平屋には2階建て以上の住宅にはない魅力があります。近年では、ライフスタイルの変化などによって、注文住宅でも平屋が選択されるケースが少しずつ増えてきています。

しかし、絶対数で見れば2階建て以上と比べると圧倒的に少ないため、平屋施工の受注数を増やすには独自の戦略が必要です。今回は平屋人気に隠された理由と、平屋施工の集客を成功させるためのポイントについて見ていきましょう。

平屋住宅が人気である理由

労働人口の減少やライフスタイルの変化などにより、新築住宅の着工件数は年々減少傾向にあります。そうしたなかにあって、着実に着工率が増えてきているのが平屋住宅です。

まずは平屋住宅に関するニーズの変化と、人気を集める理由について見ていきましょう。

平屋住宅の着工率は過去10年で2倍に増加

もともと、平屋は2階建て以上と比べて延床面積を確保しにくいことから、全体としての数は1割にも満たない状態が続いてきました。国土交通省の建築着工統計調査によれば、2012年時点における新設平屋の割合（新設居住専用平屋数÷新設居住専用住宅数で計算）は約6.8％でした。

一方、2023年の建築着工統計調査では、居住専用住宅における平屋率は13.5％となっており、ほぼ2倍に増加していることが分かります。

平屋を選ぶ人が増えている理由

平屋を選択する人が増えている理由としては、次のようなものが挙げられます。

■平屋人気の理由

• 世帯人員の減少
• 生活動線の効率化
• 多様なライフスタイルへの対応

もっとも大きな理由として挙げられるのは、世帯人員の減少です。独身世帯や夫婦のみ世帯の増加、一人っ子の増加などにより世帯の構成人数が減っており、それによって住まいに求める条件も変化していると考えられます。

従来と比べてそれほど広い面積は必要とされず、むしろコンパクトで効率的な生活動線を確保できる平屋が、相対的な魅力を高めているといえるのです。また、ライフスタイルの多様化も、平屋が人気を集める理由の一つになっています。

たとえば、趣味を大事にするライフスタイルを実現するうえでは、ガレージやテラスなどとの相性がよい平屋が有力な選択肢となり得ます。あるいは、子育てを終えた高齢夫婦世帯が終の棲家として購入する場合に、ワンフロアでバリアフリー性の高い平屋が選ばれるケースもあるでしょう。

このように、一般的な2階建て以上の一戸建てにない魅力が注目され、新たなニーズが生まれているのが平屋の現状です。

平屋住宅の集客を高める3つのポイント

続いて、平屋住宅の集客を成功させるうえで、基本となるポイントを見ていきましょう。

ペルソナの明確化を行う

住宅会社の集客戦略では、あらゆるターゲット層に広く浅くアプローチするのではなく、ターゲットを絞り込んでピンポイントのアピールを行うのが基本です。平屋住宅の場合は、特にニーズが明確化されやすいため、どのような層がお客さまになり得るのかをしっかりと把握しておかなければなりません。

このときに重要となるのが「ペルソナ」の設定です。ペルソナとは年齢・性別、居住エリア、年収、職業、家族構成、価値観、ライフスタイル、悩み、情報収集の方法といったさまざまな項目を具体的に描き出した人物像のことです。

ペルソナを明確化することで、「どのような層にどのようにアプローチすべきなのか」を考えやすくなります。そのため、まずは自社の既存顧客や営業エリアなどのデータを踏まえて、精度の高いペルソナを設定することが重要です。

平屋の施工に特化したアピールを行う

「幅広いタイプの平屋の施工が行える」「平屋の施工実績が豊富」という点は、それだけで大きな強みとなります。平屋建築に強い住宅会社であることをアピールするために、施工事例や実績、お客さまインタビューなどのコンテンツは、積極的に自社サイトやパンフレットへ掲載しましょう。

また、地域によっても適した建材やつくりが異なるので、地域密着型の住宅会社という点も訴求ポイントになります。自社の営業エリアを意識した広告展開を行うことで、効率的な集客活動につながります。

オフラインとオンラインの集客施策を組み合わせる

住宅会社の集客手法には、チラシや住宅関連イベントなどの「オフラインによる施策」と、インターネットを活用した「オンラインによる施策」の2種類があります。平屋には若い世帯から子育て世帯、子育てを終えた夫婦のみ世帯といった幅広い顧客層があるため、どちらか一方に偏るのではなく、両方の集客方法をうまく組み合わせることが大切です。

