ルームツアーを動画で行うメリットとデメリットとは?失敗しないためのポイント10選
住宅会社にとって、ルームツアー動画は自社の商品・サービスの魅力を広める有力なコンテンツになり得ます。しかし、単に動画を撮影して公開するだけで、必ずしも思ったような効果を得られるわけではありません。
今回はルームツアー動画を作成するメリットとデメリットを解説したうえで、制作を成功させるためのポイントを10個に分けてご紹介します。
目次[非表示]
- 1.ルームツアー動画を作成する5つのメリット
- 1.1.いつでもどこでも視聴可能
- 1.2.詳細な情報を詰め込める
- 1.3.短時間で複数の物件を見比べてもらえる
- 1.4.長期的な集客効果が期待できる
- 1.5.幅広いユーザーにリーチできる
- 2.ルームツアー動画を作成するデメリット
- 2.1.コンテンツ作成に時間とコストがかかる
- 2.2.必ずしも売り上げの向上につながるとは限らない
- 2.3.成果が出るまでに時間がかかる
- 3.ルームツアー動画を作成するときの流れ
- 4.撮影で失敗しないためのポイント10選
- 4.1.1.主観的な表現を使いすぎない
- 4.2.2.撮影ルートはあらかじめ決めておく
- 4.3.3.ガイドとカメラマンのすり合わせを念入りに行う
- 4.4.4.照明の状態を確認しておく
- 4.5.5.複数のカットを撮影しておく
- 4.6.6.数字を上手に使う
- 4.7.7.見せ場を明確にしておく
- 4.8.8.撮影は晴天時に行う
- 4.9.9.撮影機材に不具合がないか確認しておく
- 4.10.10.一本撮りを基本にする
ルームツアー動画を作成する5つのメリット
「ルームツアー動画」とは、モデルハウスや実際の物件の内部を紹介するための映像コンテンツのことです。動画配信サービスの普及により、住宅会社や不動産会社が集客力の向上のために活用するケースも増えています。
多くのルームツアー動画は、映像とともにナレーションで各部屋の様子や住宅設備を解説し、視聴者が理解しやすいように作成されています。ここではまず、ルームツアー動画を作成するメリットを簡単に整理しておきましょう。
いつでもどこでも視聴可能
ルームツアー動画は、時間と場所を選ばず、手軽に視聴してもらえるのが魅力です。住宅内部を見てもらう機会としては住宅展示場などのイベントが挙げられますが、実際に足を運んでもらう必要があるため、参加のハードルが高いのが難点です。
動画コンテンツであれば、自宅にいながらでも自由に見てもらえるので、情報の接触回数を増やすのに効果的です。
詳細な情報を詰め込める
動画には短い時間で大量の情報を詰め込めるのもメリットです。テキストや写真と比べて、間取りや設備、素材の質感などを動きで伝えられるため、視聴者には実際の暮らしのイメージを持ってもらいやすくなります。
短時間で複数の物件を見比べてもらえる
動画コンテンツを簡易的な内見の代わりとして活用すれば、短時間で複数の物件を比較してもらうことも可能です。実際に見学するのと比べて、スケジュールの調整や移動の制約がないことから、効率的に情報収集してもらえるようになります。
長期的な集客効果が期待できる
コンテンツが充実していけば、会社全体としての訴求力を高めることができます。有益なコンテンツの配信を通じて、ファンを創出することができれば、長期的な集客効果が生まれるでしょう。
幅広いユーザーにリーチできる
動画コンテンツは、自社の商圏外も含めて幅広いユーザーにリーチできるのも特徴です。たとえば遠方からの引越しを検討しているお客さまや、育児などでなかなか外出が難しいお客さまにも、自社の商品・サービスの魅力を届けることができます。
反対に、動画広告などに活用する際には、あえてターゲット層を絞り込んで効率的なアプローチを行うことも可能です。
ルームツアー動画を作成するデメリット
ルームツアー動画の作成を検討する際には、デメリットも踏まえて実行すべきかどうかを判断することが大切です。ここでは、ルームツアー動画を作成するうえでの留意点を見ていきましょう。
