住宅会社と異業種のコラボ事例
近年、住宅業界は異業種とコラボレーションし住宅商品を展開するケースが増加しています。
今回は、「SDGsハウス」としてサスティナブルに配慮した株式会社アキュラホーム(以下アキュラホーム)の事例と、住む人の暮らし方やライフスタイル・趣味等に配慮し、雑誌メディアとコラボした株式会社スヅクリ (以下スヅクリ)、カーサ・プロジェクト株式会社(以下カーサ・プロジェクト)の各種事例をご紹介します。
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アキュラホーム、イケア、横浜市が連携 「SDGs ハウス」を期間限定公開
現在、国内外の多くの企業が取り組んでいるテーマの一つが「SDGs」です。
SDGsとは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称であり、2015年9月の国連サミットにて採択され、国連加盟193カ国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標です。
目標の内容は、持続可能な世界を実現するための17のゴールと169 のターゲットから構成されており、地球上の誰一人取り残さないことを誓っています。
住宅業界では、異業種と連携して「SDGs」に取り組む事例が出てきています。
アキュラホームの事例
木造住宅を手掛けているアキュラホームは、ヨコハマSDGsデザインセンター、イケア・ジャパン株式会社(以下イケア)と連携し、「SDGs」の17のゴールに貢献する住まいや暮らしを提案した「SDGs ハウス」を2019年8月2日から2019年9月30日までの期間限定で公開しました。
今回の「SDGsハウス」の舞台であるアキュラホーム港北展示場は、環境に配慮したCLT材を床・壁・天井の構造材として用いており、サスティナブルな住宅として、横浜市やイケアとのコラボが決定しました。
展示場内においては「より健康に快適に暮らすことができる住宅の工夫」や、「ゴミの削減やリサイクルがしやすくなる生活用品の使い方」等、1日の暮らしの中で、「SDGs」の目標達成につながる仕掛けについて、実際の住宅、家具や生活用品を使って体感することができます。
例えば、イケアが開発した節水機能が付いた水栓と、引出し部分にペットボトルのリサイクルプラスチックを使用したキッチン、木材の量やパーツを減らし、効率的に組み立てられ、耐久性にも優れた頑丈なテーブル、 ベンチ等が設置されています。
アキュラホームは、環境貢献企業として、これまでにも様々な活動を行っています。2018年に発表したカンナ削りの「木のストロー」は、森林・ 海洋の保全の糸口になるアイテムとしても注目されました。
今後は今回の「SDGsハウス」の実績を踏まえ、さらなる他企業との連携や新たな住宅地の開発等で、「SDGs」の17のゴールに貢献する住まいや暮らし方を提案、発信していくということです。
「モノ提案」より「コト提案」雑誌メディアと住宅会社のコラボ商品
住まいづくりにおいては、住む人の暮らし方やライフスタイル、趣味等が大きく影響します。近年では「モノ提案」よりも「コト提案」を重視する住宅会社が増えています。
そこで、住宅会社と同様にライフスタイルを提案することが多い、雑誌メディアとコラボした住宅商品を開発、販売する事例が相次いでいます。
スヅクリの事例
アウトドアやDIY等、住宅に様々な趣向を取り込み、人生を楽しむライフスタイルを提案する住宅会社のスヅクリでは、2018年にアウトドア雑誌GO OUTとコラボした新築企画住宅「Livin’ BASE」を開発・販売しています。
「Livin’ BASE」は、「基地のような家」をコンセ プトに、大好きなモノに囲まれながら週末の外遊びを企て、ヘトヘトになるまで遊んで帰った時に一番落ち着ける空間、キャンプのように仲間と一緒に集まれる基地のような空間を目指して開発されました。
アウトドア系の住宅は、自然派住宅というものが多く、通常の住宅よりもメンテナンスの手間や維持費がかかってしまうことがあります。
しかし「Livin’ BASE」では、住宅そのものには手間や費用をかけず、「遊び」に力を注げるような家の造りになっていることも特長です。
広島県広島市にオープンした1棟目のモデルハウスでは、室内の家具やアート、道具、雑貨等に至るまで、GO OUTがスタイリングを行いました。
カーサ・プロジェクトの事例
スヅクリとGO OUTの事例の他にも、 デザイン性の高さが特長の規格住宅「カーサ」を 販売するカーサ・プロジェクトでは、女性ファッション雑誌として人気の高い宝島社のリンネルとコラボした住宅商品「カーサリンネル」を3月に発表しています。
今後、住宅業界において、ライフスタイルを重視したいお客様向けに「コト提案」を行う住宅会社が増えていくとすると、雑誌やその他のメディアとコラボした住宅商品というものも増えていくと考えられます。