急成長しているリノベーション業界!転職に役立つ資格8選
中古住宅市場の活性化に伴い、住宅業界ではリノベーションの需要増加に大きな注目が集まっています。急成長を続けるリノベーションの分野で、自身のキャリアを広げてみたいと考える方も少なくないでしょう。
今回はリノベーション業界での就職・転職を志望する方に向けて、主な仕事内容や役立つ資格、求められるスキルなどをまとめてご紹介します。
目次[非表示]
- 1.リノベーション業界の仕事内容
- 2.リノベーション業界で役立つ資格8選
- 2.1.1.一級・二級建築士
- 2.2.2.建築施工管理技士
- 2.3.3.宅地建物取引士
- 2.4.4.マンションリフォームマネジャー
- 2.5.5.マンションリノベーションアドバイザー
- 2.6.6.インテリアコーディネーター
- 2.7.7.ライティングプランナー
- 2.8.8.住空間収納プランナー
- 3.リノベーション業界で求められるスキル
- 3.1.コミュニケーション能力
- 3.2.チームワーク力
- 3.3.提案力
- 3.4.マネジメント力
- 4.リノベーション業界に向いている人
- 4.1.好奇心旺盛な人
- 4.2.スケジュール管理が得意な人
- 4.3.相手の視点に立って考えられる人
- 4.4.落ち着いて判断できる人
リノベーション業界の仕事内容
リノベーション業界における主な業務としては、次のようなものが挙げられます。
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大きなくくりで見れば、その他の住宅業界における業務と共通している部分も多いものの、細かな内容には違いがあります。ここではまず、リノベーション業界の仕事内容について詳しく見ていきましょう。
営業
リノベーション業界における営業は、すでに物件を所有している人を対象とするのが特徴です。また、これから中古住宅を購入しようとしている人にも、リノベーションを前提としたプランを提案することがあります。
ある程度ターゲット層が限定されているため、無差別に飛び込み営業を行うよりも、電話営業や反響営業などを中心に行うのが基本です。
現地調査
リノベーションのプランは建物の状況によって大きく変わるため、まずはお客さまからのヒアリング内容をもとに、現地調査を行う必要があります。建物の詳細なサイズや構造の劣化度合い、隣地との関係性などを細かく調べることが重要です。
設計・プランニング
現地調査が済んだら、現状に応じて設計やプランニングを行います。お客さまからヒアリングした予算や要望、改善ポイントなども踏まえて、納得していただけるプランを作成する必要があります。
設計の段階では、図面の作成などの専門的な知識が求められる業務が増えるため、営業担当者から設計士などに引き継がれることが多いです。
見積もりの作成・契約
プランが完成したら、工事に必要な材料費や人件費を計算し、一つずつ積み上げて見積もりを出します。想定していた予算をオーバーしてしまう場合は、プランの変更や設備の見直しを図り、減算調整を行います。
コストを削る部分の判断については、お客さまの要望をしっかりと踏まえて行う必要があるため、納得感が得られるまで綿密なコミュニケーションを図るのも重要な仕事です。
工程表の作成
最終的なプランが固まったら、必要な作業を洗い出しながら工程表の作成を行います。また、建築資材や人員の手配などにも気を配り、滞りなく工事を進められるように準備を済ませることも重要です。
施工管理
リノベーション工事においては、現場を取りまとめる細やかな施工管理も欠かせません。まずは工事のスタートにあたり、各種申請手続きや近隣への挨拶を済ませ、トラブルが起こらないように努めることが大切です。
工事がスタートしたら、工程表や図面通りに工事が進んでいるかをチェックしながら、悪天候や建材調達の遅れ、急な欠員といった不測の事態に備えます。
アフターフォロー
工事が完了したら、片付けや廃材の処理、お客さまへの引き渡しなどを行います。また、施工後の定期的なメンテナンスや点検も重要な仕事の一つです。丁寧なアフターフォローは、口コミの充実や新たなお客さまの紹介受注などにつながる重要な営業活動でもあります。
リノベーション業界で役立つ資格8選
リノベーション業界には幅広い仕事があるため、資格の取得がキャリアを広げるきっかけになるケースも多いです。ここでは、リノベーション業界で役立つ資格を8つご紹介します。
1.一級・二級建築士
建築士は建築分野における代表的な国家資格です。高度な知識とスキルを保有している証明になるだけでなく、建築士の資格がなければできない仕事も多いため、キャリアの可能性を広げる有力な武器となるでしょう。
2.建築施工管理技士
施工管理技士は施工管理に関する専門的な国家資格であり、7つの分野にわたって1級・2級の計14種類あります。建築施工管理技士は住宅からマンション、商業施設、オフィスビルまで幅広い建物の工事において、監理技術者や主任技術者を務められる資格であり、取得すれば替えの利かない専任の技術者として活躍することができます。
3.宅地建物取引士
不動産の仲介を取り扱う代表的な国家資格であり、不動産取引においていくつか独占業務を持っているのが強みです。リノベーションにおいても、たとえば「中古物件の購入者に営業をする」場合などでは、宅地建物取引士の資格が役に立ちます。
物件探しからリノベーションまでを一貫して引き受けられるため、特に独立を考えている方には重要度が高い資格といえます。
4.マンションリフォームマネジャー
