【新着】最新トレンドの「ウェルビーイング住宅」とは?ポイントは社会情勢や消費者心理に合わせた価値提供
近年、住宅関連で耳にすることの多い「ウェルビーイング住宅」というものをご存知でしょうか。住宅購入検討者が求めることも増え、住宅営業に関わる人は覚えておくべき住宅です。
そこで今回は、ウェルビーイング住宅とは何か、ウェルビーイング住宅にするメリットなどをご紹介します。
目次[非表示]
- 1.ウェルビーイングとは
- 2.社会情勢の変化に合わせた新しい住宅基準
- 2.1.省エネ住宅・ZEH住宅
- 2.2.耐震性の高い住宅
- 3.消費者心理の変化による新しい住宅基準
- 3.1.光熱費が抑えられる住宅
- 3.2.自然災害に備えた安心できる住宅
- 3.3.家族や近隣住民などとコミュニケーションを楽しめる住宅
- 3.4.テレワークができる住宅
- 3.5.セルフケアができる住宅
- 4.住宅購入検討者が求めるウェルビーイング住宅とは
- 5.ウェルビーイング住宅のメリット
- 5.1.不動産の価値が向上する
- 5.2.室内での体調不良・事故が防げる
- 5.3.長く住めて次世代に引き継げる
- 6.まとめ
ウェルビーイングとは
そもそもウェルビーイングとは、身体的・精神的・社会的に健康や幸福の状態が続くことを指します。言葉自体は1960年代からありましたが、近年注目が高まっていて耳にする機会が増えました。特に住宅営業に関わっている人は一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
ウェルビーイングという言葉が使われる機会が増えた社会的背景には、働き方改革で在宅勤務が増えたり、消費者動向のモノの消費から心の豊かさへの変化、健康志向の高まりなどが挙げられます。人の生活と住宅は密接に関係しているため、家づくりや家選びにも影響しているのでしょう。
社会情勢の変化に合わせた新しい住宅基準
近年、住宅基準が社会情勢の変化に合わせて新しくなりつつあります。特に特徴的なのは長期優良住宅の推進です。
これまでの「作っては壊す」といった建設は、廃棄物が増えて多くの資源やエネルギーを使うことが問題視されていました。そこで、長期的に住み続けられる住宅を建て、さらに手入れをして長く住むことを推奨する動きが活発化しました。
長期優良住宅にすることでエコにつながるだけではなく、購入者にもメリットを与えることで長期優良住宅の建築が増えています。なお、長期優良住宅と一言で言っても条件が複数ありますが、特に重視されているのは省エネ住宅と耐震性の高い住宅です。
省エネ住宅・ZEH住宅
省エネ住宅とは、高断熱かつ高気密に作られていてエネルギー消費量を抑える設備を備えた住宅のことです。省エネ住宅の基準として屋根や外壁、窓などの断熱の性能に関する基準が定められていたり、住宅で使うエネルギー消費量に関する基準もあります。断熱性能とエネルギー消費量の基準をどちらも満たしている住宅が省エネ住宅と認められるのです。
また、2030年になると省エネ住宅の基準が変わり、ZEH水準の省エネ性能が確保されていることが基準となります。
耐震性の高い住宅
地震の多い日本では、耐震性の高い住宅も重要性が高いです。特に、最近は日本全体で地震が増えていることから耐震性の高い住宅を求める人が増えています。
耐震性の高い住宅の基準として、以下の3点を全て満たしていることが条件です。
- 耐震等級が3以上であること
- 大規模地震時の地上部分の各階の安全限界変形の高さに対する割合がそれぞれ1/40以下であること
- 免震建築物であること
消費者心理の変化による新しい住宅基準
社会情勢が変化している一方で、消費者心理はどのように変化しているのでしょうか。
近年は光熱費の高騰、新型コロナウイルスの流行などが、生活に大きく影響していると考えられます。このような社会情勢の中でどのような基準で住宅が選ばれるのかについて、具体的に解説します。
光熱費が抑えられる住宅
近年の光熱費の高騰を受け、光熱費が抑えられる住宅の需要が高まっています。光熱費が抑えられる住宅とは、断熱性の高い住宅のことです。窓や屋根、外壁などの断熱性を高めることで、夏や冬でも快適な室温を保ちやすく光熱費が抑えられることから、断熱性能にこだわる人が増えています。
