「資金計画」のお手伝いが住宅購入の後押しに!人気のファイナンシャルプランナーの合格率や年収をご紹介!
ファイナンシャルプランナーは「家計の専門家」とも呼ばれる職業であり、社会人から学生まで幅広く取得されている人気の国家資格でもあります。不動産営業との親和性も高く、取得しておけば、実務にさまざまなメリットをもたらします。
今回はファイナンシャルプランナーの難易度や年収、活躍の可能性について詳しく見ていきましょう。
目次[非表示]
- 1.ファイナンシャルプランナー(FP)とは
- 1.1.受検者数・合格者数・合格率・難易度
- 1.2.実施日程・実施方法
- 1.3.実施団体
- 1.4.受検資格
- 2.独立開業することも可能
- 2.1.独立系FPの特徴
- 2.2.独立系FPの活躍の場
- 3.ファイナンシャルプランナーの平均年収
- 4.注目されている理由と活躍の機会
ファイナンシャルプランナー(FP)とは
「ファイナンシャルプランナー(以下、FP)」とは、ライフステージにおけるお金の問題をプランニングしてくれる専門家です。家計管理・教育資金・老後の生活設計・資産運用・不動産・税金・保険・相続などのお金に関する幅広い知識を持ち、結婚や出産、育児、定年退職といったさまざまなライフイベントに応じて、適切な資産計画を提案するのが主な業務です。
そのなかには、「住宅の購入」という重要なライフステージも含まれています。持ち家の購入には、老後の生活設計を含めたさまざまなテーマが複雑に関係してくるため、家計やライフイベントといった側面から総合的にサポートできるFPの存在は、顧客にとって大きな価値を持つと考えられます。
FPの正式名称は「ファイナンシャル・プランニング技能士」であり、難易度に応じて3級・2級・1級と段階分けされています。金融分野の代表的な国家資格であることから、社会人はもちろん、学生や専業主婦といった幅広い受験者層を持つのが特徴です。
受検者数・合格者数・合格率・難易度
FP技能士の試験は学科試験と実技試験に分かれており、級によって難易度は異なります。ここでは、試験の概要や受検者数・合格者数のデータについて見ていきましょう。
実施日程・実施方法
試験は1月・5月・9月の年3回行われており、各都道府県それぞれに受検会場が設けられていますが、県外でも受けることができます。ただし、1級の試験が実施されるのは、毎年9月の1回のみとされているので注意が必要です。
実施団体
FP試験は「日本FP協会」と「金融経済事情研究会(以下、金財)」の2つの機関が実施しており、それぞれ異なる窓口で申し込み・受検をすることとなります。どちらが実施する試験を受けても、取得できる資格は同一です。
ただし、1級の試験は金財のみの実施となります。
受検資格
FP試験は原則として飛び級を想定していないため、より高難易度の資格を目指す場合でも、3級から順に受けていく必要があります。ただし、以下のように一定の実務経験を持つ場合などであれば、ストレートに上位の級を受けることも可能です。
資格区分 |
受験資格 |
|
3級
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|
2級 |
|
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1級 |
学科 |
|
|
このように、上位の資格になるほど受検資格も厳しくなります。特に、1級の受検には基本的に実務経験が必要となるため、取得のハードルは高いといえるでしょう。
一方、3級は誰でも受検することができるため、FPにおける入門レベルの試験と捉えられています。試験内容も各範囲における基礎的な知識の理解が求められる程度であり、難易度は比較的に易しいとされているため、ほかの資格と一緒に取得されるケースも多いです。
受検者数・合格者数・合格率
続いて、実際の受検者数・合格者数・合格率について、日本FP協会の公式データを基に見ていきましょう。
3級
受検者数 |
合格者数 |
合格率 |
|
学科試験 |
35,568 |
31,388 |
88.25% |
実技試験 |
34,759 |
30,182 |
86.83% |
※2023年5月実施のデータ
2級
受検者数 |
合格者数 |
合格率 |
|
学科試験 |
