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建設業界に向いている人とは?仕事内容と必要なスキル・資格

建設業界に向いている人とは?仕事内容と必要なスキル・資格

建設業界はさまざまな企業や職種が属する、規模の大きな業界です。建設業界での就職を考えるうえでは、業界全体の特徴を捉えるとともに、具体的な仕事の種類もチェックしておくことが大切です。

この記事では、建設業界の特徴や動向、主な仕事内容について解説します。そのうえで、どのような人が向いているのか、求められる適性やスキル、資格などを詳しく見ていきましょう。

目次[非表示]

  1. 1.建設業界の特徴
    1. 1.1.建設業界の代表的な業種
    2. 1.2.建築業界の動向
  2. 2.建設業界の仕事内容
    1. 2.1.施工管理
    2. 2.2.工事現場
    3. 2.3.設計
    4. 2.4.技術系
    5. 2.5.営業
    6. 2.6.事務管理
  3. 3.<職種別>必要なスキル
    1. 3.1.施工管理に求められるスキル
    2. 3.2.職人に求められるスキル
    3. 3.3.設計に求められるスキル
    4. 3.4.技術系に求められるスキル
    5. 3.5.営業に求められるスキル
    6. 3.6.事務管理に求められるスキル
  4. 4.建設業界に向いている人
    1. 4.1.緻密で効率的な計画作成ができる
    2. 4.2.数字に強く計算能力が高い
    3. 4.3.慎重で危機管理能力が高い
    4. 4.4.コミュニケーション能力に優れる
    5. 4.5.体力に自信がある
  5. 5.建設業界で働くうえで役立つ資格
    1. 5.1.建築士
    2. 5.2.施工管理技士
    3. 5.3.技術士
    4. 5.4.電気工事士
    5. 5.5.とび技能士

建設業界の特徴

建設業界とは、建物の建設、土地や水路の土木・インフラ工事といったあらゆる施工を請け負う業界のことです。一口に建物の建設といっても、一戸建て住宅からマンション、大規模な商業ビルや公共施設まで幅広い対象が存在します。

まずは建設業界の業種や動向を通じて、主な特徴を確認しておきましょう。

建設業界の代表的な業種

建設業界の業種を大別すると、建築や土木事業を総合的に扱うゼネコン、ゼネコンの補完的な役割を担うサブコン、主に一戸建て住宅を扱うハウスメーカーの3種類に分けることができます。また、構造物の種類で分けると、鉄道や道路・ダムなどのインフラを手掛ける土木分野、住宅やビルを扱う建築分野に分類することも可能です。

いずれの業種においても、基本的にはお客さまからの注文を受けて建築を行う「受注生産方式」で行われます。ただし、建売住宅の場合は、あらかじめ需要を予測して生産する「見込生産方式」をとるケースも多いです。

建築業界の動向

建築業界の需要を民間工事と公共工事の2つに分けて考えると、全体としては比較的に安定しているといえます。一方で、建設技能者の高齢化が進んでおり、若い人材の不足や技術継承の難しさが大きな課題です。

また、DXの推進による業務効率化や新たなサービスの確立も、業界全体にわたる重要なテーマとなっており、ロボットやAIといった最先端のテクノロジーに関心が集まっています。

建設業界の仕事内容

建設業界の代表的な仕事には、次のようなものが挙げられます。それぞれの仕事内容について見ていきましょう。

■建設業界の主な仕事

  • 施工管理
  • 工事現場
  • 設計
  • 技術系
  • 営業
  • 事務管理

施工管理

工事全体のスケジュール管理や品質、安全性などを指導・監督する仕事です。お客さまや現場の職人はもちろん、事務担当者や外部の関係者ともコミュニケーションを図りながら、クオリティ・コスト・納期の3つを着実に守るのが主な役割です。

工事現場

現場で実際に工事を行う仕事であり、スキルや資格に応じて大工や配管工のように、役割が細分化されます。小規模な現場から、多くの区画エリアで構成される大規模な工事までさまざまです。

設計

お客さまの要望に応じて、建物のデザイン設計・提案をしたり、企画の立案を行ったりする仕事です。基本的な役割は意匠設計・構造設計・設備設計の3つに分けられ、デザイナーとしての視点だけでなく、構造や設備も含めた幅広い知見が求められます。

技術系

新たな建築・設計技術を開発したり、企画に合わせて最適な工法を選定したりする仕事です。デジタル技術の活用は、建設業界全体として主要なテーマとなっており、AIなどの先進的な技術の活用・応用に期待が集まっています。

営業

工事の発注を希望するお客さまにヒアリングを行い、自社の技術やプランを提案しながら受注を獲得するのが主な役割です。営業が担う業務範囲は会社ごとに異なり、プロジェクトの構想や予算の管理といった幅広い仕事を任されるケースもあります。

事務管理

本社で幅広い事務を担当する職種であり、財務・経理、総務、人事、法務などに細分化されます。営業と同じく、企業の規模によっても担当する業務の幅が大きく異なるのが特徴です。

<職種別>必要なスキル

前述のように、建設業界にはさまざまな仕事があり、それぞれ求められる適性も異なります。ここでは、職種別に必要とされるスキル・適性を見ていきましょう。

施工管理に求められるスキル

施工管理では、工事全体を取りまとめるための「リーダーシップ能力」が重要となります。現場の職人をまとめながら外部とやりとりをしたり、スケジュールを順守したりする必要があることから、「広い視野」と「マネジメント力」「コミュニケーション能力」も求められるでしょう。