マンションのリフォームについて、専門的な知識を身につけられる資格であり、公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターが試験を実施しています。近年ではマンションストック戸数が増加していることもあり、マンションリフォームマネジャーの活躍の場はますます広がっていくと考えられています。
5.マンションリノベーションアドバイザー
マンションの構造や設備、法的規制といった施工に関する専門知識を深められる資格であり、一般社団法人日本ライフスタイル協会が試験を実施しています。類似した資格であるマンションリフォームマネジャーと比べると合格率が高く、製図試験もないため、スキルアップの第一歩として活用されるケースも多いです。
6.インテリアコーディネーター
インテリアに関する専門性を深められる資格であり、公益社団法人インテリア産業協会が試験を実施しています。知識の習得が問われる一次試験と、プレゼンテーション・論文による二次試験があります。家具や内装に特化した知識を深めることで、差別化を図りやすくなるのがメリットです。
7.ライティングプランナー
一般社団法人日本ライフスタイル協会が認定する照明に関する資格です。ライティングに関するスキルを身につけることで、インテリアにおける表現の幅が広がり、より訴求力の高い提案を行えるようになります。
8.住空間収納プランナー
一般財団法人日本収納プランナー協会が運営する資格であり、収納に特化した知識を深められるのが特徴です。合理的な収納設計や人間工学に基づく収納の考え方、ヒアリング手法といった実務に役立つ知識・ノウハウを体系的に学べ、収納のプロフェッショナルとして差別化を図れるのがメリットです。
リノベーション業界で求められるスキル
リノベーション業界で働くうえでは、資格の取得とともに必要なスキルの向上に努めることも大切です。ここでは、仕事で求められる基本的なスキルを整理しておきましょう。
コミュニケーション能力
冒頭でもご紹介したように、リノベーションの仕事はお客さまと二人三脚で進めていくのが基本です。また、プランナーや職人との調整役を務めることも多いため、円滑にコミュニケーションが行える能力が求められます。
基本的なコミュニケーション能力を身につけるとともに、リノベーション特有のニーズを理解し、お客さまに合わせたヒアリング能力を磨いていくことが重要です。
チームワーク力
リノベーションの仕事は複数のメンバーや会社が関わり、チームで進めていくのが基本のスタイルです。異なる立場にあるメンバー同士でスムーズな連携を図る必要があるため、チームワークの経験が豊富な人材が重宝されやすいといえるでしょう。
提案力
お客さまに満足してもらえるサービスを提供するためには、限られた予算や条件などのなかで要望を実現する提案力も必要となります。それにはまず、お客さまのニーズがどこにあるのかを深く突き止められる洞察力と想像力が重要です。
そのうえで、知識に裏打ちされた企画力と、プランを分かりやすく伝えるプレゼン能力が必要といえるでしょう。
マネジメント力
リノベーションの仕事においては、工事を確実に進める管理能力も重要な資質となります。建築工事にはイレギュラーな事態が起こることもめずらしくなく、適切に工事を進めるマネジメント力や、慌てず冷静に決断する判断力が求められる場面も多いです。
リノベーション業界に向いている人
最後に、どのようなタイプの人がリノベーション業界に向いているのか、4つのポイントに分けて見ていきましょう。
好奇心旺盛な人
リノベーションの仕事においては、幅広い知識が求められます。建築やリフォームに関する事柄だけでなく、関連法規や手続き、デザイン、見せ方といったさまざまな分野において、実践的な力を身につけなければなりません。
また、トレンドの変化や法令の改正などにもアンテナを張っておく必要があるため、新しい知識や技術に対して関心があり、常に学ぼうという姿勢を持つ人に適した業界といえます。
スケジュール管理が得意な人
リノベーションの業務は、営業から打ち合わせ、工事、引き渡し、アフターフォローといった長期的なスパンで向き合う必要があるため、スケジュール管理の能力が重要となります。普段から計画的に物事を進められる人や、年単位で目標を達成してきた経験を持つ人などは、自身の強みを活かしやすいといえるでしょう。
相手の視点に立って考えられる人
営業や提案の業務では、お客さま目線を意識したコミュニケーションが特に重要となります。お客さまの多くは専門知識を持たない一般の方となるため、難しい表現を使わず、どれだけ寄り添った提案ができるかが成功を左右するカギとなります。
落ち着いて判断できる人
工事やスケジュールを管理するうえでは、不測の事態が起こっても冷静に対応できる判断力や柔軟性が求められます。そのため、採用面接などにおいては、アルバイトやサークル活動などでトラブルを乗り越えてきた経験が武器になるケースも多いでしょう。
●記事のおさらい
最後に、今回の内容をQ&Aで確認しておきましょう。
Q:リノベーション業界ではどんな資格が役に立つ?
A:代表的な国家資格としては、建築の専門家である「建築士」や施工管理のプロフェッショナルである「建築施工管理技士」、不動産取引の専門家である「宅地建物取引士」などが挙げられます。また、自身の強みを広げる資格として、「マンションリフォームマネジャー」や「インテリアコーディネーター」「ライティングプランナー」「住空間収納プランナー」などに挑戦してみるのも一つの方法です。
Q:リノベーション業界で活躍するのに必要なスキルは?
A:まずは、お客さまや関係者と良好な関係を築くためのコミュニケーション能力が重要です。そのうえで、チームワーク力やマネジメント能力、提案力を磨きながら、活躍の土台を築いていくことが大切となります。
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