた集客戦略を立てましょう。

Q：小規模な工務店がポータルサイトを利用するメリットは？
A：ポータルサイトの知名度を活用して、効率的に自社の情報を広げられるのがメリットです。反響課金制のサイトを選べば、費用対効果も計算しやすいため、資金力に限りがあっても有効に運用することができます。