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<新着>ドローン点検とは?ドローン点検のメリットと注意点について徹底解説

ドローン点検とは?ドローン点検のメリットと注意点について徹底解説

近年目まぐるしく進化しているドローンの技術は、建築業界においてもさまざまな可能性をもたらしています。なかでも、「ドローン点検」は点検業務を革命的に効率化できるアイデアとして注目を集めています。
 
今回はドローン点検の特徴やメリット、主な活用方法、導入時の注意点について詳しく見ていきましょう。

目次[非表示]

  1. 1.ドローン点検とは
    1. 1.1.ドローン点検の特徴
    2. 1.2.ドローン点検が注目される理由
    3. 1.3.航空法施行規則の一部改正
  2. 2.ドローン点検のメリット
    1. 2.1.危険な場所の点検が可能
    2. 2.2.高精度な撮影が行える
    3. 2.3.点検作業にかかる時間やコストを抑えられる
    4. 2.4.少人数で対応できる
    5. 2.5.リアルタイムな映像配信が可能
  3. 3.ドローン点検の活用事例
    1. 3.1.屋根の点検
    2. 3.2.外壁の状況確認
    3. 3.3.太陽光パネルの点検
  4. 4.ドローン点検の注意点
    1. 4.1.天候に左右されやすい
    2. 4.2.作動時に音が発生する
    3. 4.3.飛行制限区域がある
    4. 4.4.打診調査を行えない

ドローン点検とは

「ドローン点検」とは、無人航空機であるドローンを利用した点検作業のことです。ここではまず、ドローン点検の特徴や注目されている背景について見ていきましょう。

ドローン点検の特徴

ドローンは遠隔操作が可能なため、高所や狭い所でもスムーズに点検を行えるのが特徴です。従来の環境では、点検のたびに作業員が危険性のある高所などにも向かわなければならず、コストや安全面に問題を抱えていました。
 
ドローン点検では、安全かつ迅速にこれらの箇所のチェックが行えます。そのため、ドローンの新たな活用方法として、さまざまな業界で注目を集めています。

ドローン点検が注目される理由

ドローン点検が注目される背景として、建築業界における人手不足が挙げられます。高所や危険な環境での作業には特別な資格や経験が必要であり、特に人材の確保が難しい分野です。ドローン点検を活用すれば必要な人員を大幅に削減できるため、人材不足の課題解消につながります。
 
また、より広い視点で見れば、全国的なインフラ設備の老朽化も関連性の深い課題といえるでしょう。日本には高度経済成長期に整備されたダムや橋梁などが多く、年月の経過による劣化がリスクとなっています。
 
ドローン点検であれば足場などを組む必要がないため、点検作業の効率化が実現されます。老朽箇所の早期発見により修復計画の精度が高まれば、インフラ整備のコストパフォーマンスが高まるでしょう。

航空法施行規則の一部改正

ドローン点検の重要性が高まっている大きな要因には、航空法施行規則の改正による規制緩和があります。2021年9月に航空法施行規則の一部が改正され、一定の条件下であればドローン飛行の許可・承認が不要になるとともに、飛行禁止区域の見直しも行われました。
 
規制が緩和されたことにより、ドローンを使用できる条件が広がったため、点検作業にも柔軟に活用しやすくなっています。

ドローン点検のメリット

ドローン点検の活用にはさまざまなメリットがあります。ここでは、主なメリットを5つご紹介します。

危険な場所の点検が可能

前述のとおり、ドローン点検では高所や危険な場所での点検作業を安全に行えるのがメリットです。高所による作業は、墜落や転落による重大な事故を招きやすく、建設業において長年にわたる課題となってきました。
 
作業員にドローンの操作技術を身につけてもらえれば、地上にいながら点検作業を完了させられるため、安全管理における課題が解消されます。

高精度な撮影が行える

ドローンは映像技術においても高度な水準を備えており、高性能なカメラでのデータ収集が可能です。目視による点検よりも正確な評価ができるうえに、AI技術と組み合わせれば、劣化状況の人為的な見落としも避けられます。
 
また、点検の頻度も高めてもそれほど負担にならないため、問題の早期発見や適切なメンテナンス計画の立案にも役立つでしょう。

点検作業にかかる時間やコストを抑えられる

人力のみで高所の点検作業を行うためには、足場を組んだりロープアクセスを用いたりする必要があり、準備に大幅な時間とコストがかかってしまいます。ドローン点検であれば、作業に必要な労力とコストが省略され、効率的に業務を進めることができます。

少人数で対応できる

従来の方法で高所や広範囲の点検を行うには、準備やサポートのために多くの人員が必要となります。ドローンを導入すれば、少数の操作担当者のみで十分に点検業務を遂行できるため、人的リソースを大幅に節約できます。