自然災害に備えた安心できる住宅
豪雨や地震などの増加に伴い、自然災害に備えた安心できる住宅を求める人も増えています。先述の、地震に備えて耐震性の高い住宅や免震、制震装置を導入している住宅の需要が高まっていたり、豪雨や台風に備えて水害や風害対策が講じられている住宅の需要が高まったりしてます。
自然災害はいつどこで起きるかわからないため、自然災害に備えた住宅で安心して暮らしたいと考える人が多いようです。
家族や近隣住民などとコミュニケーションを楽しめる住宅
家族や近隣住民などとコミュニケーションを楽しめる住宅も人気があります。近年は、インターネットの普及に伴い家族と接する時間が減ったという人も増えました。しかし、巣ごもり需要の増加などが影響して家族とコミュニケーションを取れる時間を作りたいと考える人が増え、コミュニケーションを楽しめる住宅を希望する人が増えています。
テレワークができる住宅
新型コロナウイルスの影響を受け、テレワークができる住宅も人気です。
新型コロナウイルスの世界的流行を受け、感染対策としてテレワークを導入する企業が増えました。新型コロナウイルスが5類感染症に移行したとはいえ、現在でもテレワークを実施している企業が多く、テレワークができる住宅の需要が高まっています。
セルフケアができる住宅
セルフケアができる住宅も高い人気があります。セルフケアができる住宅とは、趣味を楽しめたり、自然との共存などの精神的なケアができたり、バリアフリーやヒートショックなどの健康的なケアができる住宅のことです。
精神的、健康的ケアができる住宅で、人生を豊かにしたいと考える人は少なくありません。
住宅購入検討者が求めるウェルビーイング住宅とは
社会情勢の変化に伴い、ウェルビーイング住宅を求める住宅購入検討者が増加しています。
ウェルビーイング住宅とは、身体的・精神的・社会的な健康・幸福に生活できるように配慮された住宅のことです。具体的には、以下を備えた住宅がウェルビーイング住宅とされます。
- 心身の健康を保ち、守れる性能の住宅
- 家族が暮らしやすい、生活しやすい空間や機能を備えた住宅
- 心が豊かになったり、楽しめる・落ち着ける空間を備えた住宅
ウェルビーイング住宅のメリット
ウェルビーイング住宅のメリットは以下の通りです。
- 不動産の価値が向上する
- 室内での体調不良や事故が防げる
- 長く住めて次世代に引き継げる
それぞれのメリットについて詳しく解説します。
不動産の価値が向上する
ウェルビーイング住宅にすることで、不動産の価値が向上します。なぜなら、省エネ・耐震など機能面においても、ウェルビーイング住宅は、性能が高い住宅だからです。
住宅に生涯住み続けずに売却する予定がある場合、不動産の価値が向上することは大きなメリットと言えるでしょう。
室内での体調不良・事故が防げる
室内での体調不良や事故が防げるというメリットもあります。なぜならウェルビーイング住宅は、人が精神的にも身体的にも良好な状態が保てるよう配慮された住宅だからです。
ウェルビーイング住宅には室内の温度を保ったり、自然との共存で心身ともに良好な状態を保ったりできる性能が多く搭載されています。新築住宅で起きやすいホームシック症候群や住宅での思わぬ事故を防げるため、家族が安心して生活しやすいでしょう。
長く住めて次世代に引き継げる
長く住める住宅であるため、手入れをすれば自分の子どもや孫の代など数世代にわたって住める点もメリットです。子どもがいる場合、自分がいなくなった後も子ども達が思い出のある住宅に住み続けられるという安心感が得られます。
また、ウェルビーイング住宅は地球環境の面でも配慮された住宅でもあります。後世のために環境面でも持続可能な住宅と言えるため、自分の子どもだけではなく世界の未来のことも考慮できる住宅です。
まとめ
心身ともに健康に暮らせるウェルビーイング住宅。近年の社会情勢の影響を受け、ウェルビーイング住宅の需要が高まっています。ウェルビーイング住宅の基礎知識を身につけ、住宅購入検討者の希望に沿った住宅の提供を実現しましょう。
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