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【工務店事業者向け】紹介受注やリピートを増やすためのテクニック

【工務店事業者向け】紹介受注やリピートを増やすためのテクニック

住宅会社や建築会社の集客ルートにはさまざまなパターンがあります。地域密着型で営業を行うことが多い工務店にとっては、新規顧客の獲得を狙うとともに、既存のお客さまによる「紹介受注」を増やすのも重要な戦略です。

今回は紹介やリピートによる受注を狙う重要性を解説したうえで、受注を増やすためのテクニックを「基本」と「具体例」の2種類に分けてご紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.工務店が紹介受注・リピートを狙う重要性
    1. 1.1.集客コストの削減につながる
    2. 1.2.営業工程が短縮できる
    3. 1.3.受注・成約確率が高い
  2. 2.紹介受注につながらない原因
  3. 3.紹介受注・リピートを増やすための戦略:基本編
    1. 3.1.顧客とのコミュニケーションを重視する
    2. 3.2.自社に対する信頼感を高めてもらう
    3. 3.3.住宅の品質を高め、柔軟な対応を行う
  4. 4.紹介受注・リピートを増やすための戦略:具体例編
    1. 4.1.工事のアフターフォロー
    2. 4.2.紹介制度の導入・特典の付与
    3. 4.3.イベント運営
  5. 5.ブランディングを見直して差別化を図ろう
    1. 5.1.ターゲットの明確化
    2. 5.2.コンセプトの明確化
    3. 5.3.一貫性のあるサービスの確立

工務店が紹介受注・リピートを狙う重要性

工務店において、紹介受注やリピートにはどのような重要性があるのでしょうか。ここでは3つのポイントに分けて解説します。

集客コストの削減につながる

案件の紹介受注やリピートが増えることで、広告費用などの集客コストの削減につなげられます。新規の見込み顧客を獲得するためには、認知の拡大や信頼性の構築のために、大幅な時間やコストがかかってしまいます。

紹介受注やリピートであれば、既存顧客の口コミなどを通じて新たなお客さまとの接点が生まれるため、基本的に高額な費用はかかりません。集客を効率よく進めることにつなげられるでしょう。

営業工程が短縮できる

紹介受注などの場合、見込み顧客に信頼された状態でアプローチが可能なので、営業活動にかける手間や労力などの負担を減らせます。自社のことをある程度理解してくれている顧客であれば、一から説明していく段取りなどを省けるでしょう。

浮いた分のリソースを顧客からの個別の要望に対応する時間に充てれば、顧客満足度を高めることにつなげられます。

受注・成約確率が高い

紹介受注は、自社に対する信頼性や満足度が高いお客さまの紹介・口コミによって成り立つ仕組みです。そのため、紹介されたお客さま側も自社に対してよいイメージを持っていることが多く、確度の高い集客を行えるのがメリットだといえます。

受注や成約につながりやすい顧客へのアプローチを増やすことで、結果的に売り上げの向上につながっていくはずです。

紹介受注につながらない原因

紹介受注がなかなか増えない原因としては、次のようなものが考えられます。

■紹介受注につながらない原因 

  • 完成までのプロセスに問題があった
  • クオリティに不満があった
  • 紹介する理由が見つからない
  • 紹介を頼まれたことへの不快感
  • 紹介受注の仕組みが構築されていない

まず考えられる原因は、既存顧客が自社の製品・サービスに満足できていないという可能性です。「作業員のマナーや態度に気になる点があった」「打ち合わせで十分に満足のいくプランが決められなかった」など、完成までのプロセスや仕上がりに不満を感じていた場合、なかなか紹介行動は期待できません。

また、「無理に紹介を頼まれたことで不快な思いをしてしまった」という可能性も考えられます。ストレートに紹介を頼まれると、お客さまとしても対応に困ってしまうというのが実際といえます。

一方で、企業側で十分な仕組みが構築されておらず、「紹介という発想自体が思い浮かばなかった」というケースもあり得ます。紹介受注はあくまでも既存顧客が主体的に行うものであるため、どれだけサービスに満足していたとしても、必ずしも実行してもらえるものとは限りません。

紹介受注を増やすには、企業側で紹介行動を起こしやすいような仕組みを整え、自然な形で後押しすることも必要です。

紹介受注・リピートを増やすための戦略:基本編

ここからは、紹介受注を増やすための方法について見ていきましょう。まずは、基本となる考え方や戦略のポイントについて解説します。

顧客とのコミュニケーションを重視する

紹介受注やリピートを増やすためには、こまやかな顧客対応を行い、コミュニケーションを重視していく姿勢が求められます。特に会社側からの働きかけがなければ、お客さまとは工事完了とともに接触する機会がなくなってしまうものです。

自社の存在を意識してもらうためには、既存顧客との接触回数を増やしていくことが重要です。人間関係が途切れないように接点を保つことで、紹介行動を起こしてもらえる可能性が高くなります。

自社に対する信頼感を高めてもらう

数ある工務店のなかから自社を選んでもらうには、WebやSNSを含めた積極的な情報発信に取り組むことが重要です。自社に対するよいイメージを抱いてもらうことは、顧客からの紹介行動の引き出しやすさに結びつくといえるでしょう。

顧客によい印象を抱いてもらうには、従業員教育にしっかりと力を入れ、誠実で信頼性のある対応を行えるようにする必要があります。また、顧客から紹介された友人・知人が自社ホームページをチェックする可能性も想定し、あらかじめホームページや発信内容の見直しを行うことも大事です。

