仕入・販売

建設業における販売管理とは?目的と流れ、システム選びまで徹底解説!

建設業における販売管理とは?目的と流れ、システム選びまで徹底解説!

建設業において、販売プロセスの円滑化を実現する販売管理は重要な業務です。また、法人としての法令遵守という観点においても大切な役割を担っています。

今回は、建設業における販売管理の重要性や進め方、販売管理システムの選び方などをまとめてご紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.建設業における販売管理とは
  2. 2.販売管理を行う目的
    1. 2.1.収支状況の見える化
    2. 2.2.売上予測
    3. 2.3.完成工事原価の算出
  3. 3.建設業での販売管理のフロー
    1. 3.1.①受注管理
    2. 3.2.②出荷管理(工事管理)
    3. 3.3.③請求管理
    4. 3.4.④在庫管理
    5. 3.5.⑤仕入管理
  4. 4.販売管理システムを導入するメリット
    1. 4.1.業務の効率化が実現できる
    2. 4.2.迅速な経営判断が行える
    3. 4.3.コンプライアンス強化につながる
  5. 5.販売管理システムを選ぶときのポイント
    1. 5.1.備わっている機能
    2. 5.2.操作性・モバイル対応
    3. 5.3.料金形態
    4. 5.4.セキュリティー

建設業における販売管理とは

販売管理とは、販売プロセスを効率的に管理するための業務です。販売プロセスには見積もりや在庫管理、顧客情報管理、請求管理といった多数の工程があります。

販売管理はこれらのプロセスを統合管理し、スムーズに販売活動を進めることを目的
としています。建設業における販売管理では、得意先や仕入れ先との間でお金やモノ、工事がどのように流れているかを管理するのが基本の業務となります。

建設工事を行う会社は工期も長くなるため、受注から代金回収までに1年以上かかるケースもめずらしくありません。それに対して、労務費や機械設備費などは現金払いになるため、販売管理が行われていなければ資金繰りが悪化するおそれがあります。

そのため、適切に販売管理を行い、全体的な収支を見通しながら業務を進めていくことが重要です。

販売管理を行う目的

建設業において販売管理を行う目的には、「収支の可視化」「売上予測」「完成工事原価の算出」の3つがあります。ここでは、それぞれの内容について見ていきましょう。

収支状況の見える化

販売管理を行う主な目的は、収支状況の確認と不要なコストの削減にあります。会社全体の資金の流れを見える化することで、収益を生み出しているポイントとコスト効率の低いポイントが明らかになります。

また、在庫数も適切に管理して不要なコストの削減を行い、利益の確保に努めるのが狙いです。

売上予測

過去の施工データや販売データを蓄積・管理し、分析を行うことで、商品の売れる時期や数量などの予測がしやすくなります。適切な発注予測が行えれば、余剰在庫の削減につながり、コスト効率の向上が期待できます。

また、売上予測が正確に行えれば、会社経営全体においても有益な情報となるでしょう。トレンドの動きや顧客ニーズの変化を感じ取るうえでは、販売データが重要な価値をもたらします。

完成工事原価の算出

販売管理は、法人の建設業者に義務付けられている「完成工事原価報告書」を作成するうえでも重要です。完成工事原価報告書は建設業許可を受けるうえで必須の書類であり、工事ごとに正確な原価を算出して作成しなければなりません。

このように、販売管理は経営の効率化だけでなく法令遵守の観点からも欠かせないプロセスといえます。

建設業での販売管理のフロー

建設業における販売管理は、大まかに次のような項目に沿って進めていきます。

■建設業における販売管理のフロー
①受注管理
②出荷管理(工事管理)
③請求管理
④在庫管理
⑤仕入管理

ここでは、各プロセスの具体的な進め方について見ていきましょう。

①受注管理

受注管理では、新規工事の受注から契約締結までのプロセスを管理します。新規の工事依頼があれば、まずは「工事内容の明確化」「予算の算定」「納期の決定」を行い、見積書を作成します。

交渉によって受注が確定したら、契約書を交わして双方の条件を確認し、工事の実施に入ります。このように、受注管理は工期やコストの管理を行い、円滑な工事を進めるための必要なプロセスです。

②出荷管理(工事管理)

出荷管理は、建材や機器の調達、人員の手配、現場における進捗の管理などを行います。材料販売を行う会社であれば商品の手配と納品、工事を行う会社であれば工事の着手から完了までのプロセスをカバーします。

プロジェクトを円滑に遂行し、滞りなく納品・完成を迎えるために重要な工程です。

③請求管理

請求管理では工事の完了や中間金の発生に基づいて請求書を作成・送付を行う作業を取りまとめます。正確な請求書を作成し、クライアントとの信頼関係を保ちながらキャッシュフローを管理するのが主な役割です。