平屋住宅の集客で注文住宅ポータルサイトを活用するメリット

住宅会社の集客手法の一つとして、「注文住宅ポータルサイトの利用」が挙げられます。ポータルサイトを活用すれば、効率的な見込み客の獲得が期待できるようになります。

ここでは、ポータルサイトのメリットと利用時のポイントについて見ていきましょう。

サイトそのものの認知度が高い

ポータルサイトは、サイト自体の認知度・注目度が高く、多くのアクセス数を持っているのが特徴です。ポータルサイトに広告を掲載すれば、単独で自社のホームページやSNSを運用するよりもスピーディかつ小さな労力で、さまざまなユーザーとの接点を築くことができます。

条件に合うユーザーとマッチングしやすい

ポータルサイトでは、あらかじめさまざまな条件を指定した状態で、マッチする住宅会社を検索できるようになっています。そのため、平屋の施工を検討しているユーザーに対して、効率的に情報を届けられるのがメリットです。

しっかりと自社の強みや魅力を掲載すれば、平屋住宅の施工が得意な住宅会社として、ユーザーに認知してもらえる可能性が高まるでしょう。

問合せやイベントへの誘導がスムーズ

ポータルサイトには、手軽に利用できる問合せフォームや、イベントの予約機能が備わっているものも多いです。自社の情報が気になったユーザーがいれば、これらの機能を活用してもらうことで、スムーズにその先のステップへ誘導できます。

そのため、見込み客を商談へつなげられる可能性が高いのもポータルサイトの魅力です。

上手に活用するコツ

さまざまな魅力を持つポータルサイトですが、多数の住宅会社が情報を登録しているため、他社との差別化は重要なテーマとなります。平屋の施工を強みとする場合、同じ地域内で平屋の施工を取り扱う住宅会社とは、どうしても顧客を食い合う形になってしまうでしょう。

そのため、「地域密着型によるきめ細かなアフターフォロー」など、自社ならではの強みをしっかりと確立し、競争優位性を確立することが重要です。

LIFULL HOME'Sでは、注文住宅に特化したポータルサイト「LIFULL HOME'S注文住宅」を運営しています。LIFULL HOME'S注文住宅には次のような特徴があります。

■LIFULL HOME'S注文住宅の4つの魅力

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複数の集客方法を組み合わせて成約につなげよう！

集客戦略では、単に問合せ数を増加させるだけでなく、成約率の向上も同時に考えなければなりません。ここでは、問合せを成約につなげるための基本的な考え方について確認しておきましょう。

成約までの導線づくりを行う

問合せを成約にまでつなげるには、導線づくりが大切になります。ここでは、チラシなどの紙媒体の広告から、成約につなげるまでのフローをイメージしてみましょう。

​​​​​​​たとえば、紙媒体の広告に二次元コードを掲載し、興味を持った読み手を自社サイトに誘導することをスタートとします。次のステップとしてはさまざまな選択肢が考えられますが、住宅イベントや相談会などを通じて、対面できる機会につなげるのが基本的な流れです。

対面での接点を通じて見込み客の不安や悩みを解消し、自社への信頼性を高めて商談へ進めていきましょう。その後は商談を進めて成約へとつなげていくのが一般的なフローです。

顧客対応の品質を向上させる

成約率を高めるためには、やはり対面でのコミュニケーションや商談の質を高めることが必要不可欠となります。お客さまに対して誠実に向き合い、悩みや不安をしっかりと打ち明けてもらえるだけの信頼関係を築くには、担当者のスキル向上も重要な取組みといえます。

●記事のおさらい
最後に、今回の内容をQ&Aで確認しておきましょう。

Q：平屋の人気が高まっている理由は？
A：大きな理由の一つとしては、世帯人員の減少やライフスタイルの多様化が挙げられます。住まいに求める条件が、単純な面積の広さから生活動線の効率化や趣味の実現などにシフトしている面があり、それによって平屋の魅力に注目が集まっていると考えられます。

Q：平屋施工の集客を成功させるポイントは？
A：平屋は一般的な2階建て以上の住宅にない特徴を持つことから、ペルソナを明確化し、ニーズをはっきりと把握しておく必要があります。また、平屋施工の実績や強みをアピールし、競合他社との差別化を図ることも重要です。