住宅業界でも大注目のChatGPTとは? 始め方と基本操作、メリットについて解説
2022年末にリリースされて以来、さまざまなメディアで注目を集めてきた「ChatGPT」。個人や法人だけでなく、行政でも積極的に用いられるケースが増えてきており、ユーザー数を急速に増やしています。
今回はChatGPTの基本的な仕組みや使い方を確認したうえで、住宅業界において活用するメリットについて見ていきましょう。
目次[非表示]
- 1.ChatGPTとは
- 1.1.基本的な特徴
- 1.2.従来のチャットボットとの違い
- 1.3.ChatGPTでできること
- 2.ChatGPTの始め方
- 3.ChatGPTの基本操作
- 4.具体的な質問例を紹介
- 4.1.効果的な質問を行うコツ
- 4.2.住宅業界での活用方法・質問例
- 5.活用するメリットと費用
- 5.1.業務の効率化につながる
- 5.2.サービスの質が向上する
- 5.3.有料版の特徴
- 6.この記事を監修した人
- 6.1.三輪 歩己
ChatGPTとは
「ChatGPT」(Chat Generative Pre-trained Transformer)とは、2022年11月30日にOpenAI社が公開した基本無料で誰でも利用できる対話型AIチャットサービスのことです。ここではまず、ChatGPTの基本的な概要について見ていきましょう。
基本的な特徴
ChatGPTは、質問したいことや調べたいことなどを入力すると、AIがチャット形式で回答してくれる仕組みです。大規模言語モデルにより、AIが膨大なテキストデータから自然言語のパターンや文脈を事前学習しているため、まるで人間が答えてくれるような自然かつ高度な回答精度が実現されています。
使い方がシンプルでありながら、高度な計算やデータ表現なども可能であるため、個人や企業を問わずさまざまなシーンでの利活用が期待されているのが特徴です。実際のところ、サービスの公開後はわずか1週間で100万人のユーザー数を突破し、2ヶ月で1億人に達するなど、記録的な成果を上げています。
従来のチャットボットとの違い
質問に対してAIがチャット形式で答えてくれるという点では、従来のチャットボットと似たようなサービスともいえます。しかし、ChatGPTは「人間を相手にしているようなリアルでなめらかな文章」と「膨大なデータ学習による幅広い回答領域」という特徴を持っているのが大きな違いです。
従来のチャットボットの場合は、質問に対して事前に用意された回答を基に返答をするのが基本であり、想定外の質問には対応ができませんでした。しかし、ChatGPTのAIはインターネット上にあるあらゆるデータから学習を繰り返すため、回答できるジャンルの幅が桁違いに広いのです。
また、ユーザーに使用されるたびに高度な処理能力を獲得していくため、クオリティが着実に進化していく性質を持っています。
ChatGPTでできること
ChatGPTは、使い方次第でさまざまな用途を持ったサービスといえます。現時点における代表的な用途としては、次のようなものが挙げられます。
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あくまでも一例ではありますが、ビジネスとしても活用できる用途が多数存在しており、さまざまな研究家や実務家が現在でもさらなる可能性を追求しています。
ChatGPTの始め方
ChatGPTは課金によって使い勝手を向上させることも可能ですが、基本的には無料で始められます。具体的にはOpenAIの公式サイトにアクセスし、必要事項を入力してアカウントを作成するだけで利用できます。
1 .OpenAIの該当ページから「Try ChatGPT」をクリックする |
日本語での入力も可能なため、今すぐに誰でもスタートすることができます。導入がシンプルかつスムーズな点も、ChatGPTが急速に普及していった理由の一つといえるでしょう。
なお、2023年5月には日本語対応版のiPhone(iOS)向けアプリがリリースされたため、スマートフォンでも使えるようになっています。
ChatGPTの基本操作
続いて、ChatGPTの基本的な使い方について見ていきましょう。
基本的な使い方
ChatGPTの使い方はとても簡単であり、基本操作はメイン画面の下にあるテキストフォームに質問を入力し、送信ボタンをクリックするだけです。数秒待てば、AIから回答が返ってくるので、さらに会話を続ける場合は再び質問を入力します。
チャットには内容に合わせて自動でタイトルがつけられるので、複数の質問もシンプルに管理できる仕組みとなっています。
履歴の削除方法
AIとのやりとりを重ねていくと、チャットの履歴が残っていくため、削除する方法も押さえておくことが大切です。履歴の削除方法も簡単であり、タイトルの右側に出てくるゴミ箱マークをクリックし、チェックマークをクリックすれば完了します。
チャット履歴をすべて削除したい場合は、サイドメニューから「Clear conversations」を選択すれば、一括で行うことも可能です。
