【工務店向け】年上の部下に対するマネジメントのコツとは?
従業員のマネジメントでは、相手に合わせた柔軟な対応を心がけることも大切です。上司と部下の関係はあくまで役割に関する違いであり、能力や経験、人間力などに必ずしも差があるとは限らないものです。
今回は工務店において、年上の部下をマネジメントするスキルがなぜ重要なのかについて解説します。そのうえで、年上の部下との基本的な関わり方やマネジメントのコツを見ていきましょう。
目次[非表示]
- 1.年上の部下に対するマネジメントスキルが重要な理由
- 1.1.建設業就業者の高年齢化
- 1.2.シニア世代の活躍
- 2.年上の部下との関わり方の基本
- 2.1.威厳を見せようとしない
- 2.2.相手の価値観や重視することを把握する
- 2.3.態度や言葉遣い、注意の仕方に気を配る
- 2.4.仕事に対する熱意を知ってもらう
- 2.5.丁寧に話を聞く
- 3.年上の部下をマネジメントする際のコツ
- 3.1.マイクロマネジメントを避ける
- 3.2.意思決定のプロセスに関わってもらう
- 3.3.知識や経験を生かせる場をつくる
- 4.シニア世代のモチベーション管理のポイント
- 4.1.仕事に関する裁量の付与
- 4.2.定期的な対面のコミュニケーション
- 4.3.上司の自己開示
- 4.4.キャリアデザイン研修
- 4.5.自発的な目標設定
年上の部下に対するマネジメントスキルが重要な理由
工務店において、年上の部下に対するマネジメントスキルは重要性を増しています。その理由として挙げられるのが、建設業全体における従業員の高年齢化です。
建設業就業者の高年齢化
総務省の労働力調査によれば、建設業就業者の年齢層別データは2022年時点で「55歳以上」が「約36%」であるのに対して、「29歳以下」は「約12%」となっています。55歳以上の就業者が4割近くを占めることを踏まえると、マネジメントを行う担当者が30~40代であると仮定すれば、年上の部下を持つ可能性は十分に高いといえるでしょう。
シニア世代の活躍
高年齢化は建設業に限られた話題ではありません。国内全体を見ても、定年の年齢が引き上げられたり再雇用を行うケースが増えていたりと、シニア世代の活用機会が増えています。
また、シニア世代の活用には国も力を入れており、高年齢者の雇用がスムーズに実現されれば助成金を活用することも可能です。たとえば、「令和6年度65歳超雇用推進助成金」という制度では、定年の引き上げや廃止、66歳以上の継続雇用、高年齢者向けの雇用管理制度の整備といった取り組みを行う事業主に対して、一定の条件を満たすことで助成金が支給される仕組みとなっています。
このように、シニア世代の雇用機会が広がるのに伴い、年上の部下をマネジメントするスキルの重要性も高まっていくといえるでしょう。
年上の部下との関わり方の基本
それでは、年上部下をマネジメントするうえではどのようなスタンスを意識すべきなのでしょうか。ここではまず、基本的な関わり方・接し方について解説します。
威厳を見せようとしない
年上の部下とのコミュニケーションでは、無理に上に立とうとしたり、威厳を見せようとしたりしないことが大切です。上司と部下といっても、あくまで役割に関する違いであり、能力や経験、人間力などに必ずしも差があるとは限りません。
強制するような指示をしたり、不必要に厳しい言葉をかけたりすれば、かえって人間関係がこじれてしまうリスクが高まります。年上の部下に対しては、「リーダーとして相手に認めさせる」と肩に力を入れるよりも、「親しみやすい」「力になりたい」と思ってもらえるように誠実な対応を心がけることが重要です。
相手の価値観や重視することを把握する
仕事において、相手が何を大切にしているのかを知っておくことも重要なポイントの一つです。年上の部下は、業務経験の長さによって仕事に対する価値観が確立されている場合も多いです。
どのような考えを持っているのかをきちんと把握することで、相手に合わせた気遣いができるようになり、意思疎通も図りやすくなります。
態度や言葉遣い、注意の仕方に気を配る
職務上はポジションの違いがあっても、相手が年上である場合は、年上の人に対する基本的な礼儀をわきまえることが重要です。普段のコミュニケーションでは、敬語を心がけるのは当然のこととして、日頃の挨拶や返答なども丁寧にしましょう。
また、注意をしなければならないときは、その方法やタイミングにも気を配ることが大切です。
