モデルハウス無人見学システムとは?導入するメリットと注意点を解説
IT技術の進歩・普及は、不動産業界にもさまざまなアイデアをもたらしています。特に新型コロナウイルスの蔓延によって一気に発展したのが、非対面型サービスの分野です。
今回は、代表的な非対面型サービスとして、「無人見学システム」の仕組みや特徴についてご紹介します。また、導入するメリットと注意点も併せて見ていきましょう。
目次[非表示]
- 1.無人見学システム とは
- 1.1.無人見学システムの特徴
- 1.2.無人見学システムの仕組み
- 2.無人見学の市場ニーズ
- 3.無人見学システムを導入するメリット
- 3.1.【1】お客さまの心理的なハードルが下がる
- 3.2.【2】業務効率化やコスト削減につながる
- 3.3.【3】多様な働き方を実現できる
- 3.4.【4】防犯性が高まる
- 4.無人見学システムを導入する際の注意点
- 4.1.サービス導入のためのコストがかかる
- 4.2.社内体制の整備が必要
無人見学システム とは
無人見学システムとは、IoTを活用した不動産案内システムのことです。ここでは、基本的な特徴と利用方法についてご紹介します。
無人見学システムの特徴
無人見学システムでは、お客さまだけでモデルハウスを訪問します。玄関ドアをスマートフォンなどの端末で開錠して内見ができる仕組みとなっており、無人の物件でも安心して内見を行ってもらえるのがメリットです。
従来の内見では、必ず担当者がついて開錠や案内を行っていたため、どうしてもスケジュール調整がうまくいかないケースがありました。また、お客さま側からすれば「押し売りされてしまうかもしれない」と感じ、なかなか気軽に足を運びづらいという側面もあります。
非対面型で見学ができることで、お客さまの内見に対する心理的なハードルがグッと下がり、より積極的に参加してもらえる可能性が期待できます。
無人見学システムの仕組み
多くの場合、無人見学システムは以下のような方法でお客さまを受け付けています。
無人見学システムの基本的な仕組み |
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まずはWeb上で内見日時や個人情報を入力してもらい、見学予約を受け付けます。その後、登録された連絡先に開錠用URLを送信し、見学時刻になったらお客さま自身に開錠してもらいます。
見学終了後はお客さまに電気の消灯や窓の施錠を行ってもらい、最後に開錠用URLから玄関ドアの施錠・確認を行ってもらうというのが基本的な仕組みです。また、お客さまは見学中のトラブル相談や見学後の申し込み、IT重説などもスマートフォンを通じて不動産会社に対応してもらえます。
そのため、対面することなく契約に必要なプロセスを進められるのが大きな特徴となっています。
無人見学の市場ニーズ
さまざまな利点を持つ無人内見は、不動産業界のさまざまな分野で注目を集めており、すでに多くの不動産会社で導入が進んでいます。たとえば、無人内見とチャットボットの併用によって、お客さまへの対応業務を大幅に効率化している企業もあります。
内見業務や簡単な問合せ対応は、お客さま対応のなかでも比較的にルーティン化させやすいため、自動化によって業務効率の改善が可能です。その結果、具体的な商談などのより重要な業務に人的リソースを集中させられるようになり、全体としての生産性向上が期待できます。
慢性的な人手不足が続く不動産業界にとって、無人内見の需要は今後もますます高まっていく可能性があります。
無人見学システムを導入するメリット
無人見学システムは、お客さまと企業の双方にメリットがある仕組みです。ここでは、主なメリットを4つ見ていきましょう。
【1】お客さまの心理的なハードルが下がる
無人見学システムは、利用者にとっていつでも好きなときに内見が行える方法です。極端に言えば、無人内見システムがあれば24時間いつでも物件を見てもらうことも可能です。
そのため、忙しいお客さまや日中に時間をつくるのが難しいお客さまなど、さまざまな方に利用してもらえるのがメリットです。また、お客さまからすれば誰かの目を気にせずゆっくりと見て回れるのも大きなポイントでしょう。
担当者が同伴する内見ではどうしても気をつかってしまい、思いどおりに内見ができないという方も少なくありません。無人の状態であれば、気になるところを思う存分に見てもらえるため、内見そのものの満足度が高まりやすいといえます。
【2】業務効率化やコスト削減につながる
不動産会社にとっては、省人化やコスト削減につなげられるのが大きな利点です。従来の内見業務では、1人のお客さまに必ず1人以上の担当者がつき、内見と移動のために時間を確保する必要があります。
また、必ずしもすべての案件が成約につながるとは限らないため、内見に必要な人的リソースやコストは生産性を下げる大きな要因となってしまいます。無人内見システムの導入によって省人化が行われれば、従業員のリソースをよりコアな業務に集約させられます。
【3】多様な働き方を実現できる
企業が人手不足を解消する代表的な方法として、「多様な働き方の実現」が挙げられます。たとえば、リモートワークでの業務が増えれば、育児や介護との両立を目指す方でも安心して働くことが可能です。
対面型の業務である内見業務がリモート化されれば自宅からでも遠隔で対応できるようになるため、働き方の可能性も大きく広がります。
【4】防犯性が高まる
無人内見サービスを実施するうえでは、建物のセキュリティを高める必要があります。このときに必要となるスマートロックやスマートカメラなどの設備は、空き巣などの犯罪を未然に防ぐ役割も果たします。
無人見学システムを導入する際の注意点
さまざまなメリットを備える無人見学システムですが、導入する際にはコストや必要な準備も意識したうえで慎重に検討することが大切です。ここでは、無人見学を実施する際の注意点について見ていきましょう。
サービス導入のためのコストがかかる
物件の無人見学サービスを実現するためには、さまざまな機器を導入するためのコストがかかります。必要なものとしては、「インターネット環境の準備」「顔認証が行えるカメラ」「スマートロックなどに対応したドア」「IoT家電」などです。
すべてをそろえるにはそれなりにコストがかかるため、自社の商圏や顧客層なども踏まえながら、実施すべきかどうかを慎重に検討しましょう。
社内体制の整備が必要
無人見学システムは、きちんと稼働すれば業務の効率化につながりますが、社内体制の丁寧な整備が必要となります。少なくともメインの担当者は各種機器を使いこなせるようになっておく必要があり、万が一の際のトラブル対応も身につけなければなりません。
また、無人見学サービスの導入に伴って内見対応時間を拡大するのであれば、従業員のサポート体制も見直す必要があります。無人見学システムを専門的に取り扱う企業もあるので、社内の運用体制に不安がある場合は外部の企業と連携を図るのも一つの方法です。
●記事のおさらい
最後に、今回の内容をQ&Aで確認しておきましょう。
Q:無人見学システムとは?
A:無人見学システムとは、IoTを活用した不動産案内システムのことです。不動産会社の担当者などは同伴せず、お客さまだけでモデルハウスを訪問し、スマートフォンなどの端末で開錠・内見ができる仕組みとなっています。
Q:無人見学システムを導入するメリットは?
A:担当者が同伴しないため、お客さまのペースでじっくり内見してもらえるのがメリットです。また、不動産会社側にとっても業務の省人化につながり、その他の業務にリソースを割けるのが利点です。それ以外のメリットとしては、セキュリティ機器の導入によって、建物の防犯性が強化されることが挙げられます。
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