④在庫管理

資材や材料、機器などの在庫を管理し、コストの最適化と効率的な資源の活用を進めるのが主な役割です。工事の遅延を回避しつつ、過剰な在庫を避けるために、こまめに在庫データの管理を行いながら購買計画を立てます。

⑤仕入管理

仕入管理では、工事に必要な資材・機材を調達し、適切なタイミングで供給します。調達管理や仕入れ先との交渉、発注書の作成、納期の監視などを行い、安定した供給状態を確保するのが主な役割です。

販売管理システムを導入するメリット

販売管理システムとは、販売管理に最適化されたITツールです。受注管理や在庫管理、出荷管理、請求書発行、顧客管理、入出金管理、データ分析などの機能が搭載されており、販売管理のプロセスを大幅に効率化できます。

ここでは、販売管理システムを導入するメリットについて見ていきましょう。

業務の効率化が実現できる

販売管理システムでは、販売管理のさまざまなプロセスを自動化できるため、業務が大幅に効率化されます。また、誤ったデータ入力などもなくなることから、ヒューマンエラーも減少します。

さらに、データの動きがあるたびにリアルタイムで分析が行えるので、在庫管理や需要予測も速やかに行えるのがメリットです。その結果、効率的なコスト削減と生産性の向上につながります。

迅速な経営判断が行える

多様な販売データを一元管理できるため、迅速な経営判断につながるのもシステムを導入する大きなメリットです。過去のデータから速やかに予測を立てることで、最適な市場戦略や新たなビジネスチャンスの発見が早まるため、競争力の強化が期待できます。

コンプライアンス強化につながる

販売管理システムの導入は、法規制への適切な対応にもつながります。システムに沿った書類作成を行うことで会計処理の正確性が向上し、トラブルや罰金のリスクを軽減できます。

建設業にはさまざまな法令や業界に関連する基準が存在するため、最新の法令に準拠した販売管理システムの導入は、企業としての信用力を高めることにつながるでしょう。

販売管理システムを選ぶときのポイント

販売管理システムにはさまざまな種類があり、使い勝手や料金、適した規模などはそれぞれ異なります。ここでは、販売管理システムを見極める際のポイントをご紹介します。

備わっている機能

まずは、ツールごとにどのような機能が備わっているのかをチェックする必要があります。機能が多ければ使いやすいということはなく、過剰であれば現場の混乱を招いてしまう可能性もあります。

そのため、自社の課題解決につながる機能を備えているかどうかを丁寧に見極め、必要十分なツールを選びましょう。また、規模や業務幅の拡大を想定して、機能の拡張やカスタマイズが行えるかどうかも確認しておくのがおすすめです。

操作性・モバイル対応

システムが機能するかどうかは、現場における使いやすさに左右されます。優れた機能を持つツールであっても、現場にとって使いづらいものであれば、かえって業務効率を下げてしまうおそれがあります。

無料トライアルなどを活用して、実際に操作性などを確かめつつ、現場担当者の意見も取り入れながら検討してみるとよいでしょう。また、出先でもデータへのアクセスができるように、モバイル端末に対応しているかどうかも確認しておくことが大切です。

料金形態

ツールには大きく分けて「オンプレミス型」と「クラウド型」の2つの種類があります。オンプレミス型は買い切り方式のことであり、自社でサーバの管理・運用を行うのが特徴です。

導入までには時間やコストがかかってしまいますが、カスタマイズ性が高いものが多いのがメリットです。クラウド型はクラウドでデータ管理を行う方式であり、カスタマイズ性は低い一方、導入コストを低く抑えられるという利点があります。

セキュリティー

販売管理では、企業や取引先などの重要なデータを取り扱うため、セキュリティーは最優先で考える必要があります。データ漏えいやサイバー攻撃のリスクを避けるためにも、システムベンダーがどのようなセキュリティー対策を行っているのかをチェックし、比較検討しましょう。


●記事のおさらい
最後に、今回の内容をQ&Aで確認しておきましょう。

Q:建設業における販売管理とは?
A:
建設業における販売管理は、得意先や仕入れ先との間で、お金とモノ、工事がどのように流れているかを管理することを指します。収支の見通しや在庫の状態などを明らかにし、安定した販売プロセスを維持することを目的としています。

Q:建設業の販売管理ではどのようなことをする?
A:
建設業の販売管理では、受注管理、出荷管理(工事管理)、請求管理、在庫管理、仕入管理などを行います。


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編集部
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工務店・ビルダー、新築一戸建て販売会社様を支援すべく、住宅営業のノウハウや人材採用、住宅トレンドなど、様々なジャンルの情報を発信してまいります。

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