【地域密着型の工務店向け】商業施設やショッピングモールで出店するメリットと方法を解説
地域密着で運営する工務店にとって、集客は最大の課題といっても過言ではありません。「広告・宣伝を行ってもなかなか認知が広がらない」という場合は、商業施設やショッピングモールに出店するのも有効な方法です。
今回は工務店が商業施設に出店するメリットや流れ、契約時の確認事項などをご紹介します。
目次[非表示]
- 1.商業施設・ショッピングモールで出店する5つのメリット
- 1.1.施設の集客力を活用できる
- 1.2.天候に客足が左右されにくい
- 1.3.消費意欲の高い客層が足を運ぶ
- 1.4.広告宣伝費を抑えられる
- 1.5.運営に必要な設備・環境が整っている
- 2.商業施設などに出店を行う方法
- 2.1.1.出店を検討している商業施設等の担当者に相談をする
- 2.2.2.空いている区画などの最新情報を尋ね、出店する業態を伝える
- 2.3.3.希望する条件などを伝えて、出店の申し込みを行う
- 2.4.4.契約手続きを行う
- 2.5.5.出店者向けの説明会・打ち合わせに参加する
- 2.6.6.出店準備を整えて、業務開始
- 3.出店するときの6つのチェックポイント
- 3.1.契約形態(定期建物賃貸借契約など)と契約期間
- 3.2.必要になる費用(敷金や保証金)
- 3.3.中途解約時のペナルティ
- 3.4.契約解除に関する事項(賃料の滞納など)
- 3.5.退去時の原状回復
- 3.6.その他の特約
- 4.出店を決める前に把握しておきたい3つの注意点
- 4.1.内装工事には許可が必要
- 4.2.商業施設の客層を意識する
- 4.3.費用の見積もりを正確に行う
商業施設・ショッピングモールで出店する5つのメリット
優良な見込み客やファミリー層を集客したいといった場合、商業施設やショッピングモールに出店するのも有力な方法といえます。ここではまず、地域密着型の工務店が商業施設に出店するメリットを5つに分けて見ていきましょう。
施設の集客力を活用できる
商業施設やショッピングモールは地域での認知度が高く、施設そのものに大きな集客力があるのが強みです。地域密着型工務店の弱点になりやすい認知度不足も、商業施設の集客力を活用すればカバーすることができるため、効率的な集客につながります。
天候に客足が左右されにくい
商業施設やショッピングモールのブースは屋内であるため、天候に客足が左右されにくく、安定した集客を計算しやすいのも魅力です。忙しい子育て世帯も、休日は商業施設でショッピングをするというケースが多く、集客力の高さを享受できるのは大きなメリットです。
消費意欲の高い客層が足を運ぶ
商業施設には、比較的に消費意欲の高い客層が訪れるのも特徴です。買い物だけでなく食事や習い事などで訪れる方も多いため、独立店舗と比べると消費や購買の意欲が高い客層を呼び込みやすいのがメリットといえます。
広告宣伝費を抑えられる
商業施設は多くの人が集まる場所なので、集客のための広告宣伝費は大幅に抑えられます。たとえば、地域密着型の工務店にとって代表的な集客手法であるチラシは、作成・印刷・ポスティングの3工程に費用がかかります。
商業施設への出店であれば、呼び込みに必要な費用を浮かせられるため、リソースを有効活用できる余地が広がるでしょう。ただし、出店費用がかかる点も含めて、トータルコストを考える必要があります。
運営に必要な設備・環境が整っている
基本的な設備や環境が高いレベルで整っているのも、商業施設を活用する大きな魅力です。「セキュリティ面が安心」「清掃が行き届いている」「授乳室や子ども用トイレが完備されている」「食事ができる場所がある」「適度に休憩できるスペースがある」など、独立店舗ではなかなか実現が難しい条件もすべてそろっています。
そのため、出店者側は自社のサービス・商談に専念することが可能です。
商業施設やショッピングセンターの客層、エリアなどもよく検討したい
商業施設などに出店を行う方法
ここでは、工務店が商業施設などへ実際に出店を行う方法を6つの手順に分けてご紹介します。
1.出店を検討している商業施設等の担当者に相談をする
まずは、自社の商圏内で相性がよい商業施設を探し、担当者に相談をします。ホームページや電話を窓口にしているケースが多いので、公式サイトを調べてみるとよいでしょう。
2.空いている区画などの最新情報を尋ね、出店する業態を伝える
担当者と連絡がとれたら、空いている区画や日程などの情報を確認してもらいます。このとき、出店者側は内容や目的などの業態を伝える必要があります。
施設ごとに申し込み規約や広告用データの入稿規定などが設けられている場合もあるので、事前にチェックしておくとよいでしょう。
3.希望する条件などを伝えて、出店の申し込みを行う
基本的には、問合せから数日~10日程度で空き状況の確認が済み、担当者から連絡をしてもらえます。希望する区画が空いていれば、自社の希望条件を伝えて、出店の申し込みを行いましょう。
4.契約手続きを行う
