工事現場の朝礼とは?目的や流れ、マンネリ化させないコツについて徹底解説
工事現場における朝礼は、当日の作業内容の確認だけでなく、災害対策につなげるための安全意識の向上のために欠かせないものです。ただし、毎回行うからこそ、マンネリ化を防ぐための工夫も必要になるでしょう。
この記事では、工事現場で朝礼を行う目的や流れ、工夫すべきポイントなどを解説します。
目次[非表示]
- 1.工事現場の朝礼とは?
- 2.朝礼の具体的な流れ
- 2.1.1.現場監督の挨拶
- 2.2.2.ラジオ体操の実施
- 2.3.3.当日の作業内容や注意事項の伝達
- 2.4.4.安全器具の点検
- 2.5.5.危険予知活動の実施
- 2.6.6.締めの挨拶
- 3.マンネリ化させないためのコツ
- 4.朝礼で話をするときのポイント
工事現場の朝礼とは?
工事現場の朝礼は、その日の工事に携わる全員が参加し、一定の流れに沿って行われます。複数の工事関係者が関わっていることが多いため、実施する目的や手順を理解しておくことが重要です。
朝礼は施工管理者が担う役割の一つであり、その日の工事を安全かつ効率よく進めるために、情報を共有するという狙いがあります。作業員の点呼や体調管理、作業内容や注意事項の確認を行い安全意識の向上につなげることが主なポイントです。
大規模な工事であるほど複数の作業員が現場に出入りするため、まずは予定どおりに作業員が現場に来ているかを確認します。朝礼を通じて直接顔を合わせることで、作業員一人ひとりの体調をチェックし、ケガや事故の防止につなげましょう。
また、朝礼で当日の作業内容を事前に確認し、危険箇所などの注意事項を伝えます。作業員の安全意識を高めるための声がけを行い、その日の工事を無事に終えられるように促していくのが朝礼の目的だといえます。
朝礼の具体的な流れ
朝礼を滞りなく実施するために、基本的な流れをしっかりと把握しておきましょう。ここでは、工事現場における朝礼の具体的な進め方を解説します。
朝礼の具体的な流れ | |
1 |
現場監督の挨拶 |
2 |
ラジオ体操の実施 |
3 |
当日の作業内容や注意事項の伝達 |
4 |
安全器具の点検 |
5 |
危険予知活動の実施 |
6 |
締めの挨拶 |
1.現場監督の挨拶
工事現場の朝礼では、現場監督が挨拶を行うのが一般的です。現場のモチベーションを高めるために、元気よく挨拶が行われます。
2.ラジオ体操の実施
ラジオ体操を実施して体を動かしておくことで、作業中の事故やケガの防止につなげます。また、作業員の動きを見ることで体調面に問題がないかもチェックしましょう。
3.当日の作業内容や注意事項の伝達
ラジオ体操が終わった後には、当日の作業内容の説明を行います。作業内容は日によって異なるため、危険箇所をあらかじめ知らせるなど、注意事項についてしっかりと共有します。
工期や資材の搬入スケジュール、クレームなどの情報を共有して、それぞれの作業員が作業をスムーズに進められるようにしましょう。どの作業グループがどこで、何の作業を行うのかを全員に周知させておくことが重要です。
4.安全器具の点検
作業内容や注意事項の伝達が済んだら、次に安全器具の点検を行います。ヘルメットや安全靴、フルハーネス(墜落制止用器具)の装着など、必要な安全器具をきちんと身につけているかをチェックしましょう。
作業員同士が互いに向かい合って、声がけをしながら確認していきます。工事現場ごとに定められている安全器具に問題がないかを入念に確認することが大事です。
5.危険予知活動の実施
グループごとに分かれて、危険予知活動を実施します。具体的には、グループ内で取り組む作業内容や危険箇所を確認し、安全対策の周知を図ります。
工事現場によっては、決められた安全確認のフレーズを全員で唱和し、安全意識を高めていくケースもあるでしょう。
6.締めの挨拶
朝礼の最後には再び、現場監督から挨拶が行われて解散します。工事現場によっては全体朝礼が終わった後に、工事業者や部門ごとに朝礼を実施する場合もあります。
マンネリ化させないためのコツ
工事現場の朝礼は作業内容の確認や安全意識を高めるために不可欠なものですが、毎回行うことから、どうしてもマンネリ化しやすいという側面があるでしょう。マンネリ化を防ぐための方法として、次のような改善策が挙げられます。
■朝礼をマンネリ化させないための方法
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たとえば、作業内容や危険箇所などについて共有するときに、口頭で説明してばかりでは作業員の注意が薄れてしまうこともあるでしょう。朝礼を行う場所に大型のディスプレイを設置して、映像や図表などで説明を行うのも一つの方法です。
また、最近起こった出来事など身近な話題を盛り込んで、仕事以外の話もすると流れにメリハリがつきやすくなります。朝礼の基本的な流れそのものを組み替えたり、参加意識を高めるために質疑応答の時間を設けたりして、マンネリ化を防いでみましょう。
朝礼で話をするときのポイント
朝礼の進め方を工夫すると同時に、話す内容についてもいくつか心がけておきたいポイントがあります。まず、朝礼は多くの工事関係者の前で行う場面も多いため、要点を押さえた話し方をすることが大事です。
内容を端的に伝えるほうが、全員が共通認識を持ちやすくなるため、できるだけ短い言葉で伝える努力を行ってみましょう。また、全体向けの話ばかりが続いてしまうと関心が薄れがちになるので、区画エリア向けの話も盛り込んで自分事として話を聞いてもらえるように工夫することも大切です。
そして、朝礼で話すことにまだ慣れていないときは、緊張してつい話が長くなることもあります。そうした場合には、事前に話す内容や要点をメモにまとめておき、紙を見ながら話してもよいでしょう。
ただし、事務的な連絡だけになってしまわないように、職人への感謝の気持ちを言葉にしてきちんと伝えることが大事です。多くの工事関係者が無事に作業を進められるようにちょっとした心配りを忘れないことが、現場のモチベーションを高めることにつながります。
朝礼を円滑に進められれば、実際に作業に取りかかってからもこまめにコミュニケーションを取りやすくなり、安全な作業の実施につなげていけるはずです。
●記事のおさらい
最後に、今回の内容をQ&Aで確認しておきましょう。
Q:工事現場で朝礼を行う目的は?
A:日によって工事の内容は違ってくるため、当日の作業内容の確認と注意事項を伝えるために実施されます。また、作業員の点呼や体調管理、安全意識の向上につなげることも重要な目的です。
Q:朝礼の基本的な流れとは?
A:工事現場における朝礼の流れとして、現場監督の挨拶、ラジオ体操の実施、当日の作業内容や注意事項の伝達、安全器具の点検、危険予知活動の実施、締めの挨拶の順に行われるのが一般的です。一つひとつのステップを着実に実行することが、安全意識の向上につながります。
Q:朝礼のマンネリ化を防ぐには?
A:マンネリ化を防ぐ方法はさまざまなものが挙げられますが、作業内容などを説明する際に大型ディスプレイを使用したり、朝礼の流れを日によって変えてみたりするとよいでしょう。飽きずに話を聞いてもらう工夫を常に考えていくことが大切です。
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