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第10回【工務店のカタログ・パンフレット】見てもらえる!手に取りたくなる!いろいろなカタチと組み合わせのアイデア

工務店のカタログ・パンフレット制作において、一番たいせつなのは内容。それはこれまでのコラムで述べてきましたので、今回は、カタログ・パンフレットのいろいろなカタチを紹介しながら、それらを組み合わせるアイデアを紹介したいと思います。

なお、今回掲載しているカタログ・パンフレットの画像は実際に弊社で制作したものです。転載は禁止ですので、その旨ご理解をお願いいたします。

目次[非表示]

  1. 1.【カタチ】縦型と横型
  2. 2.【カタチ】右開きと左開き
  3. 3.【カタチ】折りパンフレット
  4. 4.【カタチ】小冊子
  5. 5.【カタチ】ポケットフォルダー
  6. 6.【組み合わせ】同サイズ・同デザインで統一感を持たせる
  7. 7.【組み合わせ】サイズとデザインを変えて楽しげな雰囲気に
  8. 8.【組み合わせ】盛りだくさんの内容でプレゼント感を演出
  9. 9.【組み合わせ】せっかくだから封筒も統一感のあるものに
  10. 10.さらにひと工夫を加えて、個性を出してみる

【カタチ】縦型と横型

カタログ・パンフレットのカタチで最も多いのがA4サイズ。一般的に馴染みのあるサイズ感ですね。ではそのA4サイズを、縦で使うか横で使うかは何を基準に決めたらいいでしょうか。ヒントはどんな施工事例写真が多いか、という点。

横写真が多い場合は横型がおすすめです。横型なら、横写真を1ページいっぱいにどーんと掲載することができます。同じ理由から、吹抜けを見せるなど縦写真が多い場合は、縦型にするとインパクトのあるレイアウトができます。

縦横どちらの写真をアイキャッチにしたいか、で縦型と横型のどちらにするかを決めるのが、一つの基準といえるでしょう。

【カタチ】右開きと左開き

カタログ・パンフレットの開き方は、文章を縦書きにするか横書きにするかで決めるのが基本です。

では、文章を縦書きにするか横書きにするかは何を基準に決めたらいいでしょうか。それは想定している文章の内容と量で決めます。記事風の文章で量が多い場合は縦書きが読みやすくておすすめです。縦書きの場合の開き方は右へページをめくってゆく右開き(右綴じ)とします。多くの雑誌がこのカタチですね。

一方、写真や図版がメインで文章は説明的なもの程度の場合は横書きにし、開き方は左へページをめくってゆく左開き(左綴じ)とします。

例えば、施工事例集をつくるとして、雑誌のように記事風にストーリーで紹介する場合は縦書きの右開きで。写真を大きくメインに扱って印象的なキャッチコピーと写真と説明文をいれるくらいなら、横書きの左開きで、など。どちらがいい悪いではなく、機能的な面を考えて決めるといいでしょう。

【カタチ】折りパンフレット

A3の二つ折りなど、折り加工のカタログ・パンフレットは、開いた時の見え方を意識して情報整理するのが基本です。また、折り加工には巻き三つ折りや巻き四つ折りなどもあり、それによって開ける箇所が増えます。

一回開いた時に見える情報、2回目に開いた状態(全て開いた状態)で見える情報、という二段階のプロセスを意識するといいと思います。折りパンフレットは一覧性がポイントとなりますので、一覧したほうが見やすい情報かどうか、という視点でカタチを選ぶといいでしょう。

例えば、性能や標準仕様を細かく掲載したい場合なら、巻き四つ折りを採用し一回目に開いた時は施工事例が、二回目に開いて全開にした状態では性能と標準仕様がズラッと一覧できるようにすると効果的です。

【カタチ】小冊子

相談会や完成見学会、セミナーなど、各種イベントに来て下さったお施主様にお持ち帰りいただく資料なら、サイズを小さくした小冊子にするのもいいかもしれません。小さければバッグに入りますので、お持ち帰り用の紙袋などを用意しなくても済みますし、お施主様のほうも手軽です。

