デジタルサイネージは工務店集客に有効? 機能や導入効果を解説
ポスターや看板といったアナログ媒体に代わる新たな広告媒体として、電子看板の“デジタルサイネージ”が登場しています。
デジタルサイネージは、ディスプレイに静止画・動画を表示させるシステムです。広告やキャンペーン情報を配信できる機能を備えており、工務店・ビルダーの集客や宣伝などにも有効な広告媒体です。
デジタルサイネージの導入で効果を出すためには、ターゲットや目的に応じた配信コンテンツの設計が欠かせません。
本記事では、デジタルサイネージの基本機能と導入効果をはじめ、運用設計のポイントについて解説します。
目次[非表示]
- 1.デジタルサイネージが持つ4つの機能と導入効果
- 2.デジタルサイネージのコンテンツ設計ポイント
- 2.1.①ターゲットとゴールの設定
- 2.2.②訴求軸の選定
- 2.3.③効果測定の実施
- 3.まとめ
デジタルサイネージが持つ4つの機能と導入効果
デジタルサイネージには、主に4つの機能があります。ここでは、基本的な機能とその導入効果について解説します。
①広告配信
デジタルサイネージのディスプレイを通じて広告を配信できます。Web広告とは異なり、駅や近隣施設といったエリアを絞った広告配信ができるのが特徴です。
また、USBメモリやネットワーク経由で広告を切り替えられるため、ポスター・看板のような張替え作業が必要ありません。映像の切り替えを時間単位で設定できるため、通行量や時間帯に応じた広告配信ができます。
▼導入効果
- 広告運用にかかる労力・コストの削減
- 設置場所・エリアに応じた宣伝による認知度の拡大
②販促表示
デジタルサイネージは、工務店・ビルダーの店舗販促ツールとしての機能も備わっています。
たとえば、店舗や展示会場の入り口にデジタルサイネージを設置して住宅情報・キャンペーン情報を配信するという使い方ができます。
また、ポスターや看板のデータをデジタル化してそのままコンテンツとして活用することが可能です。アナログツールと比べて制作にかかるコストや労力を抑えられるほか、リアルタイムで情報を更新できるため、必要に応じて自在にコンテンツを変更できます。
さらに、視認性の高さも特徴です。動きや光でコンテンツを表現できるため、より多くの人の目に留まりやすくなります。
▼導入効果
- ポスターや看板制作にかかるコスト・労力の削減
- 来店誘導、問合せの促進
③情報提供
店舗・展示会・イベントにおけるさまざまな案内や情報発信ツールとしてデジタルサイネージを活用することも可能です。来客者に向けて以下のような情報を柔軟に切り替えながら配信できます。
- 営業時間
- キャンペーン情報
- 施設内マップ
- 混雑状況
- 呼び出し案内
ポスターとは異なり、多くの情報を一つのスペースで案内できるのがデジタルサイネージの魅力です。新型コロナウイルス感染症の対策や災害時の情報提供などにも有効といえます。
▼導入効果
- 誘導・案内に必要な人件費の削減
- 来客者の利便性向上
- イベントや展示会場でのスムーズな移動の実現
④空間演出
デジタルサイネージは、映像・動画を使って訴求できるため、店舗やイベント会場などにおける空間演出としての機能も持っています。
自社の理念・世界観を伝えるムービー配信や現場を盛り上げる迫力のある映像演出など、さまざまな空間装飾が可能です。お客さまの興味関心を引き出しやすく、自社の想いや強みを知ってもらうのにも効果的です。
▼導入効果
- 展示会やイベント会場の話題性創出による集客促進
- ブランドイメージの向上
デジタルサイネージのコンテンツ設計ポイント
デジタルサイネージは、ただ単に導入するだけでは効果が期待できません。設置場所や顧客属性に応じたコンテンツ設計、効果検証を行うことが重要です。
デジタルサイネージの運用設計におけるポイントは以下の3つです。
①ターゲットとゴールの設定
効果的なコンテンツを配信するために、まずは集客したいターゲットを明確化します。設置場所やエリアごとの顧客属性を分析して、自社の顧客像を整理するのがポイントです。
次に、ターゲットとなる顧客をどのような行動に誘導するか、ゴールを設定します。ターゲットとゴールを設定することで、目的に応じたデジタルサイネージの設置場所を検討できます。
▼デジタルサイネージの設置場所
ゴール |
設置場所 |
展示会の来場促進 |
駅中、商業施設、繁華街など人が集まる場所 |
店舗の来店誘導 |
店舗入り口 |
人流誘導 |
店舗エントランス、展示会場の入り口付近 |
②訴求軸の選定
デジタルサイネージの訴求効果を高めてゴールへとつなげるには、コンテンツの訴求軸を選定する必要があります。
伝えたい情報やセールスポイントを絞ることで統一性のあるコンテンツを作成できるようになり、精度の高い配信が可能となります。
また、映像の見せ方・デザインを工夫するのも重要なポイントです。以下の要素を考慮して、ターゲットに刺さるコンテンツを作成しましょう。
▼コンテンツに統一性を持たせるための検討要素
- 住宅商材のコンセプト(高性能住宅、ローコスト住宅、自然素材の住宅)
- 自社の雰囲気(個性的、ナチュラル、スタイリッシュ、シンプル)
- ターゲットの好み(趣味趣向、ライフスタイル、理想とする暮らし)
③効果測定の実施
デジタルサイネージの導入後は、その効果を測定・分析することが欠かせません。課題を洗い出して改善につなげることで、より効果的なアプローチが可能です。
効果測定を行うことで、どの程度の人がデジタルサイネージを見ているか、集客につながっているかどうかを可視化できます。
▼効果測定の主な指標
- 閲覧者の属性
- 混雑度
- 閲覧時間
- 集客数
- 運用コスト
閲覧数が多いものの集客が少ない場合には、ターゲットに応じたコンテンツ配信ができているかの見直しが求められます。
閲覧数自体が少ない場合には、設置場所・時間帯などを見直す必要があるでしょう。
継続的にPDCA(Plan Do Check Act:計画・実行・評価・改善)サイクルを回すことで、デジタルサイネージの導入効果を高められます。
まとめ
デジタルサイネージは、広告配信や販促表示、情報提供、空間演出などさまざまな機能を持っています。
目的に応じてコンテンツを配信することで、店舗やイベントへの集客促進、来客者の利便性向上などの導入効果が期待できます。
また、ポスターや看板のような印刷・張替えが不要なため、広告運用コストの削減にもつなげることも可能です。
なお、デジタルサイネージの運用には、エリア・顧客の特性を踏まえたコンテンツ設計が欠かせません。運用の際は、顧客ニーズを捉えたうえで「どこにどのようなコンテンツを配信するか」を決めましょう。
導入後には、どのような効果を得られたのかを確認しながらPDCAサイクルを回して訴求効果を高めていくことが重要です。