メタバースの時代到来! 住宅業界における新しい集客方法とVR活用のメリットを紹介
新型コロナウイルスの感染拡大によって、対面での営業が難しくなるなど住宅業界にも大きな影響が生じました。一方で、オンラインでのコミュニケーションが活発化し、新たな接客や集客の方法が浸透してきたともいえます。
特にメタバースやVR技術を活用することで、これまでにない新たな顧客へのアプローチを展開できるようになりました。この記事では、住宅業界における新たな集客方法とVR活用のメリットを解説します。
目次[非表示]
- 1.メタバースとは?
- 1.1.メタバースとVRの違い
- 1.2.どのような分野で使われている?
- 2.次世代の動向とVR・バーチャル空間の浸透
- 2.1.ビジネス領域での活用方法
- 3.住宅会社におけるVR活用例と取り組み
- 4.VR活用のメリットと効果予測
- 4.1.物理的な距離に関係なく住宅展示場にアクセスしてもらえる
- 4.2.物件の魅力を視覚的に伝えられる
- 4.3.業務効率化を図れる
- 4.4.非接触での営業活動が行える
- 5.この記事を監修した人
- 5.1.三輪 歩己
メタバースとは?
メタバースとは、Web上に構成される三次元の空間において、ユーザーは自分の分身であるアバターを介して他のユーザーとの交流を行える仮想空間を指します。メタバースの大きな特徴は、現実世界と似たような空間を楽しめることにあり、アバターを動かしてWeb上での社会生活を送ることができます。
ユーザー間で交流したり、情報を集めたりするだけでなく、現実と変わらない商取引を行えるなど、さまざまな活動が営める空間です。
メタバースとVRの違い
VR(Virtual Reality)は「仮想現実」を意味し、専用のゴーグルを装着して仮想世界を楽しむための技術です。基本的にはユーザーが1人で楽しむ三次元の仮想空間であり、仮想世界にアクセスするためには、専用機器が必要になります。
一方、メタバースはVRのように専用のデバイスを必要とせず、インターネットに接続すれば誰でも自由に利用することが可能です。
どのような分野で使われている?
メタバースやVRといった技術は、主にゲーム分野やビジネスの領域において活用されています。ゲーム分野においてはオンラインで自由に交流できるという特性から、世界中のユーザーが同時接続を行って、より現実世界に近い感覚でゲームを楽しめるようになりました。
ビジネスの領域においては、バーチャルオフィスやバーチャルイベント、バーチャルショップなどとしての活用が模索されています。さらに詳しく見ていきましょう。
次世代の動向とVR・バーチャル空間の浸透
メタバースが注目されるようになった理由として、新型コロナウイルスの感染拡大による影響などが考えられますが、VR機器の普及やオンラインコミュニケーションの浸透もきっかけとして挙げられます。
通信技術の発達によって、動画など大容量のデータのやりとりやWebを介したボイスチャットがスムーズに行える環境が整ってきています。また、スマートフォンの普及によって誰でも手軽にアクセスすることが可能になりました。
特にデジタルネイティブである若い世代は、オンラインを通じたやりとりに抵抗感が少ない傾向にあるため、ビジネスの領域においてもさまざまな活用がなされているといえるでしょう。
ビジネス領域での活用方法
ビジネス領域におけるメタバースやVR技術の活用方法を見ていきましょう。たとえば、仮想空間にオフィスを設ける「バーチャルオフィス」においては、アバターとして出社し、実際の業務や同僚とのコミュニケーションを行えます。
また、オンラインの仮想空間でイベントを開催する「バーチャルイベント」は、従来のオンラインイベントよりも臨場感が高いことが特徴です。アバターとして仮想空間内のイベント会場に入場し、登壇者の話を聞くことができるため、まるで実際にイベントに参加しているかのような感覚を抱けます。
そして、オンライン上の仮想空間には「バーチャルショップ」の設置も可能です。実店舗と同じように買い物をすることができ、店舗内を自由に動き回れるため、実際にショッピングをしているような感覚で買い物を楽しめます。
住宅会社におけるVR活用例と取り組み
住宅会社においてメタバースやVRの具体的な活用事例として、住宅展示場のVR化が挙げられます。ユーザーは実際に住宅展示場まで足を運ばなくても、仮想空間でモデルハウスの様子を体感することが可能です。
