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<新着>生成AIで変革する住宅業界! 集客から営業や設計、施工までの最新活用法

生成AIで変革する住宅業界! 集客から営業や設計、施工までの最新活用法

AIが作った文章や画像を目にしない日はない、とまで言えるような時代になってきました。

生成AIはさまざまな業界で急速に導入が進んでいますが、住宅業界も例外ではありません。営業の際の顧客対応や費用の見積もり、パースの作成、設計、施工管理など、業務の各工程に応じて多種多様な生成AIツールが開発、利用されるようになっています。

あなたの業務はどれだけAI化されているでしょうか。

この記事では、住宅業界における生成AIツールの最新の活用事例と、導入における注意点を解説します。

目次[非表示]

  1. 1.生成AIで変革しつつある住宅業界
  2. 2.集客・営業領域における生成AIの活用
  3. 3.設計や施工におけるAIの活用
  4. 4.今後の展望と導入時のポイント
  5. 5.執筆者
    1. 5.1.杉山 啓(IMASSA認定マーケティング実務士、行政書士、統計調査士)

生成AIで変革しつつある住宅業界

代表的な生成AIであるChatGPTが公開されたのは2022年ですが、それ以来さまざまな業界で急速に生成AIの導入が進んできました。

住宅業界もその例に漏れず、多種多様な生成AIツールが開発、利用されるようになってきています。特に2024年は多くの事業者が業務へのAI導入に着手したとされ、業界メディアの新建ハウジングは「AI活用元年」と評しています。

(出典:新建ハウジング『住宅業界のAI活用元年 工務店では活用格差もあり…』)

そもそも生成AIとは、文章や画像などさまざまなコンテンツを生成できるAIのことを指します。使用者にプログラミングやデザイン等の特別な知識がなくても、人と会話するように直感的な指示を出せば、それに応じて求めるコンテンツを素早く出力してくれる非常に便利なツールです。

少子高齢化の深刻化に伴う人材不足、国を挙げたDX推進や「働き方改革」の流れを背景に、住宅業界における生成AIツールの活用は、足りない人手や従業員の経験を補う画期的な解決策として期待されています。

新建ハウジングを運営する新建新聞社ほか9社が合同で行った調査報告によれば、住宅関連業に従事するアンケート回答者420名のうち約3割は業務に生成AIを活用していると答えており、現場レベルでもかなり導入が進んでいることがうかがえます。

(出典:プレスリリース 株式会社スペースリー『【住宅業界のDX推進調査2025】「DXに取り組む/取り組む予定」が74%で過去最高! DXで「人手不足の解消に貢献」は54%、業務での「生成AI活用/活用予定」は51%』)

集客・営業領域における生成AIの活用

具体的には生成AIはどのような業務に活用されているのでしょうか。
住宅業界に限らず、顧客対応にAIを活用する企業は数多く見られます。

たとえばウェブサイトからの問合せや住宅展示場への来場予約をAIチャットボットに対応させることで、集客にかかる労力を減らすことができます。追客のメール文章も、生成AIに素案を作らせたうえで手直しするようにすれば、担当者が一から考えるよりも短い時間で作成できます。

物件の紹介文や広告のキャッチコピーをAIに作らせることも、よく行われているようです。

(出典:プレスリリース 株式会社スペースリー『【住宅業界のDX推進調査2025】「DXに取り組む/取り組む予定」が74%で過去最高!DXで「人手不足の解消に貢献」は54%、業務での「生成AI活用/活用予定」は51%』)

AIによる画像生成も、住宅業界で大活躍する技術です。

商談をより円滑に進めるためのツールとして、建築パースをAIで生成するツールが多数実用化されています。従来は担当者が手間暇かけて作っていたパースを短時間で作れることで、一度に複数パターンのパースを用意して商談に臨んだり、顧客からの要望に応じてパースを繰り返し微調整したりすることも手軽に行えるようになります。

これによって成約の確度が高まるだけでなく、着工前の期待と実際の仕上がりのずれを防いで顧客満足度を高めることにもつながるでしょう。

図面から工事の概算費用の見積もりや必要となる建材の拾い出しを自動で行うAIツールも実用化されてきています。顧客の要望に応じて設計案を調整する際に費用や工期の想定も素早く提示することができるようになり、商談が円滑に進むとともに、顧客からの信頼を得やすくもなるでしょう。

