VRで住宅イメージを掴む! 建設業界と親和性の強い「xR」の効果
近年、VR(バーチャルリアリティ:仮想現実)という言葉を耳にする機会が増えてきました。
VRは、まるでその場所にいるかのような、リアルな臨場感を体験できることから、エンターテインメント目的だけでなく幅広い分野で取り入れられています。
なかでも、VRの導入を積極的に進めているのが建設業界です。
従来の設計図・CGなどでは表現が難しかった立体的な空間の再現により、注文住宅やリフォームの仕上がりをイメージしやすく、住宅展示場やプレゼンテーションなどで実用化されています。
本記事では、ビジネスシーンで活用されるVRの概要と、住宅業界がVRを活用するメリットについて解説します。
目次[非表示]
- 1.バーチャル化する住宅業界
- 2.五感に訴えるということ
- 3.VR活用のメリットとは?
- 4.まとめ
バーチャル化する住宅業界
ビジネスシーンにおいて、VR活用の場が広がっています。
VRだけではなく、ARやxRという文字も目にする機会が増えましたが、それぞれの違いをご存じでしょうか。
VRとは
VRとは、Virtual Reality(バーチャルリアリティ)の頭文字を取った言葉で、“仮想現実”を意味します。
人工的に作った仮想空間を現実のように体験できる技術で、CGや360°カメラで撮影した映像を、VR専用のヘッドマウントディスプレイなどを用いて体験することができます。
ARとは
ARとは、Augmented Reality(オーグメンテッドリアリティ)の略で、“拡張現実”を意味します。
VRのように仮想の体験ができるという点では同じですが、仮想現実とは異なる意味合いを持ちます。ARはあくまで現実世界がベースとなり、実在する風景に、人工的に作られたバーチャルな情報を重ねて表示するという技術です。
xRとは
xRとは、VRやARなどの総称です。
近年では、そのほかにも、SR(サブスティテューショナルリアリティ:代替現実)という触覚を利用した技術や、MR(ミックスドリアリティ:複合現実)という仮想現実と現実を融合する技術も登場しています。
これらxRは住宅業界においても幅広く使用されています。
住宅の内見や注文住宅の設計にVRが活用されたり、インテリアの配置やコーディネートにARが役立てられたりと、実用化が進んでいます。
五感に訴えるということ
VRやARでは、現実ではない空間を体験したり、現物にはない物を見たりという仮想体験ができます。
VRやARの技術には、人間の脳を錯覚させる効果があり、五感に対しても刺激を与えるといわれています。
建設業界にはかかわりのない技術のように感じますが、視覚や聴覚を刺激して現実に近い体験ができることは、住宅の建設やリフォームを検討しているお客様への訴求に有効な方法です。
特に注文住宅やリフォームなどは、完成するまで実物が見られないという点が不安要素になります。xR技術を用いて完成形をよりリアルに体験できることで、五感を用いた効果的なアプローチが可能になります。
VR活用のメリットとは?
注文住宅やリフォームは、実際に完成した家を想像しづらいという難点があります。
プロである建築士やデザイナーであれば、完成形を具体的にイメージすることができますが、お客様にとっては設計図やスケッチだけではイメージしきれない部分があるでしょう。イメージ不足は、「完成した後に後悔しないか」「本当に思い描いている家が建つのか」という不安にもつながります。
VRは、上述したような五感に訴えかけるリアルな体験ができるため、住宅の完成形やデザインのイメージが湧きやすいというメリットがあります。
世界的にも話題性のあるxRを用いた販促活動を行うことで、集客アップにもつながるでしょう。
VR空間の制作内容によってできる体験は異なりますが、代表的な例としては以下が挙げられます。
- 実生活を想定した等身大の空間を体験できる
- 部屋の広さや天井の高さなどをリアルに感じられる
- ドアを閉める動作など、生活動線を体験できる
- 床材や住宅設備のシミュレーションができる
- 時間帯ごとの日当たりを確認できる
- 選んだ建材や設備の共有がスムーズにできる
より現物に近い完成形を見られるだけでなく、壁や天井の空間を原寸大で体験できたり、歩きながら生活動線が確認できたり、まるでその家に暮らしているかのようなバーチャルな体験が可能になります。
まとめ
住宅の完成形や内部をリアルに見られるツールとして、VRをはじめ、xRを導入する建設会社が増えています。
VRは、住宅展示場の見学に利用できるほか、間取りや床材などの設計時にお客様とイメージを共有しながら進められるというメリットがあります。イメージの共有によって、お客様の要望を忠実に再現できるという点が魅力です。
また、ARを用いることで、これまで想像しづらかった家具やデザイン選びを手軽にシミュレーションでき、消費者の購買意欲向上にもつながると考えられます。
さまざまな用途に活用できるとともに、消費者にとっても大きなメリットが得られるxRは、今後の建設業界において新しいアプローチの方法となるでしょう。