住宅トレンド

2021年はウッドショックで木材が不足? 展望と工務店・ビルダーに求められる対応

2021年、住宅業界でウッドショックという言葉を耳にする機会が増えています。

住宅づくりに密接に関わる木材の不足によって、木材の価格や工期にも影響を及ぼすことが懸念されています。

工務店やビルダー、ハウスメーカーには、ウッドショックの原因や今後の見通しについて把握したうえで、施主となるお客さまに対して適切な提案を行うことが求められます。

また、ウッドショックについて耳にしたお客さまが不安に思って質問してきた際に、分かりやすく説明することも重要です。

今回は、ウッドショックとはどのような状況を指すのか、原因や今後の見通し、工務店・ビルダーに求められる対応について解説します。

目次[非表示]

  1. 1.ウッドショックとは
  2. 2.ウッドショックの原因
    1. 2.1.①米国における木材需要の増加
    2. 2.2.②コンテナ不足による国際物流への混雑・遅延
  3. 3.ウッドショックの今後の見通し
  4. 4.工務店やビルダー・ハウスメーカーに求められる対応
  5. 5.まとめ

ウッドショックとは

ウッドショックとは、輸入木材の供給不足によって国産材を含む建築用木材の価格が高騰している状態を指します。

ウッドショックの発生は、1990年代の森林伐採の規制による木材の供給不足、2008年のリーマンショックによる木材価格の高騰に次ぎ、今回で3回目となります。

2021年3月頃から木材の供給不足が顕在化しており、世界規模で木材の価格が高騰しているのが現状です。ウッドショックは、住宅業界にも大きな影響を及ぼしています。

国内の住宅業界において、建築に使われる製材用材の自給率は51.0%。つまり、住宅づくりに用いられる木材の約半分が輸入木材ということです。

そのため、輸入木材の供給不足による影響は非常に大きいといえます。

実際、工務店やビルダー・ハウスメーカーでは、木材不足による価格の高騰や工期の遅延などが発生しており、お客さまへの提案・対応の見直しが求められます。

出典:林野庁『令和元年 木材需給表

ウッドショックの原因

ウッドショックが起きている原因には、主に2つが挙げられます。


①米国における木材需要の増加

現在、米国では住宅ローンの低金利政策や新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)によるテレワークの普及により、住宅需要が高まっています。

それに伴い、米国内の木材需要が増加しています。これまでなら日本に供給されるはずだった木材が米国に優先的に供給されていることで、国内で輸入木材の供給不足が起きています。


②コンテナ不足による国際物流への混雑・遅延

もう一つの原因とされるのが、コンテナ不足による物流への影響です。

コロナの影響をはじめ、欧米での空コンテナの滞留、中国発北米向け貨物の急増などにより、世界的にコンテナが不足している状況です。

これにより、港湾混雑や海上輸送の遅延が発生しています。貨物船の減便や海上運賃の上昇も影響し、海外からの輸出が停滞していることにより、国内での輸入木材の供給不足につながっています。

ウッドショックの今後の見通し

住宅業界にとって深刻な問題といえるウッドショックは、今後緩和されていくのでしょうか。林野庁では、国内に輸入される主要木材の供給の見通しについて発表しています。

▼2021年7~9月の供給(輸入)の見通し

木材
供給量
前年比

米材・欧州材

550千m3

81.0%(19%減少)

南洋材 (※1

90千m3

105.9%(5.9%増加)

北洋材(製材品)(※2

140千m3

125.0%(25.0%増加)

北洋材(丸太)

10千m3

731.5%(631.5%増加)

ニュージーランド・チリ材(製材品)

72千m3

104.3%(4.3%増加)

ニュージーランド・チリ材(丸太)

70千m3

87.5%(12.5%減少)

合板

534千m3

117.4%(17.4%増加)

構造用集成材

180千m3

75.05%(25.0%減少)

※1…南洋材:フィリピンやマレーシアなどの熱帯地域で産出される木材のこと
※2…北洋材:ロシアで産出される木材のこと

北洋材や南洋材、ニュージーランド・チリ材などは増加が見通される一方で、米材・欧州材や構造用集成材は供給不足が続くとされています。

なかでもEU(欧州)からの木材輸入が最も多いです(2020年時点)。

しかし、2021年7~9月の欧州材の輸入は前年から19%減少すると予測されています。

また、木造建築に用いられる構造用集成材についても、25.0%減少する見通しです。

上記のデータや住宅づくりに用いられる木材の約半分が輸入木材であるということを踏まえると、木材供給の不足と価格高騰は今後も継続すると予想できます。

出典:林野庁『主要木材の需給見通し』/『木材貿易の現状

工務店やビルダー・ハウスメーカーに求められる対応

ウッドショックは住宅業界にさまざまな影響を与えており、工務店やビルダー・ハウスメーカーにもトラブルを防ぐための対応が求められます。

起こり得るトラブルとしては、以下が挙げられます。

  • 住宅価格の上昇
  • 木材不足による構造・工法の変更
  • 着工開始の遅れ
  • 工期の遅延

営業担当者は、ウッドショックによる木材価格の高騰を踏まえて、価格の提示・交渉を行う必要があります。

お客さまから予算調整を求められた場合には、木材の仕様や構造・工法の見直しを提案することも重要です。

また、現在設計中の住宅については、着工時期や工期に関する変更の可能性を伝えることも欠かせません。

木材確保の見通しが立たない状況の場合は、工期や金額の変更に対する合意書を交わすことでトラブルを防ぐことが可能です。

なお、ウッドショックのような話題性があり、顧客への影響が考えられるニュースを仕入れ、先行きを心配するお客さまに対応できれば、不安を持つお客さまにも納得して交渉を進めてもらえます。

まとめ

住宅業界に大きな影響を及ぼしているウッドショック。その背景には、米国の木材需要の高まりやコロナの影響、空コンテナの滞留によるコンテナ不足といった原因があります。

また、日本で最も輸入量が多いEU産出の木材や木材建築物を支える構造用集成材については、今後も供給不足が続く見通しです。

住宅営業を行う際は、木材不足と価格高騰を踏まえた住宅価格の提案・交渉をしつつ、状況に応じて仕様や構造変更など提案したり、予算を調節したりといった対応が求められます。

着工の遅れや工期遅延によるトラブルを防ぐために、事前にお客さまの理解を得たうえで交渉を進めていくことが大切です。

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編集部
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工務店・ビルダー、新築一戸建て販売会社様を支援すべく、住宅営業のノウハウや人材採用、住宅トレンドなど、様々なジャンルの情報を発信してまいります。