地域内でのブランディングとマーケティング力を高めるには? 住宅業界におけるインフルエンサー活用の効果
顧客からの信頼を獲得するためには、自社のブランディングやマーケティング力を高める必要がありますが、実際に取り組んでみると難しさを感じる部分もあるでしょう。特に若い世代のターゲット層にアプローチを行う場合、どのような情報を発信していけばよいか、思うように動向がつかめないこともあります。
自社の情報発信力を強化する一つの方法として、インフルエンサーの活用が挙げられます。この記事では、地域内でのブランディングと住宅業界におけるインフルエンサー活用の効果などを解説します。
目次[非表示]
- 1.ブランディング戦略における手法の種類
- 1.1.ブランディングとマーケティングの違い
- 1.2.インナーブランディングとアウターブランディング
- 1.3.具体的な取組みの事例
- 2.現在の若年層の動向
- 3.インフルエンサーの起用も検討してみる
- 4.ブランディングやマーケティングを行うときのポイント
- 4.1.自社の強みをアピールできる情報発信を行う
- 4.2.一貫性を持ったコンテンツ配信に取り組む
- 4.3.短期的な成果を求め過ぎない
- 4.4.効果検証を実施して、改善を繰り返す
- 5.この記事を監修した人
- 5.1.三輪 歩己
ブランディング戦略における手法の種類
地域内での自社のブランディングについて検討する際は、まず基本的なポイントを改めて確認しておくことが大切です。ここでは、ブランディング戦略においてどのような手法があるのかを解説します。
ブランディングとマーケティングの違い
ブランディングは自社の企業価値やイメージなどを高めるために行う活動を指します。企業側が一方的に作り上げるものではなく、顧客との多くのやりとりを積み重ねるなかで徐々に形成されていくものです。
一方、マーケティングとは企業が直接的に情報発信を行うことによって、顧客の認知度を高め、成約につなげていく活動を指します。住宅業界の市場動向のリサーチや競合他社の調査などもマーケティング活動に含まれます。
インナーブランディングとアウターブランディング
ブランディングは大きく分けると、社内向けの「インナーブランディング」と社外向けの「アウターブランディング」の2つがあります。インナーブランディングでは、自社のブランドイメージに関する認知を社内で統一することで、従業員のエンゲージメントを高め、安定的な企業活動につなげていくことを目的としています。
アウターブランディングでは、自社のブランドイメージを社外や地域に認知してもらうための活動を行います。工務店などの場合、地域密着型の会社として、ファンとなってくれる方を多く獲得していくことが、アウターブランディングに取り組む目的だといえるでしょう。
具体的な取組みの事例
自社のブランディングにつなげるための取組みはさまざまな方法がありますが、おもなものとしては動画や冊子の作成、オウンドメディアの展開などが挙げられます。これらのコンテンツを作成する目的は、自社ブランドを利用することでどのように生活を変化させられるのかイメージを持ってもらうことにあります。
動画や文章などを活用することで、ブランドのストーリーに共感してもらい、ファンの獲得につなげていくことが大事です。住宅にまつわるさまざまなコンテンツを作成して蓄積していけば、効果的な情報発信を地域内で行えるようになるでしょう。
現在の若年層の動向
比較的若い世代に情報発信を行っていく場合、どのような媒体で情報収集やコンテンツの閲覧を行っているのかを確認しておくことが大切です。若年層がよく利用する媒体としては、InstagramやTikTok、YouTubeなどのアプリケーションが挙げられます。
また、ネットフリックスのような動画ストリーミングサービスの利用時間が長い傾向が見られます。
従来のテレビや新聞といったメディアよりも、Web上のコンテンツを見る機会が多いのが特徴です。ターゲット層によってブランディングの手法はそれぞれ異なりますが、特に若年層に向けてアプローチをしていきたいと考えるのであれば、目的に見合った媒体を選ぶことが大切だといえます。
住宅業界であれば、物件そのものを紹介できるInstagramやYouTubeなどとの相性がよいため、積極的に活用できる部分は多いでしょう。媒体によって利用しているユーザー層や年齢層は違ってくるため、住宅業界における競合他社の動向なども踏まえ、事前のリサーチをしっかりと行っておくことが大切です。
インフルエンサーの起用も検討してみる
情報発信のためのコンテンツを自社で作成することは可能でも、いざ情報発信を行うと思うように見てもらえないこともあります。コンテンツを出したからといって、すぐに成果が得られるものではありませんが、一定の期間が経過しても反応が得られないときは、一つの原因として自社の発信力が不足しているケースが挙げられます。
媒体によってユーザー層や見られやすいコンテンツは異なるため、いちから自社でノウハウを蓄積していくのは多くの労力と手間がかかる部分もあるでしょう。そのため、すでに一定の人気がある外部のインフルエンサーに情報発信に関する業務を委託してみるのも一つの方法です。
