追客・受注率向上

第3回【工務店DX】情報の一元管理で失注率を改善する方法

住宅業界・工務店では、集客後すぐに契約となるケースは少なく、他社との比較検討をする施主様が多いため、成約までの過程が長くなることが見込まれます。その間、施主様との関係性を維持できるかが、失注率に大きく関わってきます。

結論からお伝えすると、失注率は「DX」を推進することで改善が期待できます。

弊社は、1997年から25年以上システム開発を専門に業務効率化や生産性の向上、近年ではDX化のお手伝いなど住宅・建設業界に限らず多くの企業様をサポートしてきました。

今回は、DXを通してどういった課題を解決できるのかに着目した「工務店DX」特集を展開します。前回(第2回)の「工務店DX特集」では、顧客満足度に着目し、DXを通して顧客満足度を向上させるための具体的な方法やポイントについて言及しました。

第3回である本記事では、「失注率」に着目します。失注が起きてしまう原因や具体的な改善方法について解説します。

目次[非表示]

  1. 1.工務店の失注あるある
  2. 2.なぜ失注が起きてしまうのか
    1. 2.1.▼担当者との相性が合わない
    2. 2.2.▼営業担当者が信頼できない
  3. 3.失注率の高い営業担当者がすべきこと
    1. 3.1.▼ヒアリングを丁寧に行う
    2. 3.2.▼他の営業担当者のノウハウ等を共有してもらう
  4. 4.失注率を改善させる方法と対策案
    1. 4.1.▼住宅営業の効率化を図る
    2. 4.2.▼社内間で情報を共有する
    3. 4.3.▼リアルタイムで進捗状況を管理する
  5. 5.工務店の失注率をDXで改善
    1. 5.1.▼DX化における注意点
  6. 6.まとめ

工務店の失注あるある

みなさんは失注についてこのような悩みはありませんか。

  • 提案準備に時間をかけたのに、失注となってしまった
  • そもそも提案準備をする時間が足りない
  • コミュニケーションがうまく取れなかった
  • なぜ失注になったのか原因が分からない

上記のようなあるあるを改善するためにはどうすればよいのか、原因や改善手法を解説します。

なぜ失注が起きてしまうのか

では、どうして失注が起きてしまうのでしょうか。

▼集客段階でのミスマッチ

契約に向けて商談を進めたけれど、予算や納期・コンセプトが合わないといった根本が原因でのミスマッチが考えられます。

しかし、本来であれば集客または商談の早い段階で気づくことのできるミスマッチです。自社との契約が難しいと判断できる施主様とは、早いうちに見切りをつけることもリスクヘッジの一つです。商談を進めるということは、提案準備の時間・労力が必要となり、コストがかかるためです。

このようなミスマッチを防ぐためには、自社のコンセプトを明確化し戦略的に商談を進めることが重要です。

▼担当者との相性が合わない

失注となる原因として、施主様と営業担当者との相性が合わないことが挙げられます。家づくりの過程では、日程調整や打ち合わせなどのこまめな連絡が必要となってくるため、営業担当者との相性を重視する傾向があります。

家は、施主様が一生涯を過ごす安らぎの場所であり、人生で価格の高い買い物の一つです。多くの知識と最新の情報をキャッチする必要があるため、どれの商品を買うかではなく誰から買うかなどともいわれています。

担当者は工務店の顔となり、担当者と合わない=工務店と合わないと判断され、失注となってしまうのです。営業担当者がお勧めしたいものではなく、施主様が理想としているものを提案できるよう事前準備を丁寧に行うことが重要です。

▼営業担当者が信頼できない

前述した内容と似てきますが、施主様が依頼する工務店を決めるまでには他社との比較検討の過程があります。そのため、契約までの段階で、信頼関係を築けるかが失注を防ぐカギとなります。

住宅業界・工務店は、顧客との関わりが多く、コミュニケーションは工務店にとって課題の一つに挙げられます。そんな顧客とのやりとりの中で最も印象に残るのは、良かったことよりも良くなかったこと、つまりネガティブな部分です。いかにネガティブな要素を取り払って、気持ち良い家づくりを思い描いてもらえるかで、失注率は変わってきます。

信頼を築くのは難しいですが、信頼を失うのは一瞬です。

失注率の高い営業担当者がすべきこと

▼ヒアリングを丁寧に行う

施主様に合った家づくりを提案するためにも、施主様の要望を正確に・丁寧にヒアリングする必要があります。施主様は、他社との比較の中で自分たちの「理想の家」により近い提案をしてくれた工務店を選択するでしょう。

