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工務店の人員不足対策3選| 深刻化する理由と失敗しやすい特徴を解説

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工務店の経営者や現場責任者にとって、人員不足は採用難だけでなく、残業規制や担い手不足の影響で受注や現場対応に直結する深刻な課題です。

工務店の人員不足対策は、早めに進めて少人数でも回る体制を整えておく必要があります。

本記事では、人員不足が深刻化する理由、今取り組みたい対策3選、失敗しやすい工務店の特徴を整理し、利益を確保しながら無理なく対応する基本的な考え方を解説します。

工務店で人員不足が深刻化している理由

工務店の人員不足が深刻なのは、単なる採用難ではなく、建設業全体の担い手構造に課題があるためです。

国土交通省の資料では、2024年時点の建設業就業者は55歳以上が36.7%、29歳以下が11.7%で、全産業より高齢化が進んでいます。

さらに、中小企業庁の2025年版中小企業白書でも、業種別では建設業の人手不足感が特に強いと示されています。

加えて、2024年4月から建設業にも時間外労働の上限規制が適用され、以前のように長時間労働で不足分を補うやり方は取りにくくなりました。

つまり、いまの人員不足は一時的な波ではなく、業界構造そのものの問題として捉える必要があります。

工務店が今取り組むべき3つの人員不足対策

人員不足への対応は、採用を増やすだけでは進みにくい局面があります。

工務店では、今いる人員で回る仕組みを先につくり、限られた時間を受注や現場対応に振り向ける視点が重要です。

結論、工務店が取り組むべき3つの対策は以下のとおりです。

  • 無人化で「人がいないと回らない場面」を減らす
  • 効率化で「少人数でも回る仕組み」を作る
  • 外注で「自社で抱えすぎない体制」に切り替える

ではそれぞれ詳しく解説していきます。

無人化で「人がいないと回らない場面」を減らす

人が常駐しなくても進む工程を増やすことが、最初の対策です。

無人内見システムやスマートモデルハウスのように、予約から開錠、見学までをスマホやIoTで完結できる仕組みを使えば、営業時間外の案内や初期接客を省人化しやすくなります。

担当者は、商談や提案など、成約に近い場面へより時間を回しやすくなるでしょう。

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効率化で「少人数でも回る仕組み」を作る

少人数で回すには、建築特化型AIや施工管理クラウドを含め、属人的な作業を減らして情報を一元化することが重要です。

ANDPAD®は工程表や資料、写真の管理に加え、受発注の電子化にも対応しており、工程変更の共有や連絡漏れの防止ができます。

また、madreeデータバンクは土地条件や暮らし方の要望から人気間取りを検索でき、提案準備の時間短縮につなげやすいサービスです。

提案準備の時間を圧縮できれば、接客や現場確認に回せる時間も確保しやすくなります。

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外注で「自社で抱えすぎない体制」に切り替える

すべてを内製で抱え込まない体制に変えることも有効です。

アフター対応や制作・運用業務など、外部に任せやすい仕事を切り分けると、社内人材を中核業務へ寄せやすくなります。

LIFULL FaMの業務代行サービスは、SNS運用や記事制作、Web制作など住宅関連業務を代行しています。営業活動に専念できていない、育成コストをかけずに即戦力がほしいといった課題に対応するサービスなどを活用するのがおすすめです。
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人手不足対策で失敗しやすい工務店の特徴

