用地の仕入れが難しい! 条件のよい土地を仕入れる営業のコツとは?
工務店・ビルダーが建築条件付き住宅や分譲住宅の販売などを行う際に、最初のステップとなるのが用地の仕入れです。
土地の売却情報はいつ出るか予測するのが難しいほか、条件のよい土地は競争も激しくなるため、「用地の売却情報を入手しにくい」「競争力のある大手ハウスメーカーにリードされてしまう」といった課題を持つ工務店・ビルダーも多いのではないでしょうか。
用地の仕入れ営業を成功させるためには、売却情報をすばやく入手できる工夫と、ターゲットとする土地の選定基準で競合他社と差別化を図ることが重要です。
この記事では、工務店・ビルダーの担当者に向けて、条件のよい土地を上手に仕入れるための営業のコツを解説します。
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工務店・ビルダーが用地の仕入れを行う際の課題
工務店・ビルダーにおける用地の仕入れ営業では、用地の所有者に営業をかける方法があります。しかし、売主に対して直接アプローチする方法は、成約の難易度が高いことが課題の1つです。
一般の方が土地・物件を売却する際には、地元の不動産仲介会社に依頼することが一般的です。そのため、知名度が低い、または地域になじみのない工務店・ビルダーとの直接取引を懸念する売主も少なくありません。
また、条件のよい用地は、競合他社からの需要も高くなり、売主にとって魅力的な買取交渉を行わなければ、仕入れを成功させることが難しくなります。
そのほか、用地が売りに出される時期や数について予測を立てるのが難しく、売却情報が出たときに競合他社に先行されてしまうといった課題もあります。
用地を仕入れるための営業のコツ
工務店・ビルダーが用地の仕入れ営業を成功させるには、売却情報をスピーディに入手するための取組みと、ターゲットとする土地の選定基準を見直すことがコツです。
①地域の不動産仲介会社・営業担当者との人脈を形成する
用地の売却情報をすばやく入手するために、地域の不動産仲介会社・営業担当者との人脈を形成することが重要です。
地域密着型の不動産仲介会社の場合、近隣住民からの認知度が高いことから、土地の売却情報を豊富に保有している可能性が高いと考えられます。
また、地域の不動産仲介会社に依頼している売主は、売却価格よりも信頼や人脈を重視している人が多いと考えられるため、大手の不動産仲介会社がまだリードしていない状況にあることも期待できます。
このように、売主の情報を持っている地域の不動産仲介会社と関係性を築くことによって、競合他社と取り合いになりにくい土地の売却情報を得られる可能性が期待できます。
②相続や所有者の変更状況をチェックする
用地の仕入れ営業を成功させるには、売却情報を待つのではなく、工務店・ビルダー側から売却されやすい土地・物件を見つけ出して先手を打つことも有効です。
売却されやすい土地・物件を見つける方法として、土地・建物の登記簿謄本を取得して、相続状況や所有者の変更状況を確認することが挙げられます。
相続されて間もない土地や共有名義になっている土地、所有者が頻繁に変わっている土地などは、売却ニーズを持っている可能性があります。
▼売却ニーズがあると考えられる用地とその理由
売却ニーズがあると考えられる用地 |
理由 |
相続されて間もない用地 |
相続人が土地・物件を利用しない、または管理ができない |
共有名義になっている用地 |
家族で相続をしたものの、物件の扱いに困っている |
所有者が頻繁に変わっている用地 |
土地・物件の運用に困っている |
③今後動きのありそうな用地をターゲットにする
競合他社にリードされることを防ぐために、今後売却予定のありそうな用地をターゲットにして、所有者にアプローチを行うことも有効です。
売却予定がありそうな用地の種類と、想定される売主の課題・ニーズとしては、以下が考えられます。
▼売却予定がありそうな用地と売主の課題・ニーズ
売却予定がありそうな用地 |
想定される売主の課題・ニーズ |
駐車場 |
|
空き家 |
取り壊しや片付けに手間・費用がかかるため、売却に踏み切れない |
④売主への付加価値を付ける
数ある仕入れ事業者のなかで、売主に自社の工務店・ビルダーを選んでもらうには、付加価値を付けてアピールすることが重要です。
売主に対して魅力的なサービスを付けることで、大手不動産会社や大手ハウスメーカーとの差別化を図り、買取価格による競争を避けることにつなげます。
付加価値につながるサービスとしては、用地を売却する際の売主の負担を抑えたり、物件価値を高めたりするサービスが挙げられます。
▼付加価値につながるサービスの例
- 片付け支援サービスとの連携
- 地盤調査・インスペクションの実施
- ホームステージングの実施(中古物件の買取時)など
まとめ
この記事では、用地の仕入れ営業について以下の内容を解説しました。
- 工務店・ビルダーが用地の仕入れを行う際の課題
- 用地を仕入れるための営業のコツ
地域で知名度が低い工務店・ビルダーは、用地の売却情報をすばやく入手することが難しいほか、なじみのない会社との直接取引を懸念する売主もいるため、仕入れ営業が難しいといわれています。
このような課題があるなかで、用地をうまく仕入れるためには、地域の不動産会社や仲介営業担当者とのネットワークを構築したり、土地建物登記簿謄本を基に相続・所有者の状況を確認したりと、積極的に情報収集を行うことが重要です。
また、今後動きのありそうな用地を洗い出してアプローチをしたり、売主にとって付加価値のあるサービスを付けたりして競合他社と差別化を図ることも有効です。今回紹介したコツを取り入れて、仕入れ営業の成約率向上を目指してはいかがでしょうか。
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なお、工務店・ビルダーの営業活動を効率化する方法については、こちらの記事で解説しています。併せてご覧ください。