カスタマージャーニーで打つ手が見える! 住宅購入までの顧客行動を知る方法
最近は、多くの人がPCやスマートフォンなどのデジタルデバイスを所有しており、商品・サービスに関するさまざまな情報を収集できる環境にあります。
そのため、住宅購入を検討する顧客においても、情報収集の方法や購入までの行動がより複雑化しているのが現状です。適切なアプローチを実施するためには、住宅購入までの顧客行動を把握して、課題を洗い出す“カスタマージャーニー”の作成が不可欠といえるでしょう。
本記事では、カスタマージャーニーの役割や目的、カスタマージャーニーマップの作り方を解説します。
目次[非表示]
- 1.カスタマージャーニーとは?
- 2.カスタマージャーニーはなぜ重要? その役割・目的とは
- 3.カスタマージャーニーマップの作り方
- 3.1.①ペルソナを設定する
- 3.2.②タッチポイント・ゴール(目標)を設定する
- 3.3.③フレーム(枠組み)を作成する
- 3.4.④実際のデータを収集する
- 3.5.⑤データを書き込み、マップを完成させる
- 4.まとめ
カスタマージャーニーとは?
カスタマージャーニーとは、顧客が商品・サービスを認知してから購入に至るまでの購買プロセスを考えるマーケティング手法です。
そして、顧客と企業や商品・サービスとの接点(タッチポイント)を時系列で表して、フェーズごとに見える化した地図を“カスタマージャーニーマップ”といいます。
カスタマージャーニーマップは、住宅購入までのプロセスを仮説・検証するためにも役立ちます。また、顧客に効果的なアプローチ手法や改善する必要がある課題を洗い出せるため、住宅営業の認知度アップや集客にも有効とされています。
カスタマージャーニーはなぜ重要? その役割・目的とは
現在、スマートフォンやSNSの利用拡大によって、顧客が商品・サービスに接点を持つ“タッチポイント”が多様化しています。
顧客の年齢や生活スタイル、情報収集方法によって行動・思考が異なるため、企業が想定する顧客像とギャップが生まれていることもあります。
こうした状況から、従来のアプローチ方法では、顧客の本当のニーズを満たせていない可能性が考えられます。企業が顧客ニーズを満たすためには、顧客理解が必要不可欠。
カスタマージャーニーは、顧客の購買プロセスをフェーズごとに見える化して、顧客の行動・思考・感情などを整理し、把握するという役割があります。
顧客の行動や思考を理解することで、顧客一人ひとりに沿った精度の高いアプローチが可能になり、これまで気付かなかった課題や改善点を発見できる効果が期待できます。
顧客の購買プロセスを見える化する目的には、主に以下の3つが挙げられます。
- 商品・サービスへの接点から検討、購入に至るまでのプロセスの全体像を可視化して、従来の方法にはない新たなタッチポイントを検討する
- 顧客の理解を深めて、企業目線ではなく顧客目線の商品・サービスの開発や、ニーズに沿ったマーケティング施策を検討する
- カスタマージャーニーマップの作成を通じて、チーム全体で現状を把握し、課題に対して共通認識を持つ
カスタマージャーニーマップの作成は、新たなアプローチ手法を検討するためだけでなく、チーム全体の認識を統一する目的もあります。部署の異なるスタッフ同士も明確な目標に向けて一致団結できるため、マーケティング活動の効率化につながります。
カスタマージャーニーマップの作り方
カスタマージャーニーマップの具体的な作り方は、大きく5つのステップに分けられます。顧客への理解を深めて課題や改善点を洗い出すために、顧客目線で考えることが重要なポイントです。
①ペルソナを設定する
カスタマージャーニーマップの基盤となるのがペルソナ設定です。ペルソナとは、自社の商品・サービスにおける代表的な顧客像のことをいいます。
年齢・性別・職業・価値観・ライフスタイル・好み・悩みなど、実在する一人の人間を描くように、人物像を具体的にイメージできるよう明確化するのがポイントです。
