住宅トレンド

流行をキャッチアップ!子育て世帯などの若年層に人気の間取りと住宅デザインとは!?

住宅設計を行ううえでは、基本とともにトレンドを的確におさえたプランの立案が重要となります。顧客に満足してもらえる住宅を提案するには、価格や性能だけでなく、デザインや間取りに関する観点も大事にする必要があります。

今回は子育て世帯を含めた若年層に人気の間取りや住宅デザインについて、さまざまな観点から理解を深めていきましょう。

目次[非表示]

  1. 1.個性豊かなこだわり世代。ライフスタイルや趣味を大事にする傾向が見られる
  2. 2.女性はデザイン面、男性は機能面を重視
  3. 3.SNS映えしたいけどできない?インテリアも併せて提案しよう
    1. 3.1.全体のコンセプトを決めて統一感を持たせる
    2. 3.2.家具の変更を邪魔しない内装を意識したLDK
    3. 3.3.照明にこだわった空間演出
    4. 3.4.隠れ家のような空間をつくれる「ヌック」
  4. 4.予算内!かつ広く見える収納上手な間取りが人気
    1. 4.1.のびのびと過ごせる広いLDK
    2. 4.2.子どもの様子を見ながら家事ができるオープンキッチン
    3. 4.3.充実した収納スペースの確保
    4. 4.4.LDKに隣接した和室
  5. 5.Z世代女子が好きな、淡暖色の内装と韓国風インテリアを抑えよう!
    1. 5.1.韓国風インテリアとは
    2. 5.2.具体的なポイント

個性豊かなこだわり世代。ライフスタイルや趣味を大事にする傾向が見られる

子育て世帯を含めた若年層は、従来と比べると価値観が多様化しており、自分らしいライフスタイルや趣味を大事にする傾向があります。住まいに関する考え方についても、画一化されたモデルケースを追い求めるというよりも、自身や家族の価値観に合った住環境を実現したいというニーズが増えているのです。

たとえば、こうした価値観の変化を示す一つの動きして、「平屋回帰」が挙げられます。家族構成のコンパクト化に伴い、求められる住宅面積がそれほど広くなくなったことで、天井高をとれる平屋に人気が集まり始めているのです。

コンパクトな平屋であれば、比較的にローコストで独創的なデザインを実現できるということもあり、若年層を中心に選ばれるケースが増えています。このように、デザインや間取りにこだわりつつも、ローコストな家づくりに関心があるというのが、現在の若年世代の特徴といえるでしょう。

女性はデザイン面、男性は機能面を重視

住まいに求めるポイントは、男女間でも大きな傾向の違いが見られます。株式会社SHIBUYA109エンタテイメントが行った「Z世代の住まいに関する意識調査」によれば、住まいについて女性はデザイン面を重視しているのに対し、男性は機能面を重視していることが明らかにされています。

男性がこだわりやすいポイント

  • オンオフの切り替えがしやすい間取り
  • 日当たり
  • 交通利便性
  • 治安

 
女性がこだわりやすいポイント

  • 内装やインテリアのデザイン
  • 設備
  • 治安

住まいの快適さという点ではそれほど大きな違いがありませんが、どちらかと言えばやはり女性の方がデザイン面を大切に考えている傾向にあります。

SNS映えしたいけどできない?インテリアも併せて提案しよう

顧客にデザイン面へのこだわりを実現してもらうには、インテリアも含めたトータルコーディネートを提案することも大切です。理想のマイホームを購入し、インテリアにこだわりたいと考えていても、なかなか実現できていない子育て世帯も少なくありません。

ここでは、子育て世帯が一戸建てを購入するケースを想定して、おしゃれなコーディネートのポイントやアイデアを見ていきましょう。


全体のコンセプトを決めて統一感を持たせる

まずは、住まい全体に通じるコンセプトを固め、全体としての統一感を持たせることが大切です。たとえば、住宅のコンセプトの考え方としては、次のようなアプローチがあります。

デザインのコンセプト

  • シンプル
  • 和モダン
  • 北欧風
  • カフェ風
  • 古民家風

カラーのコンセプト

  • アースカラー
  • モノトーン
  • 暖色系
  • 寒色系

間取りのコンセプト

  • LDKを大事にしたい(広くしたい、落ち着く色合いにしたい)
  • 四季を身近に感じたい
  • 長く住みやすい家にしたい(バリアフリー、平屋など)


家具の変更を邪魔しない内装を意識したLDK

ここからは、具体的なアイデアについて見ていきましょう。たとえば、多くの家具が集まるLDKでは、内装をマットホワイトなどのシンプルなカラーで統一するといった手法があります。