また、建築工事では天候不順などによる外的要因の影響を受けやすいため、「トラブル対応力」も必要です。

職人に求められるスキル

現場で働く職人には、「技術力」が求められます。一定の工事経験や技術レベルを証明する資格などを保有しておくと、新たな仕事を任せてもらえる可能性が高くなるでしょう。

また、基本的にはチームで一つの現場に携わるため、やはり一定以上の「コミュニケーション能力」は必要となります。

設計に求められるスキル

設計の仕事においては、「設計・設備の基礎知識と技術」「デザイン力」が基本のスキルとなります。そのうえで、内部設計を行うケースを想定して「インテリアに関する知識」も備えておく必要があります。

技術系に求められるスキル

技術系の仕事では、「機械工学やAIに関する知識・研究経験」とともに、具体的なアイデアを生み出すために「建築に関する知識」も身につけておかなければなりません。また、合理的に開発を進める「計画力」と「実行力」、最先端の情報を集める「知的好奇心」「情報収集能力」も重要です。

営業に求められるスキル

営業担当者はさまざまなお客さまと商談を進めるため、「ハイレベルなコミュニケーション能力」が必須となります。技術系や設計ほど深い専門知識は求められませんが、自社のサービスを売り込むうえで「建築や業界に関する基礎知識」は身につけておく必要があります。

事務管理に求められるスキル

事務管理においては、着実に業務を進められる「業務遂行力」や、細かい作業を苦にしない「集中力」が求められます。また、経理や法務の仕事をするうえでは、それぞれの「分野に応じた知識や資格」が必要となります。

建設業界に向いている人

建設業界に向いているのはどのような人なのか、主な適性についてまとめてみましょう。

緻密で効率的な計画作成ができる

施工管理や設計などの分野で求められるのは、高い計画作成能力です。工事は作業計画に基づいて進められるため、プランのクオリティによって全体の効率にも大きな影響が生まれてしまいます。
また、各案件は期限や予算に制約があるため、限られた条件下で効率的な計画を立てられる頭脳が求められます。

数字に強く計算能力が高い

設計業務では建物の強度計算や面積計算、エネルギー効率のよい設備配置のシミュレーションなど、さまざまな計算が必須です。また、施工管理や経理でも、数字を扱う業務は数多くあります。
そのため、数字に強く、高い計算能力を持っている人が向いているといえます。

慎重で危機管理能力が高い

建築現場の仕事は、高所作業や重量のある資材の運搬、炎天下での作業などのように危険が伴う業務が少なくありません。実際に働く職人や、監督する立場である施工管理者には、高度な危機管理能力が必要です。

そのため、「慎重で細かな違和感に気がつく」「事前にリスクを想定できる」といった危機管理能力に優れた人に向いているでしょう。

コミュニケーション能力に優れる

さまざまな立場の人が集まる建築業界では、どの仕事を行うにしてもコミュニケーション能力が要求されます。基本的にチームで行動をするため、「周囲の人と適切な信頼関係を築ける」「素早く的確な報・連・相が行える」「相手の意見をくみ取れる」といったコミュニケーション能力に優れる人に向いているといえます。

体力に自信がある

職人として工事現場で働くうえでは、やはり肉体的な強さや体力が求められます。また、施工管理の場合も工事現場の管理とデスクワークの両方を担う必要があるため、労働量を踏まえると体力や精神力は必須の条件といえるでしょう。

建設業界で働くうえで役立つ資格

建設業界で働くうえでは、資格の取得が役立つ場面が数多くあります。なかには、有資格者にしか認められていない業務もあるため、資格はキャリア形成を手助けする武器となるでしょう。

建設業界には国家資格だけでも数多くの種類がありますが、ここでは知名度が高い代表的なものをピックアップしてご紹介します。

建築士

建築士は建築業界における代表的な国家資格です。一級建築士、二級建築士、木造建築士の3種類があり、一級建築士になれば大規模な建物や高度な技術を要求される建物なども扱えるようになります。

施工管理技士

施工管理に関する国家資格であり、種類は電気・土木・建築・造園といったさまざまな分野に細分化されています。特定の建設現場に必要な「監理技術者」や「主任技術者」になるには、施工管理技士の資格が条件となるため、取得すれば幅広い現場で活用することができます。

技術士

科学技術に関する高度な専門知識と応用能力が問われる国家資格です。取得すれば、技術分野におけるスキルや指導が行えるエンジニアとしての証明になるため、建築業界でも活躍の機会が多いといえます。

電気工事士

電気の配線や冷暖房設備の設置、電気設備のメンテナンスなどに特化した国家資格です。第一種電気工事士、第二種電気工事士の2種類があり、第二種は主に家庭で使う電気設備の作業、第一種はさらに大規模かつ高圧な電気を扱う作業が行えます。

とび技能士

とびに関する国家資格であり、難易度に応じて1級から3級までの3段階に分かれています。2級や1級は実務経験が求められ、取得すればとび工としての専門的な知識や技術、経験を持った人材としての証明になります。


●記事のおさらい
最後に、今回の内容をQ&Aで確認しておきましょう。

Q:建設業界にはどんな職種がある?
A:
代表的なものとしては、「施工管理」「職人」「設計」「技術系」「営業」「事務管理」などが挙げられます。建設業界には幅広い仕事が存在するため、業種に合わせて求められるスキルや知識も大きく異なります。

Q:建設業界に向いている人の特徴は?
A:
主に現場などで働く場合は、体力や精神力が重要な資質となります。また、チームで動くことがほとんどであるため、どのような職種に就く場合でもコミュニケーション能力は求められます。そのうえで、各職種に応じたスキル・知識を身につけていくことが大切です。


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編集部
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工務店・ビルダー、新築一戸建て販売会社様を支援すべく、住宅営業のノウハウや人材採用、住宅トレンドなど、様々なジャンルの情報を発信してまいります。

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