また複数社での合同イベントで平置きにする時も有効です。合同イベントでは各社のカタログ・パンフレットが並ぶかと思いますが、やはり小さいので軽くてバッグに入れやすい。お施主様によっては帰りに買い物などどこかに寄るかもしれませんので、荷物が増えないのは助かります。

【カタチ】ポケットフォルダー

ポケットフォルダーなら、お施主様の希望に合わせた資料のみを選んで入れることができます。

例えば、施工事例の紹介を一枚ペラで複数つくっておいて、ガレージハウスがご希望のお施主様にはガレージハウスの施工事例のみを選んで入れたり、広い空間がご希望のお施主様には広々としたLDKがメインの施工事例のみを選んで入れたりするなどですね。

また、季節のチラシやお知らせを同封するなど、入れるものをその都度カスタマイズできるのが魅力です。会社概要やスタッフ紹介も一枚ペラでつくっておけば、更新があったときはそのペラだけを修正して刷りなおせばいいので、更新コストが抑えられるメリットもあります。

その後、家づくりの相談に進んだら、資料を入れるフォルダーにもなるなど、広い用途で活用できます。

【組み合わせ】同サイズ・同デザインで統一感を持たせる

施工事例集と会社案内を分けてつくる際、サイズとデザインに統一感を持たせると、テイストがストレートに伝わります。同じレイアウトにしつつも写真に変化を持たせたり、コーポレートカラーを活用して色違いの表紙にしてみたり。

この場合は似たビジュアルになるので、タイトルは見やすくわかりやすく、どちらが施工事例集でどちらが会社案内なのかがパッと見てわかるタイトルにするといいでしょう。

【組み合わせ】サイズとデザインを変えて楽しげな雰囲気に

施工事例集と会社案内をあえて違うサイズにし、見た目のデザインも変えて違う冊子に見せると、遊び心やかわいさ、楽しさが感じられる印象になります。

将来的に施工事例集の続編を計画している場合などにもおすすめ。会社のベーシックな情報を掲載した会社案内はそのまま継続して使用し、施工事例集のみを最新版に更新していくという運用です。

【組み合わせ】盛りだくさんの内容でプレゼント感を演出

これまで紹介した方法をさらに組み合わせてみると、資料請求のカタログ・パンフレットの枠を超えた、プレゼント版カタログ・パンフレットセットができます。まずはポケットフォルダーを用意して、その中に例えば以下のようなものを入れて、盛りだくさんの内容に見せます。

  • サイズとデザインが違う施工事例集と会社案内
  • スタッフ紹介のペラ
  • イベント情報のペラ
  • 季節のチラシ
  • お施主様の要望にぴったりのイチオシ施工事例写真
  • おまけ

 
送る側の工務店さまはたいへんなのですが、もらったお施主様はびっくりすること請け合い。印象に残ること間違いなしです。最後の「おまけ」はなんでもいいのですが、写真では三色のしおりを入れています。

ちょっとしたものですが、これがあるおかげでプレゼント感が増すという仕掛けです。色味も効果的でたくさん詰まった資料全体にやさしいエッセンスを与えています。

【組み合わせ】せっかくだから封筒も統一感のあるものに

ここまできたら、封筒もこだわってみませんか。特別なものでなくてもいいとは思いますが、普段業務で使っている封筒ではなく、資料請求用につくってはいかがでしょうか。

まだ見ぬお施主様に届けるものですから、ビジネスライクなものだと少し印象が硬いかもしれません。ちょっといい紙を使ってみたり、色にこだわってみたりするなど、ほんの少しの工夫でお施主様に与える印象が変わってきます。

また、施工事例集や会社案内そのものの表紙デザインにこだわったのなら、それを見せるためにあえて透明な封筒にするのも、アリだと思います。

さらにひと工夫を加えて、個性を出してみる

最後に、デザインやカタチに凝ってみて、個性を出すアイデアを少し紹介します。ちょっとした工夫でも他社と少し違う、という点があるとそれだけでも印象に残ります。それがお施主様の好みのポイントだったら好感度アップ間違いなしですし、特別好みではなくても、工務店のディテールへのこだわりが感じられます。ヒアリングや施工も細かいところまで気を使ってくれそうだな、と思ってくれるかもしれません。

