住宅トレンド

ShopBotレンタル価格と新築DIYの造作家具提案を詳しく解説

catch-img

造作家具は間取りに合わせて提案できる一方で、外注費を見込みにくい面があります。特に一点物の場合は、採寸から取り付けまで、案件ごとの調整が増えやすくなります。

棚板やカウンターなど、板材から切り出す部材を試作したいときに活用できるのがShopBotです。レンタル工房を利用すれば、設備を購入する前に、加工時間や仕上げにかかる手間を確認できます。

この記事では、ShopBotの特徴やレンタル価格を確認しながら、新築DIYや造作家具の提案にどこまで取り入れられるのかを整理します。

造作家具提案で外注費が膨らみやすい理由

造作家具は既製品と違い、空間ごとに寸法・素材・デザインを調整して製作をします。採寸から設計、製作、搬入、取り付けまで個別対応になるため、同じ仕様で量産しにくく、その分コストに反映されやすくなります。

特に見落としやすいのが、現場調整にかかる手間です。壁や床との取り合いだけでなく、電気配線との干渉、搬入経路、取り付け時の微調整まで考慮する必要があります。

たとえば壁付けデスクの場合、単に天板を用意するだけでは完結しません。下地の位置やコンセントとの干渉を確認し、現場条件に合わせて調整する工程が発生します。

こうした作業内容は案件ごとに異なるため、工数が読みづらく、予算や納期を見通しにくい点も、外注費が膨らみやすい理由のひとつです。

ShopBotとは?

ShopBotは、デジタルデータを基に木材などを切削する、木工用のCNCルーターです。CNCとは、コンピューターで工具の動きを制御する加工方法のことを指します。

特に得意なのは、板材から部材を切り出す加工です。曲線の切り抜きや同じ形状の反復加工、組み立て式家具のパーツづくりなどに活用できます。手作業では時間がかかる形状も、データがあれば再現しやすくなります。

ただし、ShopBotから完成品がそのまま出てくるわけではありません。現場寸法の確認、加工データの作成、材料選び、面取り、塗装、組み立て、現場での固定は、それぞれ別の工程として考える必要があります。金物の選定や取り付け方法も、用途に応じて検討します。

工務店が取り入れる場合、造作家具をすべて内製化する必要はありません。まずは棚板やカウンター、看板、スツール、収納パーツ、プレゼン用模型など、一部の加工や試作から始めるとよいでしょう。

工務店がShopBotを活用してできる提案

新築時には、「既製品では幅が合わない」「この壁だけ棚を付けたい」といった相談があります。ShopBotは、こうした要望への対応だけでなく、見学会の演出や家づくり体験にも使えます。

取り入れやすい提案は、次の3つです。

  • 収納提案
  • モデルハウス・見学会の演出
  • 施主参加型DIY

用途ごとに見ていきましょう。

収納提案

玄関収納、洗面収納、ランドリー棚、ワークスペース用デスク、本棚などは、間取りに合わせて柔軟に調整しやすい造作アイテムです。

最初から扉付きの大型収納を製作する必要はありません。まずは棚板やカウンターなど、寸法や固定方法を確認しやすいシンプルな部材から取り入れることで、必要な作業量や使い勝手を把握しやすくなります。

また、新築時にあわせて計画しておくことで、下地補強やコンセントの配置まで含めて、使いやすく整った空間づくりが可能になります。

モデルハウス・見学会の演出

板状の木材を切断・彫刻できるため、ShopBotは見学会用の什器づくりにも向いています。木製看板、展示台、組み立て式デスク、キッズスペース用家具などが例として挙げられます。

ロゴ入りの看板や展示用什器は、モデルハウスの雰囲気づくりに使えます。施工事例の写真へ写り込むことも考え、住宅のテイストに合わせて形状や素材を決めます。繰り返し使うものは、搬入時に分解できるか、保管場所に収まるかも確認しましょう。

施主参加型DIY

棚の形や色を選ぶ作業は、施主が参加しやすい工程です。たとえば工務店側で加工を済ませ、施主には塗装や組み立ての一部を体験してもらう方法があります。

すべてを施主任せにせず、寸法設計、安全性、固定方法は工務店側で判断してください。誰がどの工程を担当するかを先に決めておくと、完成後の認識違いも避けやすくなります。

ShopBotのレンタル導入にかかる価格目安

ここでは、国内でShopBotを試せる主な施設と、料金の目安をまとめました。

施設・サービス

所在地

料金目安

確認ポイント

LIFULL Fab

東京都内

ShopBotは3,300円/時 初回講習5,500円 月額プラン22,000円/月

Full-Sizeは4×8板にも対応

DIY STUDIO

仙台

Drop Inは3,300円/時 Full Timeは月16,500円で最大10時間

11時間以降は1,650円/時

つくるヒトトキ

岩手

1時間は税別1,000円+ShopBot利用税別5,000円、1DAYは税別6,000円+税別18,000円

初回研修は税別5,000円

FabLab Takeo

佐賀

大型CNCは税込み3,300円/時 ShopBot講習は税込み3,850円

対応サイズや予約条件を確認

料金を比べるときは、機械の利用料だけで判断できません。講習費、材料費、ビットの条件、データ作成の有無、加工サイズ、施設までの移動時間によって、実際のコストは変わります。

