用地仕入れ成功の秘訣とは?工務店・ビルダーが条件の良い土地を獲得する営業術と競合対策
目次[非表示]
- 1.用地仕入れの難しさと重要性
- 2.工務店・ビルダーが用地仕入れで直面する課題
- 2.1.①情報入手の難しさ
- 2.2.②売主の不安感
- 2.3.③競争の激化
- 2.4.④売却時期・頻度の予測困難
- 3.用地を仕入れるための営業コツと競合対策
- 3.1.①地域不動産仲介会社や営業担当者との強力な人脈を構築する
- 3.2.②相続や所有者の変更履歴を調査し売却ニーズを推測
- 3.3.③今後動きのありそうな土地にターゲットを絞り攻める
- 3.4.④売主へ魅力的な付加価値サービスを提供し差別化を図る
- 4.まとめ
用地仕入れの難しさと重要性
工務店・ビルダーが建築条件付き住宅や分譲住宅の販売などを行う際に、最初のステップとなるのが用地の仕入れです。
土地の売却情報はいつ出るか予測するのが難しいほか、条件のよい土地は競争も激しくなるため、「用地の売却情報を入手しにくい」「競争力のある大手ハウスメーカーにリードされてしまう」といった課題を持つ工務店・ビルダーも多いのではないでしょうか。
用地の仕入れ営業を成功させるためには、売却情報をすばやく入手できる工夫と、ターゲットとする土地の選定基準で競合他社と差別化を図ることが重要です。
この記事では、工務店・ビルダーの担当者に向けて、条件のよい土地を上手に仕入れるための営業のコツを解説します。
工務店・ビルダーが用地仕入れで直面する課題
工務店やビルダーが用地を仕入れる営業活動では、売却予定の土地の所有者に直接アプローチする方法があります。しかし、これは簡単ではなく、成約までのハードルが高いのが現状です。
土地や物件を売りたい多くの売主は、通常は地元の不動産仲介会社に依頼します。そのため、地域に馴染みが薄い、知名度の低い工務店やビルダーとの直接取引を不安に感じる売主も多く、これが成約を難しくしている要因のひとつです。
さらに、条件の良い土地は需要が非常に高いため、大手ハウスメーカーや資金力のある業者との競争が激しく、売主が魅力的と感じる買取交渉をしなければ成功は難しくなります。
加えて、土地が売りに出される時期や件数を予測することが難しく、売却情報が出た瞬間に競合に先を越されてしまうリスクも存在します。
主な課題としては以下が挙げられます。
①情報入手の難しさ
売主の多くが地元の不動産仲介会社を利用するため、知名度が低い工務店は早期に売却情報を入手しにくい。
②売主の不安感
地域に馴染みのない企業との取引に売主が不安を感じ、契約成立の妨げになる。
③競争の激化
好条件の土地は資金力のある大手との奪い合いになりやすい。
④売却時期・頻度の予測困難
売却のタイミングが不透明で、情報を逃すと競合に先手を取られてしまう。
これらの課題を乗り越えるためには、情報収集力の強化や売主との信頼関係の構築、戦略的な営業活動が重要です。
用地を仕入れるための営業コツと競合対策
工務店・ビルダーが用地の仕入れ営業を成功させるには、売却情報をスピーディに入手するための取組みと、ターゲットとする土地の選定基準を見直すことがコツです。
①地域不動産仲介会社や営業担当者との強力な人脈を構築する
用地の売却情報をすばやく入手するために、地域の不動産仲介会社・営業担当者との人脈を形成することが重要です。
地域密着型の不動産仲介会社の場合、近隣住民からの認知度が高いことから、土地の売却情報を豊富に保有している可能性が高いと考えられます。
また、地域の不動産仲介会社に依頼している売主は、売却価格よりも信頼や人脈を重視している人が多いと考えられるため、大手の不動産仲介会社がまだリードしていない状況にあることも期待できます。
このように、売主の情報を持っている地域の不動産仲介会社と関係性を築くことによって、競合他社と取り合いになりにくい土地の売却情報を得られる可能性が期待できます。
②相続や所有者の変更履歴を調査し売却ニーズを推測
用地の仕入れ営業を成功させるには、売却情報を待つのではなく、工務店・ビルダー側から売却されやすい土地・物件を見つけ出して先手を打つことも有効です。
売却されやすい土地・物件を見つける方法として、土地・建物の登記簿謄本を取得して、相続状況や所有者の変更状況を確認することが挙げられます。
相続されて間もない土地や共有名義になっている土地、所有者が頻繁に変わっている土地などは、売却ニーズを持っている可能性があります。
▼売却ニーズがあると考えられる用地とその理由
売却ニーズがあると考えられる用地 |
理由 |
相続されて間もない用地 |
相続人が土地・物件を利用しない、または管理ができない |
共有名義になっている用地 |
家族で相続をしたものの、物件の扱いに困っている |
所有者が頻繁に変わっている用地 |
土地・物件の運用に困っている |
③今後動きのありそうな土地にターゲットを絞り攻める
競合他社にリードされることを防ぐために、今後売却予定のありそうな用地をターゲットにして、所有者にアプローチを行うことも有効です。
売却予定がありそうな用地の種類と、想定される売主の課題・ニーズとしては、以下が考えられます。
▼売却予定がありそうな用地と売主の課題・ニーズ
売却予定がありそうな用地 |
想定される売主の課題・ニーズ |
駐車場 |
|
空き家 |
取り壊しや片付けに手間・費用がかかるため、売却に踏み切れない |
④売主へ魅力的な付加価値サービスを提供し差別化を図る
売主に自社の工務店やビルダーを選んでもらうためには、他社にはない付加価値サービスを提供してアピールすることが重要です。これにより、大手不動産会社やハウスメーカーとの価格競争を避け、競争力を高めることができます。
付加価値サービスとは、売主の負担を軽減したり、土地や物件の価値を高めたりするものです。例えば、以下のようなサービスがあります。
▼付加価値につながるサービスの例
- 片付け支援サービスとの連携
- 地盤調査・インスペクションの実施
- ホームステージングの実施(中古物件の買取時)など
これらのサービスを提供することで、売主にとって魅力的な取引先となり、仕入れ成功につなげることが可能です。
まとめ
用地仕入れは工務店・ビルダーの販売戦略の要ですが、多くの課題が立ちはだかります。
しかし、地域不動産業者との強固なネットワーク構築、相続情報や所有者履歴からの売却可能性把握、売却予定用地の戦略的ターゲティング、そして売主への付加価値提案を組み合わせることで、競合に差をつけて条件の良い土地を確保できます。
工務店・ビルダーの担当者はこれらのポイントを意識し、用地仕入れの成功率向上を目指しましょう。
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