具体的な質問例を紹介
ChatGPTをうまく使いこなすためには、質問の仕方を工夫する必要があります。有益な回答を得るためには、具体的かつ効果的な質問を考える必要があるので、まずは質問のコツを押さえておきましょう。
ここでは、具体的な質問例も含めて、質問時に押さえておきたいポイントをご紹介します。
効果的な質問を行うコツ
有益な回答を得るためには、次のようなポイントを押さえておくことが大切です。
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質問者が知りたい情報を得るためには、できるだけ細かな前提条件を指定する必要があります。たとえば、「成績を上げる方法」を知りたい場合には、「対象者の年齢や現在の成績」「対象期間」「目標の数値」などを具体的に提示すると、有益な回答が得られやすくなります。
住宅業界での活用方法・質問例
住宅業界においてChatGPTを活用する方法には、「アイデアの壁打ち相手」「データのリサーチ」「資料作成」「カスタマーサポート」といったさまざまな分野が考えられます。たとえば、以下のような質問を投げかければ、有益な情報を手軽に取得することが可能です。
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ただし、現時点においては情報の正確性に欠ける部分もあり、必ずしも正しいデータが出力されるとは限りません。また、情報漏えいのリスクも踏まえて、個人情報や社外秘のデータなどの入力は控えることが大切です。
活用するメリットと費用
最後に、住宅会社がChatGPTを活用するメリットと費用について確認しておきましょう。
業務の効率化につながる
住宅会社に限らず、企業活動においてChatGPTを活用する重要なメリットは、業務の大幅な効率化にあります。AIの機能によってアイデア出しや情報収集、表作成などを簡単に行えるようになるため、業務の省力化が可能となるのです。
たとえば、顧客からの問合せを自動回答する仕組みを整えれば、その分のリソースを自社のコア業務に傾けることができます。その結果、組織としての生産性が改善され、業績の向上につながるケースも多いでしょう。
サービスの質が向上する
住宅業界においては、ChatGPTを用いた新たなサービスを展開する企業も増えてきています。たとえば、住宅営業支援を行う「安心計画株式会社」では、ChatGPTの機能を活用し、「ベテラン従業員と同等レベルの提案書が作成できる住宅提案ツール」を開発しています。
また、LIFULL HOME’SではChatGPTを活用し、住宅弱者の住まい探し支援に特化したAIチャットの提供をスタートしました。このように、ChatGPTにはサービスの質を向上させたり、新たなサービスの提供を実現させたりできる可能性も秘められています。
有料版の特徴
前述のように、ChatGPTの基本機能は無料で利用できます。そのうえで、月額20ドル(2023年10月時点)で利用できる有料版は、以下のような点に違いがあります。
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有料版はより快適に高度な機能を使用できるとともに、大規模な業務処理や連続的なリクエストも可能となるのが特徴です。まずは無料版で使用感を試してみて、ビジネスで本格的に活用する際には、有料版の利用を検討してみるといいでしょう。
●記事のおさらい
最後に、今回の内容をQ&Aで確認しておきましょう。
Q:ChatGPTでどんなことができる?
A:ChatGPTは日常会話からテキスト翻訳、コードの添削、簡単なプログラミング、企画書の作成など、幅広い用途を持っています。使い方を工夫すれば、アイデアの壁打ち相手や疑似会議なども行ってくれます。
Q:ChatGPTの質問のコツは?
A:有益な回答を得るためには、できるだけ前提条件を具体的に提示することが大切です。たとえば、成績を上げる方法について尋ねるなら、「対象者の年齢や現在の成績」「対象期間」「目標の数値」などを明確に提示すると、効果的な回答に近づきやすくなります。
LIFULL HOME'Sでは、工務店・ビルダーの業務課題に役立つセミナー・イベントを随時開催しております。ぜひご活用ください。
この記事を監修した人
三輪 歩己
不動産鑑定士、宅地建物取引士、日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)、 相続診断士、J-REC公認不動産コンサルタント
名古屋市立大学薬学部卒。 大学在学中に不動産鑑定士2次試験合格。日本土地建物株式会社にて、 不動産鑑定や不動産証券化業務に従事。その後外資系不動産ファンド等にて 物件購入・管理・経営企画等業務に従事。約20年間の鑑定・宅地建物取引業の 経験を活かし、2020年に不動産パートナーズ株式会社を設立し、代表取締役に就任。 同社では、不動産鑑定業・宅地建物取引業に加え、不動産専門の相続診断士として 活動を行う。