< ひと工夫の例 >

・一般的な紙を質感豊かに見せる

 質感のある紙を使うとナチュラル感や高級感などさまざまな印象を持たせることができますが、紙のコストが上がるのが悩ましいところ。そこで、紙自体は一般的なものを使いつつ、背景にテクスチャ画像を印刷して質感のある紙に見せるという方法があります。

これならコストはそのままに見た目の印象を変えることができます。この場合の紙は、ツヤを抑えたマット系の紙がおすすめです。


・凹凸のある紙+プチ箔押しでワンポイント

細かな凹凸のある紙で全体の印象をやわらかくしつつ、ロゴマークなどワンポイントにツヤ加工をした箔押しをすると、その部分だけ少しキラッとして引き締まった印象をプラスすることができます。この場合、しっかりとツヤを出す箔押し加工のほか、重ね印刷で少しやさしいツヤ感にすることもできます。


・中綴じのホチキスは隠れキャラ

中綴じのホチキスは一般的には銀色かと思いますが、他の色や素材を選ぶことができます。例えば真鍮のホチキスにすれば、レトロで使い込まれた印象がちょっとだけ加わりますね。少しざらついた紙やクラフト系の紙と相性がよく、全体のトーンが整います。ホチキスに気づかれる方は少ないかもしれませんが、気づいた時にはグッとくる隠れキャラといえます。


・チラシやペラ物を紙でラッピング

資料請求のカタログ・パンフレットに季節のチラシを同封することもあるかと思います。また、イベント情報などのペラ物を同封することもあるでしょう。その時、チラシやペラ物を包む「紙」を用意してはいかがでしょうか。

チラシやイベント情報などは直接反響を求めるものですからデザインもインパクト重視。したがって施工事例集や会社案内と並べた時に統一感が損なわれるかもしれませんよね。そこで、A3サイズの紙を二つ折りにして、その間にチラシなどを挟むわけです。これならぱっと見、統一感のある資料セットになりますし、なんだかとっても丁寧な印象に。

ちょっといい紙を使っても紙だけですから低コスト。せっかくですので、色や質感にもこだわったりして。小さく会社ロゴをプリンターで印刷するなど、ワンポイントを入れてもお洒落ですよね。


・洋書セットのような超こだわり満載セット

​​​​​​​カタログ・パンフレットは本当に様々なカタチができます。写真のケースでは、洋書の写真集をイメージして、紙・写真・デザイン・ボリューム・セットケースにまで徹底的にこだわった例です。

美術書にも使われる高級マット紙に施工事例の写真を大胆にレイアウトし、必要最小限の文字情報でミニマルにデザイン。表紙は冊子タイトルの頭文字をモチーフにしたロゴタイプ。ページ数が多いため無線綴じとし、背表紙の見え方まで計算して製本。

最後に3冊セットを格納するブックケースもオリジナル設計し、表紙にはコーポレートロゴタイプを鮮やかに浮き立たせています。まさに洋書風のこだわり満載カタログ・パンフレットセットです。

このように、アイデア次第でいろいろなカタチができるのは、紙媒体であるカタログ・パンフレットの大きな魅力といえるのではないでしょうか。

さて、というわけで、今回のタイトルは、
【工務店のカタログ・パンフレット】いろいろなカタチと組み合わせのアイデア
でした。

現場で感じてきたことをベースに考察してきましたが、少しでも工務店のみなさまのお役に立てば幸いでございます。

それではまた次回、お会いしましょう。

≫ 【工務店向け】カタログ・パンフレットのデザイン・編集

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株式会社アドクロ 鶴田 二郎
株式会社アドクロ 鶴田 二郎
工務店とリフォーム会社に特化して活動するクリエイティブディレクター。カタログ・パンフレットをはじめ、雑誌の記事や純広など、広報・広告ツール制作の全工程に携わる。“GENBA-NIN”(※)を自称し、現場目線をたいせつにしたものづくりにこだわる。※GENBA-NIN は株式会社アドクロによる造語です

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