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住宅ローンアドバイザーの試験時期と勉強方法は?資格有効期間がある?

不動産事業に関わる資格にはさまざまな種類がありますが、そのなかでも近年注目を集めているのが「住宅ローンアドバイザー」です。住宅の購入時には多くの顧客が住宅ローンを利用するため、住宅ローンに関する専門的な知識は、営業をはじめとするさまざまな場面で役に立つでしょう。

今回は住宅ローンアドバイザーの基本的な役割や、資格取得の際の注意点などを解説します。

目次[非表示]

  1. 1.住宅ローンアドバイザーとは(民間資格)
  2. 2.試験時期と試験回数
    1. 2.1.資格の取得方法は、養成講座の受講または認定試験の受験の2通り
    2. 2.2.試験は毎年3回行われる
    3. 2.3.試験時間と出題形式
    4. 2.4.出題範囲
  3. 3.資格の取得に向けた主な勉強方法
  4. 4.有効期間がある?
    1. 4.1.住宅金融普及協会の場合
    2. 4.2.金融検定協会の場合

住宅ローンアドバイザーとは(民間資格)

住宅ローンアドバイザーとは、住宅ローンに関する正しい知識と情報をもとに、顧客が最適な住宅ローンを選択できるようにサポートするための民間資格です。主な役割としては、「顧客への最適なプランの提案」「住宅ローンの仕組みを分かりやすく説明」「顧客のライフスタイルを踏まえたアドバイス」などが挙げられます。

住宅ローンに関する正確な商品特性やリスクなどを客観的に捉え、消費者保護や説明責任の観点からサポートしていくのが住宅ローンアドバイザーの基本的な存在意義です。金融市場が大きく変化する現在では、住宅ローン商品も顧客のニーズに合わせて多様化が進んでいます。

そうしたなかで、住宅ローンに特化した知識を持つ住宅ローンアドバイザーは、これまで以上に重要な役割を担っていくこととなるでしょう。

試験時期と試験回数

住宅ローンアドバイザーの資格は、「指定されている養成講座の受講」もしくは「認定試験の合格」の2通りの方法で取得できます。ここではまず、認定試験の仕組みについて見ていきましょう。


資格の取得方法は、養成講座の受講または認定試験の受験の2通り

前述のように、住宅ローンアドバイザーの資格を取得するには、「養成講座を受講する」か「認定試験を受験する」かの2通りの方法があります。試験については先ほどの内容で触れたので、ここでは養成講座を受講する場合の流れについて見ていきましょう。

養成講座は一般財団法人「住宅金融普及協会」が行っており、資格の取得には「講座の受講」と「効果測定(試験)」を受ける必要があります。実際に取得するまでの流れは次の通りです。

 1 .基礎編の受講
 2.基礎編の効果測定
 3.応用編の受講
 4.応用編の効果測定
 5.修了証書の発行
 6.住宅ローンアドバイザーとしての登録

なお、受講方法にはAコースとBコースの2通りがあります。



Aコース

Bコース

受講方法

Web講習の受講
(自宅や外出先のPC可)

会場でDVD講習の受講

受講時間

基礎編:270分
応用編:250分
※受講期間中は好きな時間に何度でも受講可能

基礎編:10時~17時
応用編:10時~17時
※連続した2日間にわたって行われる

効果測定

基礎編:Webでの実施
応用編:指定会場で実施

基礎編、応用編ともに会場で実施

講座日程

年2回程度実施

受講料(税込)

2万3,100円

2万7,500円

登録料(税込)

1万1,000円

なお、年度によってはどちらか一方のみの開催となる場合もあるので、事前に公式ホームページなどで情報を確認しておくとよいでしょう。


試験は毎年3回行われる

住宅ローンアドバイザーの認定試験は、一般社団法人「金融検定協会」が行っており、毎年5月と11月(一般試験として全国約120会場で開催)と、1月(特例試験として全国17会場で開催)に開催されています。


試験時間と出題形式

試験は2時間30分にわたって行われ、出題形式はいずれも5肢択一式です。1問2点の配点で合計50問あり、合格基準は100点満点中60点以上となっていますが、試験結果を踏まえて試験委員会で決定することとされています。


出題範囲

出題範囲は、住宅ローンに関する以下の5分野に分かれています。

  • 住宅ローンに関する基礎知識
  • コンプライアンス
  • アドバイザーの社会的役割
  • 住宅ローン受付から完済までの実務
  • 住宅ローンの変動・変更・管理

