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【工務店・ビルダー向け】国土情報ウェブマッピングシステムの3つの活用方法

工務店・ビルダーの業務では、住宅建築に必要な土地や道路、周辺の施設などの情報を確認したり、顧客との打ち合わせで地図を提示したりする場面がよくあります。

このような情報収集には、インターネット上の地図で検索したり、現地調査を行ったりすることが一般的ですが、国土交通省が提供する“国土情報ウェブマッピングシステム”を利用する方法もあります。

この記事では、国土情報ウェブマッピングシステムとは何か、また、システムの主な活用方法について解説します。

目次[非表示]

  1. 1.国土情報ウェブマッピングシステムとは
  2. 2.国土情報ウェブマッピングシステムの活用方法
    1. 2.1.①用途地域の確認
    2. 2.2.②災害リスクの把握
    3. 2.3.③地図の作成
  3. 3.まとめ

国土情報ウェブマッピングシステムとは

国土情報ウェブマッピングシステムとは、国土数値情報をWebブラウザで閲覧できるシステムのことです。

国土数値情報とは、国土形成計画や国土利用計画などの国土政策の推進のために、国土に関する基礎的な情報をGIS(Geographic Information System:地理情報システム)データとして整備したものです。

公開して差し支えない国土数値情報について、『地理空間情報活用推進基本法』に基づいて無償提供されています。

Webブラウザで情報を閲覧できるだけでなく、国土数値情報の複数データを選択しながら、1つの画面に重ねて表示できることが特徴です。

国土情報ウェブマッピングシステムで確認できる国土数値情報には、以下が挙げられます。

▼国土数値情報の主な内容

カテゴリ

確認できる情報

国土
  • 地形
  • 水域
  • 土地利用
  • 地価
行政地域
  • 行政区域
  • DID(人口集中地区)(※)
  • 中学校区
  • 小学校区 など
大都市圏・条件不利地域
  • 三大都市圏計画区域
  • 過疎地域
  • 振興山村
  • 特定農山村地域 など
災害・防災
  • 避難施設
  • 土砂災害危険箇所
  • 地すべり防止区域
  • 急傾斜地崩壊危険区域 など
施設
  • 国・都道府県の機関
  • 市町村役場
  • 公共施設
  • 警察署 など
地域資源・観光
  • 都道府県指定文化財
  • 世界文化遺産
  • 観光資源
  • 宿泊容量メッシュ など
保護保全
  • 自然公園地域
  • 自然保全地域
  • 鳥獣保護区
交通
  • 高速道路時系列
  • 緊急輸送道路
  • バス停留所
  • 鉄道 など

国土交通省『国土数値情報ダウンロードサービス』を基に作成

※DID(人口集中地区)とは、国勢調査の基本単位区を基礎単位として、市区町村の境域内で人口密度の高い地域のこと。

(出典:国土交通省『国土数値情報ダウンロードサービス』)

国土情報ウェブマッピングシステムの活用方法

工務店・ビルダーでは、土地や周辺環境の情報収集、提案資料の作成などの業務において、国土情報ウェブマッピングシステムを活用できます。

ここでは、具体的な活用方法を3つご紹介します。


①用途地域の確認

都市計画法で定められた土地の用途地域を確認する際に、国土情報ウェブマッピングシステムを活用できます。

施主が所有する土地に住宅を建築する場合や、住宅分譲、宅地開発のための土地仕入れを行う際には、用途地域の確認が必要です。

用途地域とは、住居・商業・工業を含む全13の地域において、建築が可能な建物の種類を定めたエリアです。用途地域によって、建てられる建築物や建物の高さ、施設の規模などが異なります。住宅を建てるうえで、騒音・日当たり・周辺環境・利便性を考える際にも必要な情報となります。

国土情報ウェブマッピングシステムでは、用途地域について以下のように確認できます。

▼用途地域の地図イメージ

画像引用基:国土交通省 国土数値情報ダウンロードサービス『用途地域データ

(出典:国土交通省 国土数値情報ダウンロードサービス『用途地域データ』)


②災害リスクの把握

国土情報ウェブマッピングシステムを活用して、土地や周辺地域の災害リスクを把握することも可能です。

近年、日本各地で自然災害が頻発しており、土砂災害や家屋の浸水など、住宅への深刻な被害が発生しています。工務店・ビルダーでは、土地の仕入れや住宅建築を行う前に、災害リスクについて調べておくことが重要です。

地域の災害リスクを明らかにすることで、住宅の耐久性・耐震性の重要性を施主に理解してもらいやすくなります。

国土情報ウェブマッピングシステムで確認できる災害情報としては、以下が挙げられます。

▼確認できる災害情報

  • 土砂災害危険箇所(土石流危険渓流、急傾斜地崩壊危険箇所、地すべり危険箇所)
  • 雪崩危険箇所の範囲・形状・位置

▼土砂災害危険箇所の地図イメージ

画像引用元:国土交通省 国土数値情報ダウンロードサービス『土砂災害危険箇所データ

なお、これらの情報は、自然災害の発生や被害の範囲を証明するものではありません。参考の一つとして活用してください。

(出典:国土交通省 国土数値情報ダウンロードサービス『土砂災害危険箇所データ』『近年の自然災害の発生状況』)


③地図の作成

国土情報ウェブマッピングシステムには作図機能が搭載されており、地図の作成・編集も可能です。

土地があるエリアの地図を拡大したうえで、地図上にマーカー・線・ポリゴン・円・文字などを描画できます。

▼マーカー(円)の挿入イメージ

画像引用元:国土交通省『国土情報ウェブマッピングシステム

また、地図上を選択すると、距離や面積の計測も可能です。

▼距離計測のイメージ

画像引用元:国土交通省『国土情報ウェブマッピングシステム

そのほかにも、地図上の交通機関や施設情報のデータを地図に反映させたり、ダウンロードして共有したりすることもできます。

▼共有画面のイメージ

画像引用元:国土交通省『国土情報ウェブマッピングシステム

このように、地図の作成機能を活用することで、施主に伝えたい情報をより分かりやすくまとめられます。さらに、社内共有や提案資料の作成にも役立てられます。

まとめ

この記事では、国土情報ウェブマッピングシステムについて、以下の内容を解説しました。

  • 国土情報ウェブマッピングシステムとは
  • 国土情報ウェブマッピングシステムの活用方法

国土情報ウェブマッピングシステムとは、国土交通省が提供している国土数値情報をWebブラウザで閲覧できるシステムのことです。地形や土地利用、行政地域、災害・防災、施設、交通など、国土に関するさまざまな情報を収集できます。

工務店・ビルダーにおいては、土地の仕入れや周辺環境の確認の際に、システムでの情報収集が可能です。作図や描画の機能を活用して、施主への提案資料を作成する際にも役立てられます。

このように、システムを活用することで業務効率化を図れるため、DXの一歩にもつながると期待できます。

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編集部
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工務店・ビルダー、新築一戸建て販売会社様を支援すべく、住宅営業のノウハウや人材採用、住宅トレンドなど、様々なジャンルの情報を発信してまいります。

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