設計や施工におけるAIの活用

パースの作成にとどまらず、設計自体の自動化も取り組みが進められています。
過去の設計事例や法規制を学習させたAIが間取り図や設計図を出力するというもので、普及が進めば設計図面もAIによる素案を手直しするだけで済むようになりそうです。

大手の建設会社では、既に設計や施工のさまざまな場面でAIの活用が進んでいます。設計の変更が建物のエネルギー効率や建設費用、工期に与える影響を自動的に算出するツールや、施工現場を撮影した画像から危険を予測するツール、進捗状況や天候を踏まえて最適な作業計画を作成するツールなどが実用化されており、今後は中小規模の事業者でも利用できる汎用ツールも増えていくことでしょう。

住宅業界に特化して開発されたものだけでなく、ChatGPTやGeminiのように汎用的な生成AIツールにも、設計や施工の業務へ役立てる方法はあります。プロンプト(指示文)をうまく工夫する必要はあるのですが、たとえば設計の図面や許認可手続きの書面を対象に、エアコン等の設備が諸条件に合っているか、施工方法の記述が法規制にかなっているか、といった細かい確認をAIに行わせている実践例があるようです。

今後の展望と導入時のポイント

住宅業界への生成AIの導入が進むとともに、各社で「活用格差」も生まれつつあります。AI導入の設備投資やAIを活用できるようにする社内教育への投資が、会社の中長期の競争力に直結するといえるでしょう。各社がまだ取り組みを始めたばかりの「今」からの備えが不可欠です。

業務へのAI導入を進めていく過程では、十分なAIリテラシーを備え、法規制にも正しく対応できるようにすることにも注意を要します。特に文章や図面の生成においては、一見正しそうでも完璧に正しいとは限らないため、人の目による最終確認を怠ってはなりません。

顧客情報流出のリスクも高まります。たとえばクラウドサーバー上で提供されるAIツールを使う際には、アップロードする図面等のファイルに不要な個人情報等が含まれないよう注意しましょう。

先行事例に学び、現場の実態に即して業務フローを再構築することがAI導入成功のカギとなります。すなわち、生成AIの利用を前提としたDXです。
唐突な変更は社内に混乱を生むため、関係する担当者の間で密に連携しながら、まずは特定の業務に絞ってAIの活用を進めるとよいでしょう。

●記事のおさらい
最後に、今回の内容をQ&Aで確認しておきましょう。

Q:住宅業界でも生成AIは使われている?
A:
住宅業界でも多種多様な生成AIツールが開発、利用されるようになってきています。住宅関連業に従事するアンケート回答者420名のうち約3割が業務に生成AIを活用していると答えた調査報告もあり、現場レベルでの導入が進んでいます。

Q:具体的にはどんな業務に生成AIが使えるの?
A:
集客・営業領域での文章や画像作成に加えて、設計や施工管理のAI化も進められています。建築パースを生成するAIツールは多数実用化されており、大手企業が利用しているAI技術も今後汎用化されていくでしょう。

Q:AI導入を成功させるためのポイントは?
A:
各社がまだ取り組みを始めたばかりの「今」からの備えが、会社の中長期の競争力を左右します。AIリテラシーや法規制対応の社内教育にも注意しつつ、生成AIの利用を前提としたDXを進めていきましょう。

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執筆者

杉山 啓(IMASSA認定マーケティング実務士、行政書士、統計調査士)

インターネット行動履歴データに基づくマーケティング支援を行うベンチャー企業に勤めていた際に、住宅、情報通信、出版、化粧品など多岐にわたる業界の大手企業を対象とするコンサルティングや法人営業に従事した。

2018年にマーケティング・ビジネス実務検定A級(IMASSA認定マーケティング実務士)、統計調査士、統計検定2級に合格。Uターン後は愛媛県内の道の駅でEC運営を担当し、月間のサイト訪問者数を前年比約2倍、売上を前年比約1.3倍に増やした経験ももつほか、非営利で哲学対話・哲学カフェのワークショップも継続的に主宰している。2024年に行政書士に登録し、企業間の契約書類作成等の法律業務も担う。

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編集部
編集部
工務店・ビルダー、新築一戸建て販売会社様を支援すべく、住宅営業のノウハウや人材採用、住宅トレンドなど、様々なジャンルの情報を発信してまいります。

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