住宅業界におけるChatGPTの利活用|お客様は住宅会社選び? 住宅会社は業務効率化? 活用例と注意点について解説
対話型の生成AIツールのChatGPTを使えば、住宅の購入を検討している方だけでなく、住宅を販売する住宅会社にとってもよい効果をもたらす可能性があります。ただし、ChatGPTの基本的な仕組みやできることを把握しておかなければ、かえって業務効率が低下する恐れもあるので注意が必要です。
この記事では、ChatGPTをうまく活用するためのポイントや活用例、注意点を解説します。
目次[非表示]
- 1.住宅購入検討者は住宅会社探しで活用
- 2.住宅会社は業務効率化で活用
- 3.ChatGPT活用時の注意点
- 3.1.内容を鵜呑みにするのは危険
- 3.2.ファクトチェックを行う必要がある
- 4.ChatGPTの特徴を理解して効果的に活用しよう
- 5.この記事を監修した人
- 5.1.三輪 歩己
住宅購入検討者は住宅会社探しで活用
ChatGPTの出現によって、住宅の購入を検討される方は以前よりも気軽に、マイホームに関する悩みや疑問点などを相談しやすくなったといえます。家づくりに関する情報をまとめて尋ねたり、おすすめの住宅会社をChatGPTに尋ねたりする方も増えているでしょう。
以前であれば、ほかの人に相談をしたり、本やインターネットなどで調べたりしていたことも、簡単に尋ねやすくなりました。ChatGPTが急速に広まった背景には、感覚的に使いやすいといった点が挙げられるでしょう。
どのように優れた機能を備えていたとしても、ユーザーにとって使いにくければ、なかなか普及しないものです。その点で、ChatGPTは日本を含めた世界中で多くのユーザーを抱えており、前向きに利用されているといえます。
ChatGPTを住宅購入検討者が用いる場合、単に気になることを質問するだけでなく、生成AIツールを使って、理想とする家のデザインイラストを起こしてもらうといった使い方も可能です。
ユーザーが家づくりのイメージを固めるのに役立つツールであり、今後も積極的に使われていくでしょう。
住宅会社は業務効率化で活用
ChatGPTはアカウントを作成すれば、個人でも法人でも利用できるものなので、住宅会社もどんどん業務に生かしていくことが大事です。どのような活用方法があるのかを見ていきましょう。
営業メールの文面をChatGPTに相談できる
まず、ChatGPTを使えば営業メールの文面を考えるのに役立ちます。経験豊富な営業担当者であれば、自分で文章を考えるのは問題ないでしょうが、それなりに時間がかかります。
ChatGPTを活用することで、見込み客に合わせた文章をより短い時間で考えることができ、仕事のパフォーマンスを高められます。また、新入社員の教育にも役立てられるので、身近な相談ツールとして活用できるでしょう。
プロモーション戦略などに活用できる
「工務店のWebサイトで、SEO対策をしたほうがいいキーワードを教えてください」といった形でChatGPTに質問すると、多くのヒントを得られます。直接的な答えは得られなかったとしても、プロモーション戦略を考えるうえで使えるキーワードを瞬時に洗い出してもらえるので、戦略の立案にかける時間を短縮できるでしょう。
商品や事例の紹介文の作成に役立つ
自社の商品やサービスの事例を紹介する文章を作成する際も、ChatGPTは役立ちます。特定のキーワードを用いて文章を作成したり、逆に特定のキーワードを除外して文章を作成したりすることが可能です。
いくつかの事例のパターンを作成して気に入ったものをブラッシュアップしていけば、文章の要約やリサーチなどにかかる時間を短縮できます。
キャッチコピーやタイトルなどを考案してもらえる
新たなサービスなどを展開するときは、キャッチコピーやタイトルなどを考案するのに時間がかかってしまうものです。しかし、ChatGPTを活用すれば、キャッチコピーやタイトルなどの考案がスムーズに行えます。
ChatGPTなどの生成AIツールは、事前に膨大な情報を学習しているため、過去のパターンなどから求める文章を作成してくれます。考案にかかる時間を短縮できることで、より時間をかけたい部分にリソースを集中できるでしょう。
