一般的に、中小の工務店は地域密着型のスタイルをとり、そのエリアに根差した営業を行います。そのため、マーケティングでは不特定多数をターゲットとするよりも、自社の商圏内に絞って施策を打つのが基本的な考え方です。
 
特定商圏内での認知度を高める代表的な手法として「交通広告」があります。今回は、工務店が交通広告を活用するメリットや交通広告の種類、活用時のポイントなどについて見ていきましょう。

交通広告の魅力とは

まずは、交通広告の概要について、基本的な内容や特徴をご紹介します。

交通広告とは

交通広告とは、電車やバスなどの交通機関に広告を掲載する媒体を指します。広告の形式には、看板やステッカーやポスターなどのさまざまなバリエーションがあり、掲載面の大きさや利用料金もさまざまです。
 
多くの利用者に向けて訴求できるため、効率的に認知を広げられるのがメリットです。また、日々の通勤などで何度も目にしてもらうことで、親しみやすさや信頼性を感じてもらいやすくなる効果も期待できます。

交通広告の特徴

交通広告では、エリアを限定したアプローチが行えるのが大きな特徴です。マスメディアのように不特定多数に情報を届けるのではなく、地域からある程度のターゲットを絞り込んでアプローチできるので、どちらかと言えば特定商圏で営業を行う企業との相性に優れています。

交通広告のおもな種類

交通広告にはさまざまな種類があります。ここでは、代表的な交通広告の種類と特徴、料金の目安などをご紹介します。

電車広告

電車広告には、中吊りやドア横のポスター、ステッカー、デジタルサイネージなどの種類があります。比較的に広い範囲を運行する公共交通機関ということもあり、交通広告のなかでは幅広いターゲットにアプローチできるのが特徴です。
 
料金は掲載する路線や場所、期間によっても異なります。安い路線であれば1枚につき1日数百円から掲載することもできますが、路線単位で掲載するなら数万円のコストがかかります。
 
また、利用者数の多い都心部の路線などで大量の広告を掲載するのであれば、トータルコストが数千万円単位になる場合もあります。

バス広告

電車に比べると運行エリアが比較的に狭いため、より地域に密着したアプローチが狙えるのが特徴です。料金は掲載期間や掲載スペース、運行会社などによって異なりますが、電車よりも少額から運用できるケースが多いでしょう。

駅広告

駅構内のスペースに広告を掲載する方法であり、パノラマ広告やポスター広告などの種類があります。利用者数や所在エリアによって料金は大きく違っており、地方の駅であれば月数万円程度からでも広告掲載が可能です。
 
駅の利用者をピンポイントでターゲットにするため、比較的に地域限定的なアプローチが可能である一方、電車やバスに比べるとターゲットとの接触時間は短くなるのがデメリットです。

新幹線広告

新幹線の車内やホームに掲載する広告であり、不特定多数に近い広大なターゲットにアピールできるのが特徴です。認知度の拡大を目的に運用されるほか、多くの予算が必要となるため、企業としての信頼性を向上させる際にも用いられます。

タクシー広告

タクシー車内のディスプレイを用いた動画広告やステッカー広告などの種類があります。プライベートに近い空間で、じっくりと広告に触れてもらえる可能性があるため、丁寧に自社の魅力を訴求できるのがメリットです。
 
また、エリアによって、ビジネスマン中心・高齢者中心のように利用者層の傾向が異なるため、ターゲットを細かく絞り込んだアプローチが行えるのも利点です。

空港広告

空港内の看板やポスター、デジタルサイネージなどを用いた広告です。利用者層としてはビジネスパーソンやファミリー層向けがメインですが、ターゲットの居住エリアを限定にしにくいため、地域密着型の工務店で利用されるケースは稀です。

工務店における交通広告を活用するメリット

工務店にとって、交通広告は相性のよい媒体といえます。ここでは、交通広告を活用するメリットを3つ見ていきましょう。

効率的な広告展開が行える

これまで見てきたように、交通広告はエリアを限定して展開できるのが特徴です。そのため商圏が定まっている企業であれば、不特定多数を対象にするよりも高いコストパフォーマンスが期待できます。

繰り返し訴求できる

公共交通機関は日々の生活のなかで繰り返し利用されるため、広告に触れてもらえる機会も自然と多くなります。同じ広告に何度も接触してもらうことで、ユーザーの心理には「ザイオンス効果」（単純接触効果）が働き、自然と好印象を抱いてもらえる可能性が高まります。
 
自社の存在を好意的に認識してもらえれば、リフォームや家づくりの需要があったときに、依頼先の候補として考えてもらいやすくなるでしょう。

スマホとの相性がよい

交通広告はスマホとの相性がよいことでも知られています。近年では多くの乗客が公共交通機関での移動中にスマホを操作しているため、気になる情報があればその場ですぐに調べてもらえます。
 
訴求力のある交通広告を展開すれば、気になったユーザーがその場で詳しい情報を調べてくれるため、ホームページやSNSなどへの流入につながるケースも多いのです。そのため、オンラインの宣伝に力を入れたい工務店にとっても、交通広告は検討の価値がある手法といえます。

成功に導く交通広告の活用のポイント

最後に、交通広告を活用する際の基本的なポイントをご紹介します。

目的に応じた媒体を選ぶ

交通広告は種類によって得られるメリットが異なるため、目的に応じた媒体を選ぶことが大切です。工務店の場合は、比較的にエリアが限定されやすいバス広告やタクシー広告、駅広告を中心に検討してみるとよいでしょう。
 
広告の費用対効果を高めるためにも、自社の商圏を定めてターゲット層を明確にすることが重要です。

Web情報への導線を設ける

交通広告はホームページやSNSなどのオンラインとの連携を図ることで、より高い効果が期待できます。また、交通広告はそのままでは効果測定が行えないので、二次元バーコードの記載などでWebに誘導してからデータを取得するのがコツです。

Web上のコンテンツを充実させておく

交通広告を出稿する際は、Webコンテンツの内容も充実させておくとよいでしょう。工務店の場合は、広告経由で自社のホームページにアクセスしたユーザーに向けて、記事コンテンツや施工事例などを用意しておくのが王道です。
 
興味を持ってもらえたユーザーを成約につなげるためにも、Webコンテンツを充実させて自社の魅力や強みを知ってもらう仕組みを整えましょう。

●記事のおさらい
最後に、今回の内容をQ&Aで確認しておきましょう。
 
Q：交通広告とは？
A：交通機関に広告を掲載する手法のことであり、広告の形式には、看板やステッカーやポスターなどのさまざまなバリエーションがあります。不特定多数を対象にしたマスメディアと比べて、地域を限定した宣伝・広告が行えるのが特徴です。
 
Q：交通広告の種類は？
A：代表的なものには、電車広告やバス広告、タクシー広告、駅広告、空港広告、新幹線広告などがあります。バス広告やタクシー広告はより地域限定的、空港広告や新幹線広告は非地域限定的といった特徴があります。
 
Q：工務店が交通広告を活用するメリットは？
A：地域に根差した営業を行う企業との相性がよいため、費用対効果の高い宣伝活動が行えます。スマホとの相性がよいため、あらかじめWebコンテンツを充実させておくことでさらに高い効果が期待できます。
 
 
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