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<新着>住宅業界の必須資格「宅建」「建築士」…宅建合格までの道しるべ

住宅業界の必須資格「宅建」「建築士」…宅建合格までの道しるべ

不動産の仲介や住宅の建築を業務として行う上で、求められる資格が複数あります。代表的なものは「宅地建物取引士(以下、宅建)」や「建築士」です。その中でも宅建は、毎年20万人前後が受験する人気資格で、不動産仲介営業にとって必須の資格です。

今回は、宅建の試験に合格した筆者の経験を基に、合格に向けて必要なことなどを記しています。筆者は大手ハウスメーカーの社員として工事監督をしていた経験はありますが、不動産仲介の経験はありません。

今は住宅会社含め不動産を扱う職種ではありませんが、それでも30代中盤となった2023年に独学で宅建試験に一発合格しました。このような受験勉強は10年ぶりで、それまでの過程で多くの気づきがありました。

目次[非表示]

  1. 1.「資格は若いうちに取れ!」の真意とは?あの習慣が宅建合格のカギ
  2. 2.参考書で重要なのは「取っつきやすさ」!メモ書きで自分専用に造り込もう
  3. 3.必ず受験すべき外部の模擬試験!自分の実力を知る以外にも受ける意義がある
  4. 4.社会人でも十分挑戦できる!「5問免除」制度は必ず利用しよう

「資格は若いうちに取れ!」の真意とは?あの習慣が宅建合格のカギ

当たり前のことですが、何であれ資格の取得は思い立った時に挑戦するのがベストです。そして、早ければ早い方がいい。

宅建については、新卒採用をしている不動産関連企業の多くは、内定者に対して学生のうちの資格取得を促しているはずです。中には試験に向けて講座や模擬試験を企画して、内定者一丸となって宅建合格を目指す企業もあります。

学生のうちに資格を取っておきたい最大の理由は「時間のゆとり」です。言うまでもなく、合格にはまとまった学習時間が必要です。この他の理由としては、試験勉強の習慣がある学生のうちに取り組むべきというものもあります。

宅建に限らず、勉強そのものは社会人になってからも続けるものですが、合格・不合格が決まるような試験のための勉強をするという機会はかなり少なくなります。さらに、宅建試験に合格するほどの知識量を意識的に記憶することもありません。

そして、この試験勉強の取り組み方もいつの間にか忘れてしまうものです。この観点からも、試験勉強の習慣のある学生のうちに資格を取っておきたいです。

参考書で重要なのは「取っつきやすさ」!メモ書きで自分専用に造り込もう

筆者自身は、独学で宅建に合格しました。準備期間はおおよそ3ヶ月間で、それまで不動産仲介に関連する知識はほぼゼロでした。この状態で試験勉強をスタートすることになりますが、参考書選びにはかなりこだわりました。

宅建の参考書は世の中にごまんとありますが、筆者が重視したのは「取っつきやすさ」。文字数もページ数もできる限り少なく、イラストなどを用いつつ簡単な言葉で解説されているものを選定しました。

学生を含む不動産未経験者は、読みやすさ重視、取っつきやすさ重視の参考書選びが重要です。筆者はこのような参考書を主体に試験本番まで勉強しました。最初は1周するのに2週間を要しましたが、繰り返し読み込むことで知識を頭に入れると読むスピードも上がり、本番直前には半日ほどで読み切れるまでになりました。

試験本番まで2ヶ月という時期には、市販の模擬試験集を購入して取り組み始めました。宅建の試験は全部で50問ありますが、これを解き切った後はその都度、先述の参考書で復習を行い、参考書に記載がない情報がある場合には自分自身で追記を行いました。

このように復習を兼ねて、試験対策に最適化された自身専用の参考書を造り込んでいくのです。

参考書に限らず、YouTubeに投稿されている動画も参考にしました。最近は宅建の勉強の参考になる動画が多く投稿されています。隙間時間を利用して、このようなメディアで勉強するのもお勧めです。文字媒体でなく、動画の方が勉強内容を理解しやすいということもあるでしょう。

自身のお気に入りの宅建関連のYouTuberを見つけて、苦手な分野は反復学習しましょう。

必ず受験すべき外部の模擬試験!自分の実力を知る以外にも受ける意義がある

資格試験予備校の多くは、模擬試験を主催しています。オンライン受験もできる時代ですが、必ず現地に行って受験してください(と、宅建を受験する社員さんに伝えてください)。ぶっつけ本番はもってのほかです。実際に模擬試験を受けてみないと、自分の実力が合格ラインに達しているか否かがわかりません。ここで高得点を取れれば自信になりますし、点数が悪かったとしてもそれを糧に再度学習に励めばいいのです。

試験を受ける意義は、自分自身が本番でどのような心理状況に陥るかを確認することでもあります。筆者自身は他の受験者が問題用紙をめくる音や、筆記の音が気になったことがありました。このような気づきを本番前に得ることも重要です。

社会人でも十分挑戦できる!「5問免除」制度は必ず利用しよう

宅建など資格取得を目指す上で、年齢的に遅いということはありません。年齢制限がないからこそ、気力が無くならない限りあきらめずに挑戦し続けたいです。

宅建については不動産仲介を行う企業に営業担当などとして在籍している方にとっては強みもあり、最たるところが「5問免除」の制度です。これは、その資格がない受験者と比較するとかなりのアドバンテージになります。

5問免除の制度を利用するには、国土交通大臣が指定する講習を受講して「登録講習修了者証明書」の交付を受けることが必要です。その上で、宅建を受験すると、本試験50問のうち、例年46~50問目を解く必要がなく、自動的に5点が加算されます。

さらにいうと、一般の受験者が5問分の勉強にも時間を割いていますが、制度を活用すれば当然この勉強時間を削減でき、その分を他分野の勉強に費やすことができます。社会人ともなると、隙間時間をうまく勉強に活用できるかが合格のカギとなり、5問免除の制度も活用して合格を目指しましょう。

勘違いしてはいけないのは、「有資格者」イコール「仕事がデキる」ではありません。あくまで資格取得は通過点であり、そこからが本番であることは留意しましょう。


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株式会社住宅産業研究所(JSK)
株式会社住宅産業研究所(JSK)
1976年設立、住宅業界専門の調査会社。「月刊TACT」などの情報誌・調査資料・セミナー・研修・コンサルティングなどを通じて全国の住宅会社に情報を提供する。

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