大手の住宅会社を中心に、VRの住宅展示場を公開している会社も増えてきており、アバターを介して住宅会社の担当者とのやりとりも行えます。また、複数人での接続が可能な仕組みを整えているところもあるので、家族で話をしながらモデルハウスを見学できます。
VRの技術を生かすことで、子どもやペットの視点から見学できるのも特徴だといえるでしょう。また、壁紙や床、天井などの素材や色を瞬時に変更してイメージを確認できるのはオンラインならではの機能です。
オンラインであれば物理的な距離に関係なく、全国どこからでもアクセスすることができる点も、顧客と住宅会社の双方にとって魅力的な仕組みだといえます。
VR活用のメリットと効果予測
住宅会社がVRを活用するメリットには、さまざまなことが挙げられます。具体的にどのような効果を得られるのかを解説します。
- 顧客が気軽にアプローチできる環境を整えられる。
- コスト削減につながる。
- VRであれば、常にデータ収集を行えるので、定期的な調査・分析・改善が可能になる。
物理的な距離に関係なく住宅展示場にアクセスしてもらえる
VR技術を活用して仮想空間の中で住宅展示場を展開すれば、遠方に住んでいてなかなか現地に足を運べない人もアクセスすることが可能です。住宅会社としてはターゲット層に幅広くアプローチでき、集客力を向上させられるでしょう。
物件の魅力を視覚的に伝えられる
オンライン上でモデルハウスを見学できる環境を整えておけば、顧客は自宅にいながら実際に現地を訪れて見学をしたかのような体験が可能です。また、「拡張現実」と呼ばれるAR(Augmented Reality)も導入すれば、モデルハウスのレイアウトを変更することができ、口頭で説明するよりも視覚的に訴求できます。
入居後の暮らしのイメージを持ってもらいやすくなるので、成約率の向上が期待できるでしょう。
業務効率化を図れる
VRなどの技術を活用すれば、住宅会社は多くの場面で時間的な制約を解消でき、業務効率を高められます。対面で物件を案内する場合はスケジュールの調整や現地での案内など、対応に時間がかかるケースが多いといえます。
しかし、オンライン上で物件案内が行える環境を整えることで、顧客対応にかかる時間を短縮化することが可能です。また、成約に至るまでのプロセスが短くなることからも、より効率的に業務に取り組めるでしょう。
非接触での営業活動が行える
VR技術を活用すれば、非接触で顧客とのやりとりが行えます。新型コロナウイルスの感染拡大時のように、対面での営業活動が制限されるような場面であっても、オンラインでコミュニケーションを行えば、対面することなく営業活動が実施できます。
アフターコロナの時代においても、顧客のニーズに応じて、対面・非対面の両方の仕組みを整えておくことが大事です。
●記事のおさらい
最後に、今回の内容をQ&Aで確認しておきましょう。
Q:VRはどのような使い方ができる?
A:VRを活用すれば、自宅にいながら、まるで現地に足を運んでいるかのようなリアルな体験ができるため、住宅展示場として役立てられます。時間や手間をかけずにモデルハウスを見学できるので、集客力や成約率の向上が期待できます。
Q:メタバースやVRを活用することで得られるメリットは?
A:最新の技術をうまく活用することで、顧客満足度を高められるだけでなく、住宅会社にとっても業務効率化などのメリットを得られます。成約に至るまでの工数の短縮化にもつながるので、積極的に活用してみましょう。
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この記事を監修した人
三輪 歩己
不動産鑑定士、宅地建物取引士、日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)、 相続診断士、J-REC公認不動産コンサルタント
名古屋市立大学薬学部卒。 大学在学中に不動産鑑定士2次試験合格。日本土地建物株式会社にて、 不動産鑑定や不動産証券化業務に従事。その後外資系不動産ファンド等にて 物件購入・管理・経営企画等業務に従事。約20年間の鑑定・宅地建物取引業の 経験を活かし、2020年に不動産パートナーズ株式会社を設立し、代表取締役に就任。 同社では、不動産鑑定業・宅地建物取引業に加え、不動産専門の相続診断士として 活動を行う。