ChatGPT活用時の注意点
ChatGPTは住宅購入を検討しているユーザーだけでなく、住宅会社にとってもさまざまなメリットをもたらすツールですが、利用する際にはいくつかの注意点があります。どのような点に気をつければよいかを解説します。
内容を鵜呑みにするのは危険
ChatGPTはあくまで、インターネット上の情報を基に回答しているため、表示された内容をそのまま鵜呑みにしてしまうのは危険です。ChatGPTが示した答えを用いて、何かトラブルが生じたときに責任を負うのは使った側である点を押さえておきましょう。
顧客などに対して、「AIが作成した文章だから」といった言い訳はできないため、利用する際は社内ルールをきちんと定めたうえで、どの範囲までChatGPTを利用するのかをあらかじめ決めておきましょう。
ファクトチェックを行う必要がある
情報の正確性を最終的に担保するには、「ファクトチェック」を行う必要があります。ファクトチェックはAIが生成した文章などが、事実であるかどうかをチェックするものであり、実際に人の目で確認していく作業となります。
「行政機関や専門家などの信頼できる情報を基にしているか」や「事実と相違した内容になっていないか」など、細かく丁寧に見ていく必要があるでしょう。ファクトチェックを行うにはそれなりに時間がかかりますが、信頼できる情報を発信するという観点からしっかりと取り組んでいく必要があります。
ChatGPTの特徴を理解して効果的に活用しよう
ChatGPTを活用すれば、さまざまなシーンで文章の作成に役立てたり、質問をして疑問点を解消したりすることにつながるでしょう。ChatGPTは基本的に精度の高い回答が期待できますが、不正確な情報や偏見を含む可能性もあるので注意が必要です。
インターネット上の情報を基に、回答を出力しているからであり、出された答えをそのまま用いるのは危険な部分もあります。公に情報を出す場合はダブルチェックやファクトチェックを行う必要があるので、きちんと社内で確認できる体制を整えておきましょう。
●記事のおさらい
最後に、今回の内容をQ&Aで確認しておきましょう。
Q:ChatGPTは住宅購入検討者にとって、どのようなメリットがある?
A:家づくりについて気になる点を質問したり、おすすめの住宅会社を尋ねたりすることができます。ChatGPTを活用することで、理想とする家のデザインイラストを起こしてもらうといった使い方も可能であり、多くのメリットがあります。
Q:ChatGPTは住宅会社にとって、どういったメリットがある?
A:ChatGPTを住宅会社が活用すれば、営業メールの文面を考えたり、新入社員を教育したりすることに役立てられます。また、プロモーション戦略の立案やキャッチコピーの考案、商品の紹介文に用いる文章の作成など幅広い用途で活用できます。
Q:ChatGPTを使うときの注意点は?
A:ChatGPTを使うときに気をつけておきたいのは、出力される文章がすべて正しいものとは限らない点です。ChatGPTはあくまで、インターネット上の情報を学習して回答しているだけなので、時として誤った答えを出してくる恐れがあります。
そのため、AIが生成した文章をそのまま用いるのではなく、ファクトチェックをしっかり行い、最終的には人の目で確認するようにしましょう。
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この記事を監修した人
三輪 歩己
不動産鑑定士、宅地建物取引士、日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)、 相続診断士、J-REC公認不動産コンサルタント
名古屋市立大学薬学部卒。 大学在学中に不動産鑑定士2次試験合格。日本土地建物株式会社にて、 不動産鑑定や不動産証券化業務に従事。その後外資系不動産ファンド等にて 物件購入・管理・経営企画等業務に従事。約20年間の鑑定・宅地建物取引業の 経験を活かし、2020年に不動産パートナーズ株式会社を設立し、代表取締役に就任。 同社では、不動産鑑定業・宅地建物取引業に加え、不動産専門の相続診断士として 活動を行う。