2026年もGX志向型住宅の普及促進~みらいエコ住宅2026事業

2025年4月の法改正により、すべての新築住宅・非住宅に省エネ基準の適合が義務付けられるようになりました。断熱等級4と一次エネルギー消費量等級4を満たすことが最低基準になります。
「他社よりも断熱性能が優れている」と訴求するには、この最低基準を満たしているだけでは不十分です。すでにZEH水準の断熱等級5の躯体性能を標準仕様としている住宅会社は少なくありません。
さらにグレードの高い等級6・7の商品・仕様を設ける住宅会社も増えてきました。住宅業界全体で断熱性能の向上が加速的に進んだきっかけとなったのが、「GX志向型住宅」です。
「子育てグリーン住宅支援事業」の「GX志向型住宅」は2ヶ月余りで予算終了
2025年度の住宅購入支援策の目玉だったのが「子育てグリーン住宅支援事業」です。長期優良住宅の補助額は1戸当たり100万円。ZEH水準の住宅の補助額は、前年の「子育てエコホーム支援事業」1戸当たり80万円から60万円に減額されましたが、その代わりに、新たにZEH水準を上回る性能をもつ「GX志向型住宅」が新設されました。
「GX志向型住宅」は、①断熱等性能等級6以上、②再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量の削減率 35%以上、③再生可能エネルギーを含む一次エネルギー消費量の削減率 100%以上の3つの水準を満たす住宅の取得に対し、1戸当たり160万円を支援するという内容でした。
同事業の「GX志向型住宅」の枠は、2025年5月の申請開始から2ヶ月余りで予算額の上限であった500億円に達して受付を終了したことから、「GX志向型住宅」の性能基準である断熱等級6は、高すぎるハードルというわけではないでしょう。
「みらいエコ住宅2026事業」の「GX志向型住宅」補助額は1戸当たり110万円
2026年度の住宅購入支援事業の「みらいエコ住宅2026事業」の概要が発表されました。総予算は2,050億円で、長期優良住宅の補助額は1戸当たり最大95万円(1~4地域は100万円)、ZEH水準住宅は55万円(1~4地域は60万円)。
そして今回も「GX志向型住宅」の枠が設けられます、補助額は1戸当たり110万円(1~4地域は125万円)に減額され、高度エネルギーマネジメント(≒HEMSの設置)という新たな要件が加わります。
■みらいエコ住宅2026事業(Мe住宅2026)の概要

2025年9月にはZEHを上回る省エネ住宅の新定義「GX ZEH」が発表され、2027年4月以降に適用される予定です。断熱性能や一次エネルギー消費量の削減の要件は「GX志向型住宅」と同じで、上位基準として、再エネ含む一次エネ削減率を115%以上とする「GX ZEH+」が設けられます。
多雪地域・都市部狭小地を対象とする「GX ZEH Oriented」以外では再エネ設備(≒太陽光発電システム)の搭載が必須で、再エネ設備を搭載する場合は、高度エネルギーマネジメントと、定置用蓄電池の導入も必須要件となります。
住宅の性能訴求において、現行のZEH水準を満たしているだけでは他社との差別化にはならない時代は、すぐそこまで迫ってきています。
■省エネ住宅の新基準「GX ZEH」(戸建住宅)

断熱等級6への対応は喫緊の課題
2050年カーボンニュートラルの目標達成に向けて、住宅の省エネ性能の向上とエネルギー自給率の向上が推し進められています。住宅の断熱性能は、「GX志向型住宅」および「GX ZEH」の等級6が当たり前となることが予見されます。
最近では住宅購入検討者もYouTubeやWEBで住宅の性能についての知識を付け、候補会社選びの基準の一つにしています。ただし、同じ断熱等級でもUA値の基準やそれに適合する仕様は地域によって異なり、快適性や経済性はUA値や等級の数字だけで比較できるわけではありません。自社の建物の性能を正しく伝えることが他社との差別化において重要となってきます。
住宅の断熱性能・省エネ性能を高めることは、地域のビルダー・工務店にとっても喫緊の課題ですが、そのためにはコストアップが欠かせません。補助金による支援はあるとしても、一般消費者から手が届きやすい価格にイニシャルコストを抑えるか、光熱費削減のランニングコストのメリットをうまく訴求しないことには、高性能住宅を広く行き渡らせることは難しいでしょう。
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