ペルソナ情報を詳細に設定することで、「どのようなプロモーションに興味を持つか」「どのような不安を持つか」といった思考・感情も想定できるため、説得力のあるアプローチ施策が考えられるようになります。
②タッチポイント・ゴール(目標)を設定する
設定したペルソナの人物像が、「いつ」「どのような」チャネルに接点を持つか、タッチポイントごとに分けて設定しましょう。
該当するペルソナが「どのような経路で情報を収集しているのか」「どのような広告に興味を持つのか」などを正確に洗い出すことで、訴求力の高い施策を打つことができます。
ゴール設定については、売り上げアップという最終的な結果だけでなく、「SNSにシェアしてもらう」「Webサイトから資料請求をしてもらう」など、タッチポイント別の目標を考えるのがポイントです。
③フレーム(枠組み)を作成する
横軸と縦軸に必要な項目を設定し、カスタマージャーニーマップの枠組みとなるフレームを作成します。
- 縦軸:顧客のタッチポイント・行動・思考・感情・課題などの情報を設定
- 横軸:認知・興味・比較検討・購入・口コミなどを時系列順のフェーズで設定
縦軸・横軸に設定する内容は、業種や商材によって異なります。複数の商材がある場合には、それぞれに対応したカスタマージャーニーマップを作成しましょう。
④実際のデータを収集する
ペルソナ設定やフレームワークを作成したあとは、顧客に関する情報収集を行います。
カスタマージャーニーマップは、一方的な視点ではなく顧客行動や思考をもとに作成するのがポイントです。そのため、想定だけではなく、“事実”も集める必要があります。たとえば、アンケートやインタビュー調査、問合せ履歴などから実際の情報を収集します。
あらかじめペルソナを設定してからデータ収集を行うことで、実際のデータと照らし合わせて、課題・問題点・追加施策などを洗い出せます。マップの完成前に足りていない項目がないか確認できるため、より精度の高いカスタマージャーニーマップを作成できるようになります。
⑤データを書き込み、マップを完成させる
最後のステップとなるのは、作成したフレームワークに情報を書き込む作業です。顧客行動を青、チャネルを赤、思考・感情は緑など、色分けして分類することで、直感的に情報を把握できるようになります。文字だけではなく、イラストや図を入れるのも効果的です。
マップが完成したら、チームでフェーズや顧客行動を確認しながら、「広告に効果的なチャネルは何か」「検討段階で足りていないアプローチは何か」など、改善策や問題点を議論しましょう。
理解が不足している部分は、さらに情報収集を実施して各ステップの決定事項を見直します。修正を繰り返しながらバージョンアップしていくのがポイントです。
まとめ
スマートフォンの普及やSNSの台頭によって、顧客が商品・サービスにかかわるタッチポイントは多様化しています。情報収集のルートや消費者行動が複雑化しているなか、「いかに顧客の心理や行動を正しく捉えるか」が効果的なマーケティング施策を打つために重要といえるでしょう。
カスタマージャーニーマップを作成して顧客の行動・思考・感情などを見える化すれば、現状の課題や改善点を把握しやすくなります。
顧客に効果的なアプローチ手法や、ニーズを満たす情報・コンテンツを提供するためにも有効といえるでしょう。
また、カスタマージャーニーマップには、チーム全体で課題や目的に対して共通認識を持つという目的もあります。Webマーケティングチーム、広報チームなど、複数のチームが関連している場合でも、一貫した取組みによってゴールに向けた連携が可能になります。
「広告を出しても思うように集客ができない」「見込み顧客を獲得できない」という工務店さまやハウスメーカーさまは、カスタマージャーニーマップの作成に挑戦してみてはいかがでしょうか。
また、顧客のフェーズ管理に関するお悩みには、顧客管理システムの導入も効果的です。
工務店さま向けの顧客管理システムには、さまざまなサービスが展開されています。
下記ページでもご紹介しておりますので、併せてご一読ください。