仕事に対する熱意を知ってもらう
仕事に対する熱意を知ってもらうことで、年上の部下とのコミュニケーションが図りやすくなる場合もあります。お互いに年齢差があったとしても、仕事への誇りやこだわりなどを通じて、お互いの共通点が見つかれば打ち解けられる可能性が高まります。
丁寧に話を聞く
年上の相手に限られるわけではありませんが、上司として部下との信頼関係を深めるためには、丁寧に話を聞くことが大切です。特に新たに配属されたメンバーは、慣れない業務への不安や人間関係の悩みを抱えやすいものです。
上司として丁寧に話を聞く姿勢を見せ、相手の立場や悩みに寄り添う姿勢を見せることで、自然と信頼関係の向上が期待できるようになります。
年上の部下をマネジメントする際のコツ
ここからは、コミュニケーションにおける基本からさらに一歩踏み込んで、年上の部下をマネジメントする際の具体的なコツをご紹介します。
マイクロマネジメントを避ける
マイクロマネジメントとは、ささいな点にも目を向ける過干渉なマネジメントのことです。過度なマイクロマネジメントには、「信頼されていない」「やりにくい」「ささいな違いも受け入れてもらえない」といったマイナスの印象を与えるリスクが高くなります。
特に年上の部下には、これまでの業務経験を通じて生まれた誇りや確立されたスタイルがあるため、柔軟なマネジメントスタイルを心がけるほうが有効である場合が多いです。
意思決定のプロセスに関わってもらう
年上の部下の経験や感覚を存分に生かしてもらうには、意思決定のプロセスに参加してもらうことも大切です。ミーティングなどで意見を求めたり、公式発表の前に合意形成を図ったりするなど、こまやかな配慮によって年上の部下にも働きやすいと感じてもらえるようになります。
知識や経験を生かせる場をつくる
業務において、ベテランならではの知識や経験を生かせる場を設けるのも有効な方法です。個性的な経験やスキルを持つメンバーについては、既存の業務を改めて見直し、能力を生かせる機会を探ってみるのもよいでしょう。
会社や組織から必要とされていることがはっきりと伝われば、仕事に対する主体性や貢献意欲が自然と引き出されていきます。
シニア世代のモチベーション管理のポイント
年上の部下を持つのであれば、世代に合わせたモチベーション管理のコツを把握しておくことも重要です。ここでは、シニア世代のモチベーションを管理するうえで、心がけておきたいポイントをご紹介します。
仕事に関する裁量の付与
シニア世代の意欲を引き出すには、ある程度の裁量を付与して、スキルや経験を存分に生かしてもらうことが大切です。通常の業務とは別枠で、シニアのメンバーが強みを発揮できるように、適性に応じた配置転換や社内副業の導入などを検討してみるのもよいでしょう。
定期的な対面のコミュニケーション
シニアの従業員に対しては、オンラインだけでなく対面でのコミュニケーションを重ねることで、関係性が構築しやすくなる面があります。対面による1on1ミーティングなどを定期的に行いながら、丁寧にお互いへの理解を深めていくことが大切です。
上司の自己開示
年上の部下との関わりを強めるには、上司側から積極的に自己開示していくのも肝心です。上司だからといって無理に背伸びをせず、現状をきちんとオープンにすることで、年上の部下にも自然と主体性や責任感が生まれていきます。
その結果、自身の経験を生かした提案や手助けが期待できるようになり、チーム全体としてのまとまりもよくなっていくでしょう。
キャリアデザイン研修
シニア世代の力を引き出すには、キャリアデザイン研修を行って、新たな可能性を目指してもらうのも効果的です。研修を通じてこれまでの経験を棚卸しし、改めて現在の企業や組織に生かせる武器を見直してもらうことで、自然と仕事へのモチベーション向上を促せます。
自発的な目標設定
モチベーション管理の観点から言えば、業務についてできるだけ自発的な目標設定を行ってもらうことが重要です。特に自分より経験が浅い年下の上司からの指示や強制的な目標設定は、どうしても抵抗を感じてしまいやすいものです。
1on1ミーティングやキャリア面談などを通じて、自ら目標設定を行ってもらうほうが、モチベーションは高まりやすくなります。
●関連コラムはこちら
≫ 住宅業界で深刻化する人材不足と人材育成|「人財」確保の対策を紹介
≫ 工務店の営業は“顧客育成”が鍵! 適切なフォローで受注率アップを狙う方法