第5回【工務店DX】住宅業界・工務店のDX取り組み事例6選!
住宅業界全体でDXへの関心が強くなってきています。
以前はDXは大手ハウスメーカーの話だと認識されていましたが、現在は社員数で10名未満の工務店でも取り組んでいる事例が多く見受けられます。
株式会社エフ・ディー・シーは1997年から25年以上、システム開発を専門に業務効率化や生産性の向上、近年ではDX化のお手伝いなど、住宅・建設業界に限らず多くの企業さまをサポートしてきました。
ここでは、DXを通してどういった課題を解決できるのかに着目し、「工務店DX」を特集します。前回(第4回)の「工務店DX特集」では、DXツール選びのポイントや注意点について言及しました。
第5回である本記事では、工務店がDX化を推進する場合の「DX施策6選」を具体的に紹介します。
目次[非表示]
- 1.工務店のDX施策事例
- 1.1.▼オンライン商談・打ち合わせの導入
- 1.2.▼バーチャル展示場
- 1.3.▼顧客管理
- 1.4.▼施工管理
- 1.5.▼Web集客
- 1.6.▼コミュニケーションツールの導入
- 2.まとめ
工務店のDX施策事例
▼オンライン商談・打ち合わせの導入
オンライン商談・打ち合わせは、ZoomやGoogle MeetなどのWeb会議サービスを用いて商談や打ち合わせを進めることです。コロナ禍に急速に進んだオンライン化ですが、工務店と施主さま双方にメリットがあることから、現在も継続している工務店が多く見られます。
Web会議サービスをうまく活用できれば、対面と遜色のない商談や打ち合わせが実現できます。無料で利用できるツールがあり、施主さまもオンライン会議などで使い慣れているという方が多いため、導入しやすい施策であると言えます。
オンライン商談のいちばんのメリットは、ネット環境があればどこにいてもできる、時間と場所の制約がない点です。商談場所への移動時間が短縮されるため、営業活動の効率化が見込めます。また、多忙・子育て中の施主さまにとっても予定を組みやすく、契約・仕様決定までのスピード向上が期待できます。
注意する点としては、認識のズレなどのトラブルです。対面と違って、オンラインではどうしても伝わりにくいニュアンスがあるかと思います。上記をサポートできるコミュニケーションツールなどと組み合わせることも視野に入れるとよいでしょう。
▼バーチャル展示場
バーチャル展示場は、VRを使用して、展示場に訪れているように住宅を見学できるオンライン形式の展示場です。施主さまには自宅でスマートフォンやパソコンから参加していただけます。人との接触がない点からコロナ禍に注目されましたが、その手軽さから今後も活用される施策のひとつでしょう。住宅展示場に足を運んでもらう必要がなく、遠方の施主さまへのアプローチにも有効的です。集客範囲が広がるため、集客に悩んでいる工務店におすすめです。
一方でシステム導入費用や見せ方・説明方法の検討など、初期コストがかかる点には注意が必要です。
▼顧客管理
顧客管理は、顧客の名前や年齢といった属性のほか、趣味や購買履歴などの情報を一元管理することです。具体的には、顧客管理ツール(CRM)の導入が挙げられます。顧客の情報を一元管理することで、社内共有がスムーズになり社内間のコミュニケーションが活発になります。それにより、情報が伝わっていなかったというトラブルがなくなります。
また、情報を集めるだけでなく、精査を重ね顧客のニーズや購買プロセスを把握すれば顧客と良好な関係性が築けます。興味・関心を引く提案や状況に合わせた効果的なアプローチができるため、生産性や売り上げのアップが期待できるでしょう。
▼施工管理
施工管理は、建設現場の準備段階から完成までを管理することです。これらを一元管理できるのが、施工管理ツールです。建設事業者や工事会社の現場において、図面や作業工程表作成、報告といった施工管理の業務を効率化するためのITツールになります。
自社の現場スタッフはもちろん、協力会社のスタッフも巻き込む必要がありますが、着工後の効率化を課題としている工務店にとって必須のツールといえるでしょう。それぞれの施工管理ツールには特徴がありますので、自社の課題と照らし合わせて検討することが重要です。
着工後のどの部分がボトルネックとなっているかを具体的に洗い出してから、ツールの検討を進めることがDX成功のポイントです。
▼Web集客
インターネットやSNSの普及により、消費者の購買行動、企業とのコミュニケーション手段が多様化しています。特に情報収集の手段はSNSやインターネットが主流となり、工務店でもネット集客が中心となっています。これは、地方工務店でも同様です。
ネット集客にかかる費用は比較的安価です。SNSで事例紹介をしたりホームページでブログ記事を書くことなどすれば、自社の長所や会社・社員の雰囲気を伝えるチャンスにもなります。
▼コミュニケーションツールの導入
コミュニケーションツールは、工務店と現場の職人、あるいは工務店と施主さま間とのコミュニケーションに役立つプラットフォームです。
特におすすめしたいのが、注文住宅を主な業務とする工務店です。住生活需要の多様化や価格高騰化に伴い、注文住宅を選択する施主さまは減少傾向にあり、その中で選ばれる工務店でなくてはいけません。施主さまはこだわりの詰まった理想のマイホームを期待してますが、その裏には不安があります。
そこで重要になってくるのが担当者と施主さまとのコミュニケーションです。より丁寧な対応で不安を解消し、信頼できる工務店であることが選ばれる理由となります。また、工務店と施主さま間の信頼関係が深まれば、将来的にリフォームの依頼やお友達紹介が期待できます。
まとめ
住宅業界・工務店向けにDXの具体的な取り組み事例を6つ紹介いたしました。自社の課題と照らし合わせ、優先順位をつけて進めていってください。
- オンライン商談・打ち合わせの導入
- バーチャル展示場
- 顧客管理
- 施工管理
- Web集客
- コミュニケーションツールの導入
DX検討の一助になることができましたら、幸いです。
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