コンテンツ作成に時間とコストがかかる
動画作成には、後述するように撮影だけでなく編集や配信、データ管理といった業務が発生します。時間とコストがかかるため、取り組むうえでは発生する負荷を十分に逆算しておくことが大切です。
必ずしも売り上げの向上につながるとは限らない
動画制作に労力を注いでも、必ずしも売り上げの向上につながるとは限りません。制作業務に追われるあまり、動画の作成のみが目的になってしまいがちになるため、きちんと目的や目標を定めておく必要があります。
成果が出るまでに時間がかかる
動画コンテンツが集客や売り上げの向上に結び付くまでには、一定以上の時間と蓄積量が必要となります。成果が出るまでに時間がかかってしまうため、長期的に継続できるかどうかも見極めておかなければなりません。
また、コンテンツのクオリティを上げるためには、動画作成の知見を持った人材の確保が必要となります。必要に応じて外部リソースを活用することも検討し、自社で取り組む部分と外部に任せる部分を整理することが継続のコツです。
ルームツアー動画を作成するときの流れ
ルームツアー動画の作成は、以下のような手順で進めていきます。
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企画の立案
動画の内容は、配信する目的によっても変わってきます。ルームツアー動画であれば、問合せの増加やモデルハウス見学への誘導のように具体的な目的を決めておくと、企画全体の方向性を定めやすくなるでしょう。
そのうえで、動画ごとのプランは、お客さまからの問合せ内容などをベースに考えるのがポイントです。実際にお客さまが気になっている項目を意識すれば、視聴者の興味・関心を引き出しやすくなります。
また、不慣れなうちは他社の動画を参考にして、構成や画角などをイメージするのもコツです。
打ち合わせ・撮影
企画が固まったら、細かな内容の打ち合わせとリハーサルを行います。撮影をスムーズに進めるためにも、簡単な台本と間取り図を事前に共有し、各部屋を回りながら動線の確認や紹介するポイントをチェックしておくとよいでしょう。
準備が整ったら、天候や時間帯などの条件がそろったタイミングで撮影を行います。
編集
撮影を終えたら、動画の素材を整理しながら編集作業を進めていきます。編集作業をスムーズに進めるには、直感的な操作で編集できるソフトを活用するのがポイントです。
いくつかソフトを比較しながら、作業する担当者が使いやすいものを丁寧に見極めてもらいましょう。また、不慣れなうちは編集作業に時間がかかってしまうこともあるため、納期には余裕を持たせておくことが大切です。
作業に慣れてきたら、編集の負担を軽減するために動画のタイトルやエンディング部分をテンプレート化するとよいでしょう。
公開・データ分析
動画が完成したら、あらかじめ決めておいたタイミングでアップロードし、情報を公開します。動画マーケティングにおいて、一般的に効果的なアップロードのタイミングとされるのは、動画視聴者が増えやすい週末や午後6時~9時頃の時間帯とされています。
コンテンツの分野によっても適切な時間帯は異なるので、あらかじめリサーチしておくのもおすすめです。動画を公開した後は、Googleアナリティクスなどで視聴者の行動を分析し、次の動画作成に活かしましょう。
たとえば、「多くのユーザーを獲得できた時間帯やキーワード」、「視聴時間が長い動画の共通点」などを分析すると、動画に活かせるヒントが見つかりやすくなります。
撮影で失敗しないためのポイント10選
ルームツアー動画の撮影を成功させるには、失敗を避けるためのポイントを押さえて、できるだけ作業を効率的に進めることが大切です。ここでは、失敗しないためのポイントを10個ピックアップしてご紹介します。
1.主観的な表現を使いすぎない
ルームツアー動画はあくまで住宅の魅力を伝えるために作成するため、客観的な情報を優先的に伝えることが大切です。「キレイ」「広い」といった主観的な表現は多用せず、できるだけ論理的で客観的な情報を届けられるように意識しましょう。