同じ1時間の利用でも、事前準備が不足すると加工に入るまでに時間を使います。商談用のサンプルを1点作るのか、複数棟で使う収納パーツを試作するのかを決め、材料寸法や加工データを準備してから予約しましょう。

また、掲載されている料金や利用条件は変更されることがあります。実際に利用する前には、各施設の公式情報で最新の価格、予約方法、講習条件、材料持ち込み可否を確認してください。

新築DIY・自社制作で失敗しないための注意点

新築DIYや自社制作を提案する際は、作業範囲を先に決めます。加工する部材、組み立てる人、現場で固定する人を曖昧にしたまま進めると、施工後の不具合や施主との認識違いにつながります。

施主が参加する部分と、工務店や専門会社が担う部分を分けてください。

特に確認したいのは、以下の2点です。

  • 下地・荷重・固定方法を確認する
  • 電気・水回り・構造部分は施工範囲を明確に切り分ける

順に確認します。

下地・荷重・固定方法を確認する

壁付け棚やカウンターは、下地の位置、固定金物、想定荷重を確認してから設計しましょう。見た目を優先して石膏ボードだけに固定すると、使用後にぐらつきや落下につながる恐れがあります。

収納するものの重さや、人が手を掛ける場面まで想定しておくことが大切です。必要に応じて下地補強や固定方法を先に決めておけば、見た目と安全性を両立しやすくなります。

電気・水回り・構造部分は切り分ける

配線・給排水・構造に関わる作業は、施主DIYや自社施工とは分けて考える必要があります。

電気工事は、原則として有資格者に依頼しましょう。資格が不要な軽微な作業かどうか判断が難しい場合も、必ず専門会社に確認してください。

また、工務店が管理する範囲と専門会社に依頼する範囲は、契約時または見積もり前の段階で整理しておくと安心です。

LIFULL FabでShopBot活用を小さく試す

購入前に使い勝手を確認したい場合は、レンタル利用できる工房で試作してみるのがおすすめです。

確認したいのは、機械の操作感だけではありません。データの準備から加工、持ち帰った部材の仕上げ、組み立てまで、一連の流れを実際に体験しておくことが大切です。

LIFULL Fabの公式サイトでは、2026年5月時点で、ShopBotによる板状木材の切断や彫刻加工が案内されています。初回利用時には講習の受講が必要です。

最初から大型家具を作るのではなく、造作棚の一部や収納パーツ、見学会用の什器など、小さなものから始めるとよいでしょう。

1回目の試作では、加工できたかどうかだけでなく、現場に持ち込める仕上がりにするまでにかかった時間も記録しておきます。継続利用や設備導入を検討する際の判断材料になります。

記事のおさらい

最後に、今回の内容をQ&Aで振り返っておきましょう。

Q:造作家具提案で外注費が膨らみやすいのはなぜですか?
A:造作家具は空間ごとの一品生産になりやすく、採寸から取付まで個別対応が必要です。現場調整も多いため、予算や納期の管理が難しくなりがちです。

Q:ShopBotとはどのような機械ですか?
A:ShopBotは、データに沿って木材などを切削できる木工用CNCルーターです。板材から部材を切り出す工程に使えますが、面取り、塗装、組み立て、取付は別に考えます。

Q:工務店はShopBotでどのような新築DIY提案ができますか?
A:収納パーツや見学会用什器、施主参加型DIYなどに活用できます。フルオーダーに限らず、必要な場所だけを半造作で整える提案がしやすくなります。

Q:ShopBotのレンタル価格を見るときは何を確認すべきですか?
A:機械利用料だけでなく、講習費、材料費、予約条件、加工サイズ、移動時間まで確認することが大切です。試作の目的に合わせて施設やプランを選びましょう。

Q:新築DIYや自社制作で失敗を防ぐには何が重要ですか?
A:下地、荷重、固定方法を事前に確認し、安全性を前提に設計することが重要です。電気や水回り、構造に関わる作業は、専門業者との役割分担を明確にしましょう。

Q:ShopBotを試しながら始めるなら、どのように進めればよいですか?
A:購入前にLIFULL Fabのようなレンタル工房で、収納パーツや見学会用什器から試作する方法があります。加工データの準備から仕上げ、組み立てまでの所要時間を記録すると、自社に合う活用範囲を判断できます。

執筆者

瀧澤 成輝(二級建築士)

住宅リフォーム業界で5年以上の経験を持つ建築士。

大手リフォーム会社にて、トイレや浴室、キッチンなどの水回りリフォームを中心に、外壁塗装・耐震・フルリノベーションなど住宅に関する幅広いリフォーム案件を手掛けてきた。施工管理から設計・プランニング、顧客対応まで、1,000件以上のリフォーム案件に携わり、多岐にわたるニーズに対応してきた実績を持つ。

特に、空間の使いやすさとデザイン性を両立させた提案を得意とし、顧客のライフスタイルに合わせた快適な住空間を実現することをモットーとしている。現在は、リフォームに関する知識と経験を活かし、コンサルティングや情報発信を通じて、理想の住まいづくりをサポートしている。

編集部
編集部
工務店・ビルダー、新築一戸建て販売会社様を支援すべく、住宅営業のノウハウや人材採用、住宅トレンドなど、様々なジャンルの情報を発信してまいります。

関連する最新コラム