インフルエンサーとは、世の中や人の行動・思考に大きな影響を与える人物のことであり、Web上においてはブロガーやユーチューバー、インスタグラマーなどが該当します。消費者に近い立場であることから企業発信感が薄れ、信頼性が高まりやすいのがメリットです。多くのファンを獲得しているインフルエンサーであれば、自社のターゲット層とマッチングする人物を選ぶことで、大きな反響を生み出すことが期待できるでしょう。
インフルエンサーに業務を依頼するには、SNSなどを通じて直接メッセージを送るか、専門会社に依頼をして自社に合ったインフルエンサーを紹介してもらう方法などがあります。インフルエンサーの選定基準として、住宅業界に精通している人や、特定のジャンルや地域で影響力のある人を選ぶと効果的です。
また、2023年10月1日から始まったステルスマーケティングの規制についても注意しておく必要があります。消費者が誤認してしまうような広告・宣伝は規制され、広告であることを記載しなければなりません。
ただし、景品表示法の規制対象となるのは、事業主(広告主)であり、インフルエンサーなどは規制の対象とならない点も押さえておきましょう。
ブランディングやマーケティングを行うときのポイント
ブランディングやマーケティングで成果を出していくには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。どのような点を意識しておけばよいかを解説します。
自社の強みをアピールできる情報発信を行う
ブランディングやマーケティングは、自社の認知度を高めることを一つの目的としていますが、単に情報発信を行えばよいというものではありません。地域内の競合他社などの動向を踏まえたうえで、自社の強みとなる部分を発信していきましょう。
自社の強みを積極的にアピールしていくことで、ユーザーは他社との違いを認識しやすくなり、興味を持ってもらえる可能性が高まります。住宅に関するコンテンツの作成や情報発信を行う前に、自社の強みとする部分が何かを改めて検討しておきましょう。
一貫性を持ったコンテンツ配信に取り組む
いくら有益なコンテンツであっても、テーマがブレてしまうとユーザーのなかでブランドイメージがなかなか定着しません。住宅会社のコンテンツであるのに、住宅とは関係がないコンテンツが多ければ、どのようなチャンネルであるのか理解されづらいでしょう。
ブランドイメージを正しく受け止めてもらうためには、発信する情報について常に一貫性を持たせることが重要です。住宅に関するさまざまな情報を最初から取り扱うよりも、ジャンルや地域を限定して情報発信を行っていくほうが、よい成果を得られるはずです。
短期的な成果を求め過ぎない
正しい方向性でブランディングやマーケティングを実施しても、短期的に目立った成果を得られない場合は少なくありません。ユーザーから一定の認知を得るまでには、ある程度の時間が必要になるので、粘り強く情報発信やコンテンツの作成を行っていくことが大切です。
短期的な成果を求め過ぎてしまうと、ブランドの方向性がブレる原因にもなるため、中長期的な視点に立って継続して取り組みましょう。
効果検証を実施して、改善を繰り返す
コンテンツを作成して情報発信を行うだけでなく、定期的にどのような反応があったかを分析して、改善していくことも必要です。多く見られているコンテンツがあれば、他のコンテンツの作成にノウハウを活かせるので、より効果的な施策を実行できるでしょう。
また、思うように反応がないコンテンツの原因が何かを探る機会にもなるので、効果検証を定期的に実施して、改善に取り組んでみてください。
●記事のおさらい
最後に、今回の内容をQ&Aで確認しておきましょう。
Q:ブランディングとマーケティングは何が違う?
A:ブランディングは自社の企業価値やイメージなどを高めるために行う活動です。一方、マーケティングとは企業が直接的に情報発信を行うことによって、顧客の認知度を高め、成約につなげていく活動を指します。
Q:インフルエンサーを起用すべき?
A:自社の情報発信力が不足していると感じる場合は、外部のインフルエンサーに依頼をしてみるのも一つの方法です。ターゲット層にマッチングした媒体で活躍しており、なおかつ住宅業界のことなどに精通しているインフルエンサーに依頼を行ってみましょう。
この記事を監修した人
三輪 歩己
不動産鑑定士、宅地建物取引士、日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)、 相続診断士、J-REC公認不動産コンサルタント
名古屋市立大学薬学部卒。 大学在学中に不動産鑑定士2次試験合格。日本土地建物株式会社にて、 不動産鑑定や不動産証券化業務に従事。その後外資系不動産ファンド等にて 物件購入・管理・経営企画等業務に従事。約20年間の鑑定・宅地建物取引業の 経験を活かし、2020年に不動産パートナーズ株式会社を設立し、代表取締役に就任。 同社では、不動産鑑定業・宅地建物取引業に加え、不動産専門の相続診断士として 活動を行う。
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