住宅契約のクロージング実施前に押さえておきたいポイントと成功のコツ
不動産営業において、契約前の顧客とのやりとりをどのように進めればよいかで悩むこともあるでしょう。クロージングがうまくいかないと成約に至らず、プレッシャーを感じてしまう部分もあるかもしれません。
クロージングの正しい捉え方やポイントを知っておけば、落ち着いた姿勢で対応することができます。この記事では、契約前のクロージングについて押さえておきたいポイントを解説します。
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クロージングの基本的な捉え方
そもそもクロージングとは、顧客との取引や最終段階のことを表す言葉です。クロージングの進め方次第で、顧客が最終的に契約を結ぶかどうかが決まるため、不動産の営業担当者としてはプレッシャーを感じる部分もあるでしょう。
しかし、顧客に対して「契約してください」と言えばいいわけではなく、顧客が決めやすいようにアプローチを行っていくことが大事です。無理に成約を促そうとするからプレッシャーを感じやすくなってしまうだけで、顧客の目線に立って接していけば、自ずと適したアプローチの方法に気づきやすくなります。
契約の最終段階まできているのがクロージングなので、焦ってしまう必要はありません。顧客とのコミュニケーションを重視し、関係を積み重ねていくことが大切です。
不動産営業でクロージングするためのコツ
クロージングはある面では、最終的な確認作業だともいえます。なぜなら、クロージングの段階で新たな提案を行うことは少なく、これまで説明してきた内容に関する補足説明や、顧客からの疑問に対して丁寧に答える時間だからです。
また、クロージングは一度で決まるとは限らないため、顧客のペースに合わせながら何度か試みていく必要があります。ここでは、不動産営業でクロージングするためのコツを紹介します。
価格をはっきりと明示する
顧客からの信頼を得るためには、価格について曖昧な返答をしてはいけません。価格だけでなく、支払い方法や各種条件などを先に伝えておくと顧客は安心するはずです。
まずは顧客から信頼されるために、数字に関する部分は正確に伝えていくことが大事です。
購入後の流れを丁寧に説明する
顧客の立場からすれば、住宅を購入した後の流れが不明確だと、何かと不安を抱きやすくなります。不安な気持ちが残っていると、どうしても契約に後ろ向きな反応になりがちなので、顧客の気持ちにしっかりと寄り添ってみましょう。
「仮に契約をするとしたら……」といった仮定の話をして、住宅購入後の流れをあらかじめ説明しておくことが大切です。
落ち着いた態度で接する
不動産の購入は誰にとっても大きな買い物であるため、自信がなさそうな相手では購入を決断することは難しいでしょう。不動産営業に限らず営業全般にいえることですが、堂々とした姿勢で顧客と接していくことが大事です。
「〇〇さんだから、お任せしたい」と顧客から思ってもらえれば、契約もスムーズに進めやすくなります。
顧客とイメージを共有することが大事
クロージングを成功させるには、顧客とのイメージの共有がとても重要です。一方的に話しているだけでは、顧客の理解がついてこないため、断られてしまう可能性が高くなるでしょう。
顧客とイメージを共有するには、物件価格や引き渡し予定日、支払い方法などの数字の面をオープンにして信頼を得ることが大事です。また、契約をすることで顧客がどのようなメリットが得られるのかも伝えておきましょう。
特に住宅の場合は、そこに住むことを前提として契約を結ぶため、顧客がどのような暮らしができるのか、イメージが膨らむような会話を心がけてみてください。顧客がかなえたい希望をしっかりと受け止めることで、適したアプローチが行えます。
商談時にテストクロージングを試してみる
テストクロージングとは商談中に顧客に質問をしたり、意思を確認したりして、どの程度不動産に関心があるのか、契約の意思がありそうかを確認することをいいます。たとえば、「AとBでしたら、どちらがお好みですか?」「こちらの物件で気に入った点はございますか?」など、雑談にうまく盛り込む形でコミュニケーションを取っておきましょう。
あらかじめテストクロージングを行っておくことで、次回以降のコミュニケーションをスムーズに進めやすくなります。「〇〇さまが以前、□□という点を気に入られておりましたので、今回はこちらをご紹介させていただきました」といったふうに接していけば、無理なく顧客との距離を縮められるでしょう。
次回の商談でクロージングすることを事前に伝えておく
いきなり契約を求められても、その場ですぐに決められる方は多くありません。成約に結びつけるには、契約前にワンクッションの会話を付け加えておくことが大事です。「こちらの4つの物件を、ぜひ次回までにご検討なさってみてください」「次回お会いする際には、〇〇さまのお気持ちの確認ができればと思っております」など、やんわりとクロージングを行う旨を伝えておくといいでしょう。
また、伝える方法としてもメールや書面だと重たい内容のように受け取られてしまいがちなので、対面や電話で手短に話したほうが望ましいです。
顧客の反応に沿って臨機応変に対応していくことが必要
契約は相手ありきのものなので、何でも一方的に提案ばかりを行えばよいというものではありません。顧客のなかには「自分自身で決めたい!」という気持ちもあるので、ときにはじっくりと待つことも大切です。
クロージングでやりがちなミスとして、営業担当者が自分で投げかけた質問に対して、自ら話し始めてしまうというケースです。顧客が判断に迷っているときの時間は独特の緊張感があるものですから、自分のほうからつい話したくなるのも分かります。
しかし、成約に結びつけていくためには、じっと待つ姿勢も大事です。なかなか結論を出せない顧客に対しては「どのようなことで迷っていらっしゃいますか?」と質問をして話を聞いてみましょう。判断材料が不足していれば、それらの情報を提供することで顧客は自分の意思で結論を出しやすくなるでしょう。
また、顧客の反応を見ながらクロージングのタイミングを見極めることも重要です。なかなかタイミングをつかめないときでも、「次回以降もチャンスはある」と考え、前向きに取り組んでいきましょう。
●記事のおさらい
最後に、今回の内容をQ&Aで確認しておきましょう。
Q:クロージングとは?
A:顧客との取引や最終段階のことを表す言葉です。クロージングの取り組み方次第で、成約の有無が決まるので慎重にタイミングを見極めていくことが大事です。
Q:クロージングを上手に進めるコツは?
A:顧客の反応を見ながら、不足する情報を提供して疑問に答えていくことが重要だといえます。一方的に話を進めようとするのではなく、顧客目線で丁寧に進めることが基本です。
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