24,727 |
12,072 |
48.82% |
実技試験 |
22,167 |
12,991 |
58.61% |
※2023年5月実施のデータ
1級
受検者数 |
合格者数 |
合格率 |
|
実技試験 |
1,198 |
1,186 |
99.0% |
上記のように、3級の合格率は8割を超えており、国家資格のなかでは比較的に易しい難易度であることが分かります。学習によって基礎的な知識をきちんと身につければ、スムーズに取得を目指すことができます。
独立開業することも可能
FPの取得者は企業内で働く人も多い一方で、キャリアを積み、他の資格を取得したうえで独立開業する人もいます。幅広い知識を身につけられることから、不動産、金融、保険などさまざまな方面で活躍する機会があり、独立開業の可能性は十分に計算できる資格といえるでしょう。
ここでは、独立系FPの働き方について詳しく解説します。
独立系FPの特徴
企業内FPとの最も大きな違いは、自分次第で収入や活躍の場を自在に拡大できる点にあります。自身の強みを生かして企業内FP以上の収入を獲得したり、ライフプランに応じて自宅でのスモールビジネスを行ったりと、柔軟な働き方ができるのが魅力です。
一方、独立して仕事を得るためには、FP資格に加えて営業力や人脈の形成、ビジネスセンスなども求められます。
独立系FPの活躍の場
代表的な仕事として挙げられるのが、個人や法人の相談内容に応じて最適なプランを提案する「相談・提案業務」です。住宅ローンや保険の掛け替え、法人向けの福利厚生提案など、得意とする分野を磨いて強みを構築しながら顧客獲得を目指すのが一般的です。
そのほかの業務としては、セミナーや資格取得講座等を担当する「講演・講師業務」、書籍やコラムなどを作成する「執筆業務」などが挙げられます。また、親和性の高いその他の専門士業の資格を取得し、ダブルライセンス・トリプルライセンスの保持者として競争力を高めるケースも多いです。
ファイナンシャルプランナーの平均年収
FPの平均年収は、働く業界や独立の有無によって大きく異なります。あくまで目安ではありますが、「一般社団法人 相続ファシリテーター協会」のデータによれば、業界別の平均年収は以下のとおりです。
業種 |
平均年 収 |
不動産会社 |
570万円 |
保険会社 |
566万円 |
証券会社 |
993万円 |
保険外交員 |
423万円 |
銀行 |
653万円 |
ただし、実際の収入は役職や年齢によっても異なるため、一概に「FPを取得したらこれだけ稼げる」と判断すべきではありません。自身が所属する業界の目安年収や役職、副業・独立した場合の可能性なども踏まえて、総合的に捉えることが大切です。
注目されている理由と活躍の機会
FPは国家資格のなかでも、とりわけ注目度が高い資格となっています。その理由としては、もちろん受験者の門戸が広く開かれている点も関係していますが、金融分野への関心が高まっていることも大きな要因といえます。
コロナ禍によってライフスタイルや働き方が大きく変化し、金銭面での悩みや不安を抱えている人が増えてきたことで、FPの需要は今後もますます高まっていくと考えられるでしょう。特に多くの人にとって主要なテーマとなっているのが、「老後資金の不安」です。
現代は「老後2,000万円問題」や「物価高、円安」といった経済的なテーマが関心を集めるとともに、政府の方針も大きく関係して、投資や資産運用への興味を持つ人口が急速に増加しています。そうした背景にあって、資産運用・資産設計に精通しているFPの存在は、ますます大きな価値を持っていくといえるでしょう。
●記事のおさらい
最後に、今回の内容をQ&Aで確認しておきましょう。
Q:FPとは?
A:ファイナンシャルプランナーとは、「家計の専門家」と呼ばれる職業です。家計管理・教育資金・老後の生活設計・資産運用・不動産・税金・保険・相続といった幅広い分野において、専門的な知見から提案業務を行うのが主な役割です。
Q:FP試験の合格率は?
A:日本FP協会の2023年5月のデータによれば、3級の合格率は学科・実技ともに85%を超えています。一方、2級の合格率は学科が5割程度、実技が6割程度となっています。
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