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補助金の内容は?子育てエコホーム支援事業について解説

子育てエコホーム支援事業について

2023年11月、住宅の省エネ化を支援する予算案が閣議決定し、国土交通省は「子育てエコホーム支援事業」を発表しました。同事業は、エネルギー価格や物価高騰の影響を受けやすい子育て世帯・若年夫婦世帯の新築住宅の取得や、住宅の省エネ改修等を支援するもので、2050年のカーボンニュートラルの実現を後押しします。

今回のコラムではこの「子育てエコホーム支援事業」について解説をしていきます。補助金の内容は、新築とリフォームで分かれますので、それぞれ見ていきましょう。

目次[非表示]

  1. 1.新築住宅に関する補助金
  2. 2.リフォームに関する補助金
  3. 3.新築補助金の要件まとめ
  4. 4.リフォーム補助金の要件まとめ

新築住宅に関する補助金

まず、新築に関する補助金について説明をしていきます。

補助金の対象となる世帯は、子育て世帯と若年夫婦世帯。子育て世帯は18歳未満の子どもがいる世帯のことを指し、若年夫婦世帯は夫婦のいずれかが39歳以下の世帯を指します。

対象となる物件は、長期優良住宅とZEH住宅です。申請の際には第三者機関による証明書が必要となるので注意が必要です。これらの一定以上の性能に加え、所有者(建築主)自らが居住することも必要な条件です。

また、延床面積は50m2以上240m2以下と定められています。その他、土砂災害防止法に基づく土砂災害特別警戒区域外に立地すること等の細かい要件もあるため、申請の際には公式ホームページから一度内容を確認することを推奨します。

補助額は長期優良住宅が1戸あたり100万円、ZEH住宅が1戸あたり80万円となっています。今回の支援事業の前身にあたる「こどもエコ住まい支援事業」ではZEH住宅への補助金が100万円となっていたため、長期優良住宅がより推進されているということが伺えます。

この背景として、政府はZEHの普及はある程度進んできていると判断しており、環境性能以外に、管理についても品質を確保する長期優良住宅を手厚く補助しようとしていることがあります。

リフォームに関する補助金

次にリフォームに関する補助金について説明をしていきます。

リフォームについては、対象世帯に制限はありません。ただ、新築住宅の対象である子育て世帯と若年夫婦世帯は、金額の上で優遇されています。この金額差については後述します。

対象となるリフォーム工事は、

①開口部の断熱改修
②外壁、屋根・天井又は床の断熱改修
③エコ住宅設備の設置
④子育て対応改修
⑤防災性向上改修
⑥バリアフリー改修
⑦空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置
⑧リフォーム瑕疵保険等への加入

の8つ。
①~③は要するに住宅の省エネ改修であり、いずれかを行うことが補助を受ける上での必須条件です。④~⑧の事項については、①~③の事項を同時に行う場合「のみ」補助対象となるので注意が必要です。

補助額は工事内容に応じてとなりますが、上限額は決まっています。

まず、優遇を受けている子育て・若年夫婦世帯の上限額についてです。既存住宅を購入しリフォームを行う場合は1戸あたり最大60万円。長期優良住宅の認定を受けるリフォームを行う場合は1戸あたり45万円。長期優良住宅とする以外のリフォームの場合は1戸あたり30万円となっています。

子育て・若年夫婦世帯以外のその他世帯については、長期優良住宅の認定を受けるリフォームを行う場合は1戸あたり30万円。長期優良住宅とする以外のリフォームの場合は1戸あたり20万円が上限となっています。このように新築同様、長期優良住宅に対する補助はリフォームでも手厚くなっています。

新築・リフォームどちらに関しても、重複して国の他の補助制度から補助を受けることはできないので注意しましょう。なお、地方公共団体の補助制度については、国費が充当されているものを除き、併用可能となっています。

前身にあたる「こどもエコ住まい支援事業」が増額分を含めて1,709億3,500万円の予算だったのに対し、今回の「子育てエコホーム支援事業」は予算案の時点で2,100億円と上回っており、国が住宅性能の引き上げや、長期優良住宅リフォーム支援にますます力を入れていることが分かります。

今回の補助金の交付申請は24年12月末までを予定しており、予算上限に達し次第、申請受付は終了となります。「こどもエコ住まい支援事業」が期日よりも早く予算上限に達し、終了したことを考えると、今回も早期から動き出しておくことが大切でしょう。

「子育てエコホーム支援事業」を利用するには、交付申請までに事業者登録をしておく必要があります。事業者登録の受付は公式ホームページにて1月中旬から開始しているので、同事業の利用を検討していて、登録がまだの方は登録を済ませておくと良いでしょう。

なお、前身である「こどもエコ住まい支援事業」の事業登録を受けている事業者は簡易な手続きで事業者登録が可能となっています。補助金交付申請の受付開始は3月中下旬となる見込みです。
※参考:子育てエコホーム支援事業 公式ホームページ

新築補助金の要件まとめ

対象世帯:子育て世帯、若年夫婦世帯

対象住宅(※)
補助額
長期優良住宅
100万円/戸
ZEH住宅
80万円/戸


※その他、建築主自らが居住すること、延床面積は50m2以上240m2以下等の細かい条件もあるため、申請時は公式ホームページよりの確認を推奨

リフォーム補助金の要件まとめ

対象工事(※)
①開口部の断熱改修
②外壁、屋根・天井又は床の断熱改修
③エコ住宅設備の設置
④子育て対応改修
⑤防災性向上改修
⑥バリアフリー改修
⑦空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置
⑧リフォーム瑕疵保険等への加入


※④~⑧の事項について補助を受けるには、①~③の工事のいずれかを行う必要があります

対象世帯
補助額
子育て世帯
若年夫婦世帯
・既存住宅を購入しリフォームを行う場合:最大60万円/戸
・長期優良住宅の認定を受けるリフォームを行う場合:最大45万円/戸
・その他リフォームの場合:最大30万円/戸
その他世帯

・長期優良住宅の認定を受けるリフォームを行う場合:最大30万円/戸

・その他リフォームの場合:最大20万円/戸


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株式会社住宅産業研究所(JSK)
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1976年設立、住宅業界専門の調査会社。「月刊TACT」などの情報誌・調査資料・セミナー・研修・コンサルティングなどを通じて全国の住宅会社に情報を提供する。

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