そのうえで、照明器具や家具の脚といったアイテムをブラックに統一することで、コントラストが際立ち、スッキリとした見た目が実現されます。


照明にこだわった空間演出

インテリアにこだわるうえで、照明は全体の印象を決める重要なポイントです。LEDフラットランプやダクトレールを導入し、埋め込み設置でスッキリと照明をまとめることで、空間全体が広く見えるなどの手法があります。


隠れ家のような空間をつくれる「ヌック」

ヌックとは「こぢんまりしていて居心地のよい空間」を意味する用語であり、個室のように壁やドアで区切られているわけではない、ちょっとしたスペースを指します。ヌックはリビング横に設けられることが多く、「家族と同じ空間にいたいけれど、1人の時間も楽しみたい」というニーズを同時に満たしてくれる点が人気です。

予算内!かつ広く見える収納上手な間取りが人気

続いて、子育て世帯に人気のある間取りについても見ていきましょう。


のびのびと過ごせる広いLDK

子育て世帯にとっては、やはり家族でゆったりと過ごせる広いLDKの需要が高いといえます。子どもが小さいうちは1日の大半をリビングで過ごすこととなるため、遊んだり歩き回ったりしても余裕のある広さを求めるケースが多いのです。


子どもの様子を見ながら家事ができるオープンキッチン

オープンキッチンは、料理をしながらリビングで遊ぶ子どもの様子を見られるといった安心感から、人気の高い設備となっています。また、リビングカウンターの高さを調整すれば、そのままちょっとしたテレワークスペースや学習スペースとして活用することも可能です。


充実した収納スペースの確保

子どもの成長に合わせて荷物は増えるため、収納スペースはなるべく多く確保しておきたいと考える世帯が多いでしょう。リビングに隣接した収納スペースや玄関近くのパントリーなど、生活動線を意識した収納配置に人気があります。


LDKに隣接した和室

和室に使われる畳はクッション性が高く、万が一転倒したときでも安心感があるため、子育て世帯に人気の設備の一つです。キッチンの横に隣接させている住宅も多く、リビングやキッチンから目の届く子ども部屋として使われるケースが一般的です。

Z世代女子が好きな、淡暖色の内装と韓国風インテリアを抑えよう!

Z世代に好まれる住宅デザインの一つとして、韓国風のインテリアが挙げられます。最後に、韓国風インテリアの主な特徴やポイントについてご紹介します。


韓国風インテリアとは

韓国風インテリアとは、Instagramなどで人気を集めているインテリアコーディネートの種類であり、主に韓国のカフェをイメージしたようなものを指します。具体的には、「全体としてはホワイトやベージュなどのくすんだ淡色カラーを用いる」「木製家具やファブリックアイテムを取り入れる」「ラタン調のアイテムをアクセントとして用いる」といった特徴があります。


具体的なポイント

カーペットやカーテンなど、部屋の面積で広範囲を占めるものはホワイトやベージュ、グレーといったペールトーンでまとめるのが基本です。また、ラグやブランケットなどのファブリックアイテムはリネンやコットンといったオーガニック素材を選ぶことで、落ち着いた上品な印象を与えられます。

そのうえで、次のようなアイテムをアクセントに用いることで、バランスを壊さずに韓国風インテリアを実現できます。

  • ラタン調のミラーやフラワーベース
  • ペールトーンのコットンボールライト
  • 大理石風のデザインがあしらわれた多角形サイドテーブル
  • ブルーヘイズのフロアチェア
  • シンプルなキューブボックス
  • オークホワイトのスリムチェスト

住宅の内装をモデルケースとして提案する際には、韓国風インテリアを意識してまとめてみるのもよいでしょう。


●記事のおさらい

最後に、今回の内容をQ&Aで確認しておきましょう。

Q:若年層の住宅トレンドにはどんな特徴がある?

A:価値観やライフスタイルの多様化により、自分らしさを追求できる住宅づくりが求められています。そのなかでも、目立った変化としては、ローコストでおしゃれなデザインを実現できるコンパクトな平屋に人気が集まっていることが挙げられます。

Q:子育て世帯に人気の間取りは?

A:子どもが安心して遊べる広いリビングが人気です。また、子どもを見守りながら料理ができるオープンキッチン、リビングに隣接させた和室なども子育て世帯に定番のアイデアです。

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監修者 三輪歩己
監修者 三輪歩己
不動産鑑定士、宅地建物取引士、日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)、 相続診断士、J-REC公認不動産コンサルタント。名古屋市立大学薬学部卒。 大学在学中に不動産鑑定士2次試験合格。日本土地建物株式会社にて、 不動産鑑定や不動産証券化業務に従事。その後外資系不動産ファンド等にて 物件購入・管理・経営企画等業務に従事。約20年間の鑑定・宅地建物取引業の 経験を活かし、2020年に不動産パートナーズ株式会社を設立し、代表取締役に就任。 同社では、不動産鑑定業・宅地建物取引業に加え、不動産専門の相続診断士として 活動を行う。

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