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第9回【資料請求のカタログ・パンフレット】紙で渡す意味。手に取ってわかるのは「質感」「色味」。そして工務店の「思いやり」

ポータルサイトや雑誌広告に出稿するなら、資料請求で送付するために必須のカタログ・パンフレット。そこで今回は、工務店のカタログ・パンフレットを紙で渡す意味について、考察していきたいと思います。

情報を提供する、という意味ならウェブで十分ではないか、と思われる方がいらっしゃるかもしれません。ですが紙には紙のよさがあり、それを生かすことで受け手に与える印象が変わってきます。せっかくカタログ・パンフレットを送るのですから、そんなことも考えてみてはいかがでしょうか。

目次[非表示]

  1. 1.パッと見て情報を「一覧」できるので、概要をつかみやすい
  2. 2.並べてみんなで「回覧」できるので、初期検討にぴったり
  3. 3.手に取ったときの感覚に訴えかける、紙の「質感」と「色味」
  4. 4.資料請求は最初のご挨拶。だからこそ「思いやり」の姿勢を見せて
  5. 5.ちょっとしたアイテムを添えて「プレゼント感」を演出してみては

パッと見て情報を「一覧」できるので、概要をつかみやすい

カタログ・パンフレットの特長の一つは、ページを開いて見たときに写真や見出しなどがパッと見渡せるため、そのページに何の情報が掲載されているのかが、すぐに把握できること。

ページをパラパラとめくりながら、冊子全体の内容やボリュームをざっくりチェックしたり、ここを先に読んでボリュームが多い部分は後で読もう、と判断することも容易。情報を見渡せる「一覧性」が高いため、とりあえず気になる情報を素早くピックアップできます。

したがって、工務店のことを知らなかったお施主様が最初に触れるのに最適なツールといえます。
「一覧性」を生かすためには、資料請求で送るカタログ・パンフレットは、情報をあまり盛り込みすぎずに、お施主様が知りたいであろう情報を厳選して掲載するのがおすすめです。

詳細はホームページに掲載しておけば、カタログ・パンフレットを見て興味を持ったお施主様の「もっと知りたい」という気持ちに応えることができます。

並べてみんなで「回覧」できるので、初期検討にぴったり

お施主様が工務店のカタログ・パンフレットを資料請求する段階は、複数の工務店を比較検討している初期段階。当然、他社のカタログ・パンフレットも資料請求をするでしょう。

それらが出そろったらテーブルに並べて、手に取りながら見るわけです。一通りざっくりと見た後は、気になったカタログをもう一度手に取ってよく見てみたり、見る順番もスピードも、自分のペースで自由で気楽。

家族と一緒に見ながら、「ちょっとこれどう?」「どっちが好き?」「こっちのほうがいいな」「さっきの工務店はなんて書いてあったっけ?」などと、気になるところを見せ合うなど、回覧も手軽。親族に見せるときも、「ここどう?」「ここは?」などとパッパッと次々に見せられます。

いきなりホームページだと情報が多いので(多く載せておきたいので)、知りたい情報にたどり着くまでに時間がかかりますが、情報を抜粋してあるカタログ・パンフレットなら、とりあえず気になるか気にならないかの判断がしやすい。つまり、検討初期段階の資料として最適といえます。

手に取ったときの感覚に訴えかける、紙の「質感」と「色味」

カタログ・パンフレットは手に取って見るものですので、お施主様の感覚にも訴えることができます。紙の「質感」と「色味」の違いによって与える印象が違いますので、紙の種類にこだわってみるのもおすすめです。

他社のカタログ・パンフレットと並べて手に取ったとき、紙が違うことに気づくと「お?」となること請け合いです。好みのテイストだったら「なんかいいね」と好感度アップ。紙だからこそできる感覚への訴えかけを活用すれば、お施主様の記憶にインプットされる確率が高まります。

<紙の種類>

紙の種類は本当にいろいろあります。ここでは系列を少しだけ紹介しますが、実際に選ぶ際はサンプルを取り寄せて、お施主様はどんな印象を持たれるかな、と想像しながら選ぶといいでしょう。