親しみやすい写真を用いたり、最新の施工事例を掲載したりするなど、イメージの向上につながる施策を優先的に実行しましょう。

住宅の品質を高め、柔軟な対応を行う

受注した住宅の品質を向上させ、顧客にきちんと満足してもらえる対応を実現することが何よりも重要です。仕上がりのクオリティはもちろん、工期の順守や打ち合わせでの対応、プラン提案の分かりやすさといった点にも目を向け、トータルでのサービス向上を目指しましょう。

また、可能な限り個別の要望にも対応していくなどの柔軟さも備えておく必要があります。顧客にとって印象に残る対応が行えるならば、自ずと紹介受注やリピートの流れにつながっていくはずです。

紹介受注・リピートを増やすための戦略:具体例編

それでは、既存顧客との接点を増やすためには、具体的にどのような施策を実行すべきなのでしょうか。ここでは代表的な方法を3つに分けてご紹介します。

工事のアフターフォロー

紹介受注を増やすには、既存顧客へのこまやかなアフターフォローを行い、良好な関係性を維持することが大切です。具体的な方法としては、次のようなものが考えられます。

■アフターフォローの方法

  • メンテナンス・定期点検の案内を行う
  • メールやDMで住宅維持に関する有益な情報を定期発信する
  • メンテナンスブックを用意する
  • OB会を開催して参加を促す​​​​​​​

紹介制度の導入・特典の付与

紹介行動を引き出しやすくするためには、企業側で紹介制度を整えておくのも有効な方法です。具体的には、親族や友人・知人の紹介が行われた際に、工務店ならでは特典を付与することで紹介行動を促すという方法です。

特典の内容としては、「紹介による来店でギフトカードを贈呈する」「数万から数十万円の工事オプションをサービスする」「建築費用の割引を行う」といったものが考えられます。また、すでに工事を終えている既存顧客に対しては、「点検サービスの対象箇所、実施回数を拡張する」「設備交換費用の割引を行う」などを特典とするのもよいでしょう。

イベント運営

地域密着型の工務店では、その地域にしっかりと根を下ろすという意味でも、地元でのイベントを開催してみるのが効果的な場合もあります。たとえば、「ママカフェ」や「アート教室」「チャリティーオークション」などのオーナー向けイベントを開催することで、自社と既存顧客との関係性を向上させ、紹介受注につなげるというのも一つの方法です。

イベントという形であれば、既存顧客も友人を気軽に呼び込みやすくなるため、受注のきっかけづくりにつながるでしょう。

ブランディングを見直して差別化を図ろう

紹介受注を増やすうえでは、自社ならではの強みや価値を際立たせていくことが重要な第一歩となります。端的に「他社とどのように異なるのか」「依頼することでどんなベネフィットがあるのか」を知ってもらうためには、「戦略的なブランディング」が必要です。

ここでは、ブランディング戦略で取り組むべきポイントについて解説します。

ターゲットの明確化

ブランディングにおいては、自社がどのような顧客層をターゲットにするのかをきちんと決めることが大切です。年齢層や職業、価値観、住まいに求める条件などを一つずつ明確にし、具体的なペルソナとして描いておくことで、ブランドの一貫性を確立しやすくなります。

コンセプトの明確化

続いて、自社の強みや特徴、設定したペルソナを踏まえて、ブランドの具体的なコンセプトを固める必要があります。工務店のコンセプトには、「独自性のあるデザイン」「自然素材の活用」「多様なライフスタイルの実現」「若い世代でも無理なく建てられる住まい」といったさまざまなものがあります。

どのスタイルに軸足を置くかによって、お客さまへ発信すべき情報も異なってくるため、自社に合ったコンセプトをしっかりと固めていきましょう。

一貫性のあるサービスの確立

ブランディングにおいては、コンセプトに沿って一貫性のあるサービスを提供し続けることが信頼の構築につながります。たとえば、「低コストで安心できる家づくり」をコンセプトにしているのであれば、紹介受注で接点を持った新規顧客も「コスト面」に期待していると想定できます。

そこでコンセプトに反した営業を行えば、紹介されたお客さまや紹介した既存顧客は不信感を抱いてしまうでしょう。自社のイメージに合わせ、コストを意識した営業や提案を行うことで、紹介されたお客さまをしっかりと受注に結びつけられるのです。

このように、ブランディングを行うためには、コンセプトやブランドイメージに矛盾しないサービスを心がけ、地道に信頼を積み重ねていくことが大切です。


●記事のおさらい
最後に、今回の内容をQ&Aで確認しておきましょう。

Q:工務店における紹介受注の重要性は?
A:
紹介受注は、既存顧客の口コミなどがきっかけとなるため、高額な広告コストをかけずに新規顧客との接点をつくれるのが大きなメリットです。また、知人を通じた紹介になるため、比較的に確度の高い顧客へアプローチできるのも利点です。

Q:紹介受注を増やすための具体的な方法は?
A:
既存顧客との接点を大切にし、自社のファンとなってもらうことが大切です。そのためには、丁寧なアフターフォローや独自性のあるイベントの開催、紹介特典の導入といった方法が効果的です。


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編集部
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工務店・ビルダー、新築一戸建て販売会社様を支援すべく、住宅営業のノウハウや人材採用、住宅トレンドなど、様々なジャンルの情報を発信してまいります。

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