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住宅売買の基礎知識、品確法について知っておこう

住宅の売買に法律の知識は欠かせません。売買をスムーズに行うために、住宅購入に関するさまざまな法律が定められています。

法律は複雑で難しいイメージがあり、お客さまも敬遠しがちです。

しかし、お客さまが理解しておかないといけない情報も含まれています。その内容を分かりやすく伝えるのは営業担当者の仕事です。

この記事では、住宅と品質確保の促進等に関する法律、通称“品確法”について解説します。(2020年5月9日時点)

お客さまに分かりやすく説明できるように知識を身につけておきましょう。

目次[非表示]

  1. 1.品確法の3つの柱
  2. 2.1.住宅性能表示制度・第三者からの評価を表示
    1. 2.1.住宅性能評価書
    2. 2.2.住宅性能表示は任意
  3. 3.2.売り手側の10年間の瑕疵担保責任
    1. 3.1.瑕疵とは?
    2. 3.2.10年間の瑕疵担保責任
    3. 3.3.瑕疵の分類
  4. 4.3.紛争処理体制の整備
    1. 4.1.専門家の公平な判断
    2. 4.2.当事者双方の合意が必要
    3. 4.3.費用が1万円と安価
  5. 5.まとめ

品確法の3つの柱

品確法の内容は大きく分けると3つです。

1つ目は住宅性能表示制度です。住宅の性能に基準を設けることで、お客さまが複数の住宅を比較検討しやすくなります。

2つ目は売り手側の10年間の瑕疵(かし)担保責任です。これによって万が一住宅に不備があっても対応がスムーズに行われるため、お客さまが安心して住宅を購入できます。

3つ目は紛争処理体制の整備です。住宅の売買でトラブルが発生した場合に、当事者は紛争処理を指定住宅紛争処理機関という専門の機関に申請することができます。これも万が一のトラブルに対応するための仕組みです。

ここからは3つの柱の内容を詳しく見ていきます。

1.住宅性能表示制度・第三者からの評価を表示

住宅性能表示制度とは、国に認められた第三者機関が住宅を評価した結果を表示できる制度です。新築住宅においては耐震性や劣化対策など、10の項目が評価されます。第三者機関から性能が認められていることがお客さまにも分かるので、住宅購入の際に安心材料となるでしょう。


住宅性能評価書

第三者機関に評価された住宅には、住宅性能評価書が発行されます。住宅性能評価書は住宅の性能が認められた証拠です。評価書が発行された住宅は地震保険の優遇があるなどのメリットがあります。


住宅性能表示は任意

評価された結果を表示する義務はありません。つまり、住宅性能表示がなくても表示がある住宅と同程度の性能を持っている住宅もあるということです。

また、住宅性能表示がない住宅も、建築基準法に基づいてつくられているため最低限の性能は備えています。耐震性を例に挙げると、最低でも震度5程度の地震には耐えられるよう設計すると建築基準法で定められています。

2.売り手側の10年間の瑕疵担保責任

瑕疵とは?

瑕疵(かし)とは傷や欠陥のことです。見慣れない漢字で難しく感じるかもしれませんが、わかりやすい言葉に置き換えて理解しましょう。


10年間の瑕疵担保責任

住宅がお客さまに引き渡された日から10年の間に柱や梁などの基本構造部分に瑕疵が見つかった場合、売り手側が責任を取ることが義務づけられています。具体的には、お客さまが修繕費や損害賠償の請求、そして契約解除の権利を持っているということです。

売り手には事前に把握していた瑕疵をお客さまに伝えなければいけない告知義務があります。瑕疵を隠すことは絶対にあってはいけません。


瑕疵の分類

瑕疵は大きく4種類に分けられます。

1つ目が物理的瑕疵です。住宅の腐食や雨漏り、給排水管の故障など目で見て分かるものを指します。

2つ目は心理的瑕疵です。その住宅で住みにくい理由がある場合は瑕疵に該当します。たとえば、その土地で自殺が多発したり、殺人事件が起こっていたりなど、多くの人が心理的に住みにくいと感じる場合は瑕疵とみなされます。

3つ目は環境的瑕疵です。住宅の周辺に暴力団組織やカルト団体の拠点があるなどが環境的瑕疵に当たります。

4つ目は法律的瑕疵です。建築基準法などの法律に違反した住宅だった場合には法律的瑕疵が認められます。

3.紛争処理体制の整備

住宅性能評価が行われた住宅に関してトラブルが発生した場合、当事者は指定住宅紛争処理機関に解決を依頼することができます。


専門家の公平な判断

指定住宅紛争処理機関では弁護士や建築士など、住宅売買のトラブルに詳しい専門家が公平な判断を行います。


当事者双方の合意が必要

指定住宅紛争処理機関に紛争処理を依頼するには、当事者双方の合意が必要になります。両者の合意のもと問題解決していくため、裁判を行うよりも迅速な問題解決が期待できます。

逆に、どちらか一方が合意しなかった場合には紛争処理を依頼することができません。その場合は民事裁判に発展する場合があります。


費用が1万円と安価

当事者が負担する費用は手数料の1万円と比較的安く、経済的にも大きなメリットがあります。

まとめ

今回は品確法について説明しました。住宅の売買の際には必要な知識なので、しっかり頭に入れておきましょう。

品確法は本来、安心して住宅購入をできるようにするために定められたルールです。

しかし、複雑で堅苦しい法律のイメージが原因でお客さまに不安感を与えています。

お客さまが知らないこと、理解が難しいことについて分かりやすく説明するのは営業担当者の仕事です。そのために、あなたが法律について正しく理解し、お客さまに安心して住宅を購入してもらえるようにしましょう。


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編集部
編集部
工務店・ビルダー、新築一戸建て販売会社様を支援すべく、住宅営業のノウハウや人材採用、住宅トレンドなど、様々なジャンルの情報を発信してまいります。

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