出店者の申し込み内容を踏まえ、施設側は改めてテナント方針を決めます。担当者はその内容を含めた契約書を用意し、出店者に詳しく説明してくれるので、確認のうえで契約手続きを進めましょう。
5.出店者向けの説明会・打ち合わせに参加する
契約を締結したら、出店者を対象とした説明会や打ち合わせに参加し、運営のルールや注意事項などを確認します。出店までの具体的なスケジュールや内装設計の注意点といった重要な内容を確認しておきましょう。
6.出店準備を整えて、業務開始
出店までには、必要に応じて「内装工事・各種検査」「資材の手配・搬入」「従業員の手配」などの準備を進めます。すべての準備が整ったら、事前に定めたスケジュールに沿って業務をスタートします。
出店するときの6つのチェックポイント
出店の申し込みや契約手続きを進める際には、以下の6つの点を確認しておく必要があります。
■チェックポイント
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契約形態(定期建物賃貸借契約など)と契約期間
商業施設やショッピングモールでテナントを借りる場合、契約方法は「定期建物賃貸借契約」となります。通常の賃貸借契約とは仕組みが異なる部分もあるので、事前に契約形態の特徴も調べておきましょう。
期間が満了すれば契約が終了するため、延長をしたい場合は施設との合意のもと、改めて契約を結び直す必要があります。
必要になる費用(敷金や保証金)
出店をするために必要な費用は、基本的に事前入金となります。どのような費用が発生するのかを金額と名目のそれぞれについて把握しておきましょう。
中途解約時のペナルティ
万が一、中途解約をする場合に備えて、細かな条件やペナルティも確認しておく必要があります。
契約解除に関する事項(賃料の滞納など)
契約にあたり、禁止されている事項を細かくチェックしておくことも大切です。特に、賃料の滞納や苦情の発生といった契約解除に該当するような事項は、トラブルを防ぐためにも的確に把握しておきましょう。
退去時の原状回復
出店後の退去時には「原状回復」を行わなければなりません。工事や備品の取り付けなどで施設を傷つけてしまった場合などを想定し、どこまでの範囲が原状回復の対象に含まれるのかをきちんと確認しましょう。
その他の特約
最後に、出店に関する細かな特約を確認しましょう。施設ごとに定められたルールや工事に関する取り決め、スペースの使い方などをチェックし、不明点があれば遠慮せずに質問することが大切です。
出店の際には主な6つのポイントを確認しておきましょう
出店を決める前に把握しておきたい3つの注意点
初めて商業施設等に出店をするときは、いくつか気をつけておきたいポイントがあります。出店前に把握すべき注意点を3つに分けて見ていきましょう。
内装工事には許可が必要
出店にあたって内装工事を行うときは、原則として内装計画を施設側に提出し、基準に適合しているという許可を得たうえで工事を行わなければなりません。また、電気や設備工事については、施設の指定業者に依頼しなければならないなどの決まりがあるので、計画を立てる際の注意点としておさえておきましょう。
商業施設の客層を意識する
施策を自社の集客につなげるためには、商業施設の客層とのマッチ度を検証することも重要です。たとえば、ターミナル駅周辺の商業施設などでは、地元以外の買い物客も多く集まるため、必ずしも地域密着型工務店の客層と重なるとは限りません。
出店の効果を高めるためにも、候補となる商業施設の集客傾向は事前にリサーチし、自社との相性を丁寧に見極めましょう。
費用の見積もりを正確に行う
出店計画を立てるうえでは、費用の見積もりも細かく行うことが重要です。テナント契約を結ぶ場合は、「家賃」「保証金(家賃の5~10ヶ月程度)」「礼金(家賃の1~2ヶ月程度」「管理費」「仲介手数料」「保険料」などが発生します。
また、施設内のスペースにブースを出店する場合は、1日単位で費用が設定されているケースが多いです。参考までに、大手ショッピングモールのブースレンタル費用をご紹介すると、広さ99平米以下の小さめのイベントスペースを土日祝日の1日単位で借りる場合、料金は「15万円」に設定されています。
基本的にはスペースの広さに応じて料金が変わるため、必要最小限の面積を割り出しておくことも費用を抑えるうえでは重要です。
商業施設への出店は、メリットと費用や、必要な人的リソースなどをふまえて検討したいものです
●記事のおさらい
最後に、今回の内容をQ&Aで確認しておきましょう。
Q:商業施設・ショッピングモールに工務店が出店するメリットは?
A:高い集客力を活用できる点や、天候に客足を左右されない点がメリットです。また、運営に必要な設備や環境が整えられているため、すぐに出店できるのも魅力です。
Q:商業施設と 出店契約を結ぶ際のチェックポイントは?
A:契約形態、必要な費用、中途解約、原状回復のルールなどを細かく確認しておく必要があります。また、内装工事を行う場合は、施設ごとのルールや指定業者も含めて確認しておきましょう。
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