▼ コート紙系
ツヤツヤと光沢のある紙。発色がよいため、チラシやポスターなどにも幅広く使われるスタンダードな紙です。

▼ マットコート紙系
ツヤを抑えたマットな質感の紙。少し落ち着いた印象のため、カタログ・パンフレットで最も使われています。

▼ 上質紙系
光沢がなくなじみのある手触りの紙。インクを少し吸うので、写真などは輪郭がやさしい色調の表現になります。

▼ 表面に凹凸がある紙系
ザラザラ具合や紙目の方向違いなど、豊富な種類があります。ナチュラル感やクラフト感などを表現できます。

▼ 紙のやわらかさ
それぞれの紙に、硬い・やわらかいのバリエーションがあり、それによって手触りが変わってきます。

▼ 紙の色味
ホワイト系ならスタイリッシュ・クールなど、イエロー系ならナチュラル・温かみ、などを表現できます。
 
▼ 紙の厚み
厚めだとしっかり、薄めだと気軽な印象。また、ページ数が少なければ厚め、多ければ薄めにするのが一般的です。

資料請求は最初のご挨拶。だからこそ「思いやり」の姿勢を見せて

ほとんどのお施主様にとって一生に一度の大決断である家づくり。その家づくりを託す工務店探しの初めの一歩として、カタログ資料請求をします。そこで送られてくるカタログ・パンフレットは、お施主様にとって工務店とのファーストコンタクト。工務店にとっては、お施主様への最初のご挨拶です。

お施主様の「知りたい」に応えるために、情報を整理してわかりやすくお伝えする。きれいな施工事例写真や工務店のカラーを正直に紹介し、お施主様の検討材料にふさわしいものにする。「このお施主様はこんなことが知りたいのではないか?」と思ったら、それがわかる資料を添える。

ここでお施主様に「きちんとした資料だな」と思ってもらえれば、「ちゃんとした工務店なのだろうな」と思ってもらえるはずです。お施主様への「思いやり」を持ってつくられたカタログ・パンフレットは、工務店の姿勢そのものを表します。

その姿勢も、お施主様は感じとっています。だからこそ気を抜けません。第一印象はやはり大切なのです。

ちょっとしたアイテムを添えて「プレゼント感」を演出してみては

工務店のカタログ・パンフレットを資料請求する際は、複数の工務店に請求するのが一般的です。お施主様はそれらを手に取って見比べて、さぁ検討開始となるわけですが、ここで、「他社との差別化を図りながらもお施主様に喜んでいただく」という2つの視点で少し工夫をしてみませんか。

カタログ・パンフレットというくくりにとらわれず、ちょっとしたアイテムを添えるのはいかがでしょうか。高価なものではなくちょっとしたモノ。「なにこれ!?」って気になってもらえたら、印象に残ること間違いなし。家族や友人の間で話題に上るかもしれません。

  • イラスト入りブックマーク
  • かわいい付箋やクリップ
  • 小さなクリアファイル
  • カラフルな折り紙
  • シールセット
  • 無垢材のコースター
  • 天然のハーブ袋(いい匂いがする袋)
  • オーガニックティー
  • 除菌シート

 
送付資料の組み合わせを工夫することで、他社の資料よりちょっと気になってもらえるかもしれません。それに、なにやらたくさん入っているものが届いたら、それだけでなんだか楽しい。ちょっとうれしい。贈り物をもらった気分。まさに「プレゼント感」がありますよね。
 
お施主様にとって家づくりを託すということは、一生のお付き合いがはじまるということ。それだけに工務店探しは運命の選択肢です。初めての送付資料に工務店の「思いやり」が感じられるなら、パートナーとしてふさわしいのではないか、と思ってもらえるのではないでしょうか。

さて、というわけで、今回のタイトルは、【資料請求のカタログ・パンフレット】紙で渡す意味。手に取ってわかるのは「質感」「色味」。そして工務店の「思いやり」でした。
 
現場で感じてきたことをベースに考察してきましたが、少しでも工務店のみなさまのお役に立てれば幸いでございます。
 
それではまた次回、お会いしましょう。
 
次回のテーマ(予定)
第10回【工務店のカタログ・パンフレット】見てもらえる!手に取りたくなる!いろいろなカタチと組み合わせのアイデア

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株式会社アドクロ 鶴田 二郎
株式会社アドクロ 鶴田 二郎
工務店とリフォーム会社に特化して活動するクリエイティブディレクター。カタログ・パンフレットをはじめ、雑誌の記事や純広など、広報・広告ツール制作の全工程に携わる。“GENBA-NIN”(※)を自称し、現場目線をたいせつにしたものづくりにこだわる。※GENBA-NIN は株式会社アドクロによる造語です

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