リアルタイムな映像配信が可能

ドローンで撮影された映像は、リアルタイムで手元のデバイスに送ることができます。また、映像を記録しておけばほかのメンバーとの情報共有が行えるため、複数人によるチェックや意見交換も簡単に実現できます。

ドローン点検の活用事例

建築業界において、ドローンはさまざまな活用の可能性を持っています。ここでは、代表的な活用事例を3つご紹介します。

屋根の点検

屋根の点検は、ドローンが大いに役立つ作業の一つです。屋根のチェックは、雨漏りを未然に防ぎ、建物全体の価値を保つために重要な作業となります。
 
しかし、点検のためには実際に人が屋根に上る必要があるため、常に落下の危険と隣り合わせの作業です。ドローンを用いれば、地上にいながら安全かつ手軽に状態を確認できます。また、人の重みで屋根や瓦を傷める心配がないのも大きなポイントです

外壁の状況確認

ドローンは外壁の状況を確認するのにも役立ちます。作業員による目視点検でチェックされていたタイルの浮きや漏水などの不具合は、ドローンのカメラでもしっかりと確認することができます。
 
また、赤外線調査についてもドローンを用いることで、より高精度の点検が可能となります。赤外線調査とは、地上から赤外線カメラを向けて調査する方法です。
 
従来、点検対象が高層である場合は高層階の外壁を正面から捉えられないため、どうしてもチェックが不十分になりやすいのが難点でした。ドローンに赤外線カメラを取り付ければ、高層部分も真正面から撮影できるため、問題なく点検が行えます。

太陽光パネルの点検

太陽光パネルは総面積が広範囲にわたるものが多いため、人力で点検をする際には多くの時間と労力が発生します。また、大規模な太陽光発電施設は郊外や山奥に設けられることも多いため、作業員を派遣するのに多額の人件費がかかりがちです。
 
ドローン点検であれば、最小限のコストとリソースで広範囲なパネル点検ができます。ドローンにサーマルカメラと光学カメラを装着すれば、温度差によってスムーズに異常を検知することができるのです。
 
また、一般家庭の太陽光パネルにおいては規模こそ小さいものの、ドローン点検を用いることで高所作業によるリスクを避けられるのは重要なメリットです。

ドローン点検の注意点

最後に、ドローン点検を導入するうえで押さえておくべき注意点を確認しましょう。

天候に左右されやすい

ドローンにはさまざまなセンサーが組み込まれているため、雨天で無理な使い方をすると故障の原因になります。また、風が強い日には激突や墜落のリスクがあるため、天候を考慮することが大切です。

作動時に音が発生する

ドローンはプロペラを使って飛行する仕組みであるため、サイズの小さなものでも比較的に大きな音がします。隣地との距離感によっては、点検前に近隣への迷惑にならないよう注意し、場合によっては事前に告知しておくなどの配慮も心がけましょう。

飛行制限区域がある

ドローンは法律で飛行が禁止されているエリアや、飛行に許可が必要な区域があります。一部規制の緩和が行われたとはいえ、どこでも自由なフライトが認められているわけではないため、点検を行う場所が飛行可能エリアであるかどうかの確認が必要です。

打診調査を行えない

打診調査とは、テストハンマーなどで外壁を叩きながら内部の劣化状態をチェックする方法です。音で異常を検知する方法のため、視覚だけでは判断しづらい隠れた損傷を見つけることができるのが特徴です。
 
ドローン点検では、打診調査で得られるような内部の情報収集は難しいため、必要に応じて併用することが重要です。特に、商業施設や教育施設、病院などの建物は、定期的な外壁打診調査が法律で義務付けられています。
 
これらの建物は「定期報告対象建築物」と呼ばれており、一定期間ごとに外壁打診調査が必須とされているため、ドローン点検で完全に代替できるわけではない点に注意が必要です。


●記事のおさらい

最後に、今回の内容をQ&Aで確認しておきましょう。

Q:建築業界でドローン点検が注目される理由は?
A:
ドローン点検が注目される背景には、人手不足と公共インフラの老朽化が挙げられます。高所での作業には特別な資格や経験が必要で、人材の確保が難しいため、確認作業をドローンで代替できれば問題の解消につながります。
 
Q:ドローン点検のメリットは?
A:
高所や狭い場所でも安全かつスムーズに点検が行えるのがメリットです。また、高精度の映像を記録できるため、細かな状態をチェックしたり、チーム内で共有したりするのにも便利です。
 
Q:ドローン点検を導入する際の注意点は?
A:
飛行禁止区域や許可が必要な区域があるため、あらかじめ確認しておく必要があります。また、法的に打診調査が義務付けられている建物については、ドローン点検を導入する場合であっても、定期的に打診調査を実施する必要があります。


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編集部
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工務店・ビルダー、新築一戸建て販売会社様を支援すべく、住宅営業のノウハウや人材採用、住宅トレンドなど、様々なジャンルの情報を発信してまいります。

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