工務店の人手不足は、単に人数を増やせば解決する問題ではありません。

主に、失敗しやすい工務店の特徴は以下の3つです。

  • 採用だけで解決しようとする
  • 仕事が属人化している
  • 安値受注を続けている

それぞれ、わかりやすく解説していきます。

採用だけで解決しようとする

求人を増やすだけでは、人手不足の根本的解決にはなりません。

中小企業白書では、人材が不足していない事業者ほど採用後の定着率が高く、働き方改善や職場環境の整備も人材確保に寄与する可能性が示されています。

採用数だけを追うのではなく、辞めにくい職場づくりまで含めて対策を組み立てることが大切です。定着の視点が抜けると、採ってもまた不足しやすくなります。

仕事が属人化している

仕事が属人化している会社は、人が抜けたときの影響を受けやすい体制です。

国土交通省は、建設現場を少人数で安全に回すため、施工やデータ連携、施工管理のオートメーション化を進めています。

その裏返しとして、現場管理、積算、顧客対応、段取りの手順を見える化し、共有できる形に整えることが、教育時間の短縮と引き継ぎ負担の軽減に向けて重要になります。

安値受注を続けている

2025年版中小企業白書の概要では、深刻な人手不足のなかでコストカット戦略は限界にあり、営業利益を高めるには適切な価格設定や価格転嫁、設備投資やデジタル化が重要だとされています。

仕事量だけを追うのではなく、利益を残せる受注に切り替える視点が欠かせない時代ともいえます。

人員不足時代に工務店が生き残るために必要なこと

人員不足が続くなかで工務店に必要なのは、採用人数の拡大だけに頼らず、少人数でも利益を確保できる経営へ切り替えることです。

2025年版中小企業白書では、構造的な人手不足や人件費上昇の局面で、設備投資やデジタル化、適切な価格設定・価格転嫁によって付加価値と労働生産性を高める重要性が示されています。

建設分野でも国土交通省は、第三次・担い手3法を通じて担い手確保と生産性向上を進め、適切な価格転嫁を通じて利潤確保と技能者の賃上げにつなげる方向を打ち出しています。

つまり、業務の標準化やデジタル化でムダを減らし、適正価格で受注して生まれた利益を処遇改善や教育に回す循環をつくれる会社ほど、今後は施工力だけでなく経営基盤の面でも強くなるでしょう。

記事のおさらい

最後に、今回の内容をQ&Aで振り返っておきましょう。

Q:工務店の人員不足は、なぜここまで深刻になっているのでしょうか?

A:採用難だけでなく、業界全体の高齢化や若手不足、残業規制の影響が重なって進んでいるためです。これは一時的な問題ではなく、構造的な課題として捉えることが必要です。

Q:人員不足の対策として工務店が今すぐ取り組みやすいことは何ですか?

A:無人化・効率化・外注化によって「人がいないと回らない場面」を減らすことを中心に取り組みましょう。今いる人員で回る仕組みを整えると、商談や現場対応など重要な業務に時間を配分しやすくなります。

Q:人手不足対策で失敗しやすい工務店には、どのような特徴がありますか?

A:採用だけで解決しようとしたり、仕事の属人化を放置したり、安値受注を続けたりする工務店は、対策が空回りしやすくなります。定着しやすい職場づくりと、少人数でも回る体制づくりを並行して進めることが大切です。

Q:人員不足の時代に、工務店が生き残るために必要なことは何でしょうか?

A:これからの工務店には、採用人数の拡大だけに頼らず、少人数でも利益を確保できる経営への転換が求められます。業務の標準化やデジタル化、適正価格での受注を通じて、処遇改善や教育につながる循環をつくることが重要です。

執筆者

瀧澤 成輝(二級建築士)

住宅リフォーム業界で5年以上の経験を持つ建築士。

大手リフォーム会社にて、トイレや浴室、キッチンなどの水回りリフォームを中心に、外壁塗装・耐震・フルリノベーションなど住宅に関する幅広いリフォーム案件を手掛けてきた。施工管理から設計・プランニング、顧客対応まで、1,000件以上のリフォーム案件に携わり、多岐にわたるニーズに対応してきた実績を持つ。

特に、空間の使いやすさとデザイン性を両立させた提案を得意とし、顧客のライフスタイルに合わせた快適な住空間を実現することをモットーとしている。現在は、リフォームに関する知識と経験を活かし、コンサルティングや情報発信を通じて、理想の住まいづくりをサポートしている。

編集部
編集部
工務店・ビルダー、新築一戸建て販売会社様を支援すべく、住宅営業のノウハウや人材採用、住宅トレンドなど、様々なジャンルの情報を発信してまいります。

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