2.撮影ルートはあらかじめ決めておく
撮り直しや編集作業の増加を避けるためにも、下準備なしでいきなり本番の撮影を始めるのは避けるべきです。可能であればリハーサルを行うのが理想的ですが、事前に現地へ向かうのが難しい場合でも、あらかじめ撮影するルートは打ち合わせしておきましょう。
3.ガイドとカメラマンのすり合わせを念入りに行う
効果的な撮影素材を残すためには、ルームツアー案内を行うガイドとカメラマンの呼吸を合わせることも重要です。打ち合わせの段階で、どのようなカットが必要になるのか、どのタイミングでガイドを映してほしいかなど、ポイントを細かく共有しておくのが望ましいです。
4.照明の状態を確認しておく
撮影中は室内を明るく見せるためにも、すべての部屋の照明をつけておくのがポイントです。そのためにも、あらかじめ室内の照明設備を調べ、問題なく点灯するかを確認しておきましょう。
特に収納の内部やレンジフード、間接照明などは見落としてしまいやすいため丁寧にチェックしておくとよいでしょう。
5.複数のカットを撮影しておく
動画のクオリティを高めるには、場所に応じて複数のカットを撮影しておき、動画の情報量を増やすのもポイントです。特にキッチンなどの水回り設備や、その物件のこだわり設備などは別カットで丁寧に撮影し、編集で組み込めるように残しておきましょう。
6.数字を上手に使う
動画のナビゲーションでは、数字を上手に活用すると、内容に客観性と説得力を持たせやすくなります。広さや高さなどの情報は、正確に数字で伝えるようにすると、誤解なく物件の状態を伝えられます。
また、住宅性能について説明をするときにも、数字を使って実際にどのような効果が生まれるのかを解説するのがコツです。
7.見せ場を明確にしておく
動画が長い場合は、中だるみを避けるためにも見せ場を明確化しておく必要があります。見せ場を設けることで、全体の内容にメリハリがつき、視聴者にも強い印象を残しやすくなります。
どこに見せ場を持ってくるのが効果的であるのかは、動画のジャンルや視聴者の傾向によっても異なるため、データを分析しながら適した箇所を探っていきましょう。
8.撮影は晴天時に行う
動画の印象をよくするためにも、撮影は晴天時に行うのがベストです。撮影当日に雨が降ってしまい、振り替えも難しい場合は、別日に晴天時の写真を撮っておくと素材として活用できます。
また、物件の周辺環境によっては、時間帯ごとに日当たりなどの条件が大きく変わってしまうこともあります。現地の状況を踏まえて、撮影に適した時間帯を見極めることも大切です。
9.撮影機材に不具合がないか確認しておく
意外に見落としてしまいやすいのが、撮影機材に関するトラブルです。せっかく調整した撮影日を無駄にしないためにも、撮影機材の状態は念入りにチェックしておきましょう。
10.一本撮りを基本にする
ルームツアー動画では、なるべく一本撮りを意識することが大切です。カットを多用しすぎると、ガイドとの会話が不自然になったり、日当たりなどの条件が変わって統一感がなくなってしまったりする可能性があります。
編集の負担も大きくなってしまうので、事前にしっかりとリハーサルをしておき、一本撮りでスムーズに完結できるようにしましょう。
●記事のおさらい
最後に、今回の内容をQ&Aで確認しておきましょう。
Q:住宅会社や不動産会社がルームツアー動画を取り入れるメリットは?
A:動画は短い時間に多くの情報を詰め込めるため、訴求力を高めやすいのがメリットです。いつでもどこでも視聴可能であり、幅広いユーザーにリーチできるため、継続的に取り組めば集客力や認知度の向上が期待できます。
Q:ルームツアー動画の撮影を成功させるコツは?
A:まずはしっかりと打ち合わせを行い、一本撮りを目指すのがポイントです。また、天候や時間帯などの条件、機材の状態、照明の状態などは事前にチェックし、スムーズに撮影を終えられるような準備を済ませましょう。