施主様の中には、まだハッキリと要望が固まっていない方もいます。質問を繰り返す中で、要望を明確化し、理想像が見えてくるのです。

しかし、些細なニュアンスのズレも後にトラブルを呼ぶことがあります。曖昧なままにせず、認識のズレがないかという点は都度確認を取っていくことが重要です。

▼他の営業担当者のノウハウ等を共有してもらう

営業担当者のスキルは、経験値によって差が出てきます。

社員が業務上で得た知識やノウハウは、個人の中に蓄積されていきます。そのため、他の社員がその情報を知るすべはなく、その知識・ノウハウは個々人の中にとどまってしまいます。

しかし、これらのノウハウ・データなどの情報を社内間で共有する仕組みをつくることで、より多くの営業担当者が情報を活かすことができます。工務店全体の水準を上げることにつながり、失注率改善を促すことができるのです。

ただし、情報を自ら取りに行くという積極的なマインドを持つことも重要です。
分からないことは聞いてみる・アドバイスを求めるという姿勢を持つことで、周りからも気にかけてもらえるようになっていくのではないでしょうか。

失注率を改善させる方法と対策案

▼住宅営業の効率化を図る

前述したように、失注率を改善するカギは「営業担当者」にあります。

そのため、営業担当者の仕事を効率化し、顧客対応や提案準備に割くための時間を確保することは失注率の改善に役立ちます。一人一人のスキルを高めることももちろん重要ですが、教育に時間を割くのが難しいことも考えられます。

そこで考えるべきは、住宅営業の業務を変えることです。今ある業務の流れを効率化し、少しでも時間のゆとりを持たせることで、失注率の改善が期待できます。

▼社内間で情報を共有する

情報共有をすることによって、担当者の負担を軽減することが期待できます。
特定の担当者のみが顧客情報・業務内容などを把握している場合、その業務は必然的にその担当者が遂行するという状況になります。つまり、業務がどんなに溜まっていても誰かに託すことができず、負担が膨らんでいくのです。

また、担当者が休暇を取得した場合は、対応ができないため、対応漏れや遅延が起こり得ます。情報共有には知識やノウハウの共有も含まれます。

前例としてこのような対応をしたことがあるといった事例を溜めていくことで、施主様とのやり取りにおいて参考として活用することができます。知識や情報を簡単に検索・応用できるため、若手社員の育成もスピーディーに行えます。

▼リアルタイムで進捗状況を管理する

進捗状況が見える化できると、経営陣のマネジメントがしやすくなります。

担当者に毎度確認する手間が省けるため、上司や先輩側からアドバイスやフォローを促すことができます。会社全体・部署・チームごとに業務状況の確認ができる状態であるといえます。そのため、ミスや不備があったときに気づきやすく、それに対するリカバリーにも素早く対応できます。

また、若手社員側の目線で見ても、一人で担当していた業務を上司・先輩に確認しながら、仕事を進めることができるため、安心感があります。情報やコツを共有してもらいながら業務を進めることで成長スピードが速まり、業務の効率化が期待できます。

工務店の失注率をDXで改善

工務店の失注率は「DX」を推進することによって改善が期待できます。

どうしても日々の集客や販売価格、利益に目を奪われがちですが、長期的な目線で考え安定的に収益を確保するカギを握るのは営業です。しかし、工務店の営業担当者は日々の業務に追われて時間がないという方が多く、一人一人の教育を強化する時間がありません。

そこで、注目すべきが「DX」です。営業担当者個人を変えるのではなく、営業担当者の業務を変えるという認識になります。DX化とは、簡単にいうとツールの活用になります。
小さな手間や無駄を省くことで、一棟当たりにかける時間を確保するとともに、ストレスフリーな環境を提供することができます。

▼DX化における注意点

しかし、ツール導入が目的となってしまわないよう注意する必要があります。DX化の大前提として、ツール導入時にはまず目的を明確化することが重要です。

例えば、今回のテーマである「失注率の改善」が目的である場合、以下のように考えることができます。

(例)

課題

失注率が高い

原因

一棟ごとに割ける時間が不足している

(施主様の要望とのミスマッチ、信頼の低下、 レスポンスの

 スピード・質の低下)

解決法

住宅営業の効率化を図るツールを導入する、社内共有を活発化し

サポートできる体制をつくる

まとめ

工務店の失注率は、「営業担当者」が重要なカギとなります。
以下の3点を意識したDX改革で、失注のリスクを減らしましょう。

  • 住宅営業の効率化を図る
  • 社内間で情報共有をする
  • リアルタイムで進捗状況を管理する

次回は、DX化のためのツール導入のポイント記事を展開予定です。
それでは、また次の記事でお会いしましょう。

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