住宅ローンの仕組みや内容はもちろん、住宅市場から関連する法令、借入総額の考え方など、幅広い知識が総合的に問われる内容となっています。各分野の難易度こそそれほど高くありませんが、いずれも住宅の営業を行ううえでは、実務に直結する重要なテーマといえるでしょう。

資格の取得に向けた主な勉強方法

養成講座を受ける場合は、テキストや講習によって知識を身につけられるため、丁寧に講座の内容を理解していくのが基本の対策となります。また、テキストの持ち込みが可能であるため、必ずしもすべての項目を暗記する必要はありません。

テキストと講習動画で内容が理解できていれば、それほど難易度は高くない内容となっています。また、試験によって住宅ローンアドバイザーの取得を目指す場合には、参考書と模擬問題集を手に入れ、それに沿って学習を進めていくのが効果的です。

なお、金融検定協会では、以下の講座や問題集が紹介されています。

講座
『住宅ローンアドバイザー養成講座(2ヶ月コース/3ヶ月コース)』/銀行研修社

受講料(税込1万1,000・1万3,200円)


問題集
『住宅ローンアドバイザー認定試験模擬問題集』A5判・並製・280ページ/銀行研修社

(税込3,150円)

有効期間がある?

住宅ローンアドバイザーの資格には有効期間があるので注意が必要です。期間は登録日から3年間となっており、3年ごとに登録更新の手続きが必要となります。

これは、住宅に関する社会情勢や事情が年々変化していくことや、ローン商品の開発スパンなどを踏まえ、適切なタイミングで知識の更新が必要であると考えられているためです。そこで、最後に登録更新の手続きについて確認しておきましょう。


住宅金融普及協会の場合

住宅金融普及協会で資格を取得した場合には、登録有効期間が満了する前に、以下の登録更新手続きが必要となります。

  • 登録更新の申請(有効期限の半年前から可能)
  • 継続講習課題(Webまたは書面)の修了
  • 登録更新料の支払い

なお、登録更新料は1万1,000円(税込)とされています。


金融検定協会の場合

金融検定協会で取得した場合は、有効期間内に「資格継続試験」を受験し、合格しなければ資格喪失となってしまいます。とはいえ、継続試験はテキストを一読して知識のブラッシュアップをすることが目的であり、マークシート式の在宅試験で受験できます。

また、不合格の場合でも再試験を受けられるので、特に心配する必要はないでしょう。更新の流れは以下の通りです。

  • 4ヶ月前:更新の案内が郵送で届く
  • 3ヶ月前:資格継続試験の願書を郵送で提出する
  • 2ヶ月前:教材・出題用紙が郵送で届く
  • 1ヶ月前:解答締め切り
  • 有効期限:合格証書の発行


●記事のおさらい

最後に、今回の内容をQ&Aで確認しておきましょう。

Q:住宅ローンアドバイザーってどんな資格?

A:住宅ローンに関する正しい知識と情報によって、顧客が最適な住宅ローンを選択できるようにサポートするための民間資格です。

Q:住宅ローンアドバイザーはどうすれば取れる?

A:認定試験による取得と講座受講による取得の2通りの方法があります。認定試験の場合は年2~3回行われる試験に合格すること、講座受講の場合は指定の講座を受けたうえで、効果測定に通過することが条件です。

Q:住宅ローンアドバイザーの試験内容は?

A:主に、「住宅ローンに関する基礎知識」「コンプライアンス」「アドバイザーの社会的役割」「住宅ローン受付から完済までの実務」「住宅ローンの変動・変更・管理」の5つがあります。

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監修者 三輪歩己
監修者 三輪歩己
不動産鑑定士、宅地建物取引士、日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)、 相続診断士、J-REC公認不動産コンサルタント。名古屋市立大学薬学部卒。 大学在学中に不動産鑑定士2次試験合格。日本土地建物株式会社にて、 不動産鑑定や不動産証券化業務に従事。その後外資系不動産ファンド等にて 物件購入・管理・経営企画等業務に従事。約20年間の鑑定・宅地建物取引業の 経験を活かし、2020年に不動産パートナーズ株式会社を設立し、代表取締役に就任。 同社では、不動産鑑定業・宅地建物取引業に加え、不